警部補 矢部謙三 (2010年4月期・テレビ朝日23時枠) 脚本 - 福田卓郎(1)(2)、高山直也(3) 演出 - 木村ひさし、神徳幸治 プロデューサー - 船津浩一 http://www.tv-asahi.co.jp/yabe/

第3話 姿なき犯罪者!?神経ガスの恐怖
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蛾眉村のナイスケミカル研究所が夜道に神経ガスを輸送中に
強盗団に襲われ、神経ガスが盗まれる。半径2kmの人間を無力
化出来るという危険なもの。
矢部謙三は警視総監らに呼び出され、犯人から神経ガスをばら
まかれたく無ければ実力で阻止しろと挑戦状が送られてきた事
を告げる。最も優秀な捜査官を寄こせと言ってきている事から
矢部が選ばれたのだという。国の命運が双肩に掛かっていると
言われる。

その頃、庶務係の美晴と桜木は東京カーブル美術館で警備の仕事
をさせられていた。私も毒ガス事件に関わりたかったという美晴。
クーリット王国の国宝展の為、現在ジャームー特使が来日して
おり、警備することになるが、そんな何処から来たのか分から
ない人を狙うはず無いと愚痴る。

矢部は犯人からの連絡を待っていると、携帯に電話が鳴り、
これから指示した場所に行ってあることをして貰うという。
池袋スリットスリットビルの屋上に13時までに行けと指示され
る。

その頃、東京カーブル美術館では通訳の南田レイナから美晴と
桜木に対して頼みたいことがあるという。特使の元に行くと
インコのミミが居なくなったことを告げ、探して欲しいという。
もしも要求が飲まれなければ外交ルートを通じて日本政府に正式
に抗議すると告げる。

屋上に着くと矢部の携帯に電話が鳴る。一人で来いという犯人
の要求を破り、秋葉が現場にいたのを見つかってしまう。
しかしもう一度チャンスを与えるという犯人。ヘリポートに呼
び出され、そこに置いてある5つの袋の中にコインが10枚ずつ
入っているが、5つの袋のウチ、1つの袋には偽物のコインが
入っているという。本物はコインは一枚10g、偽物は一枚11g。
偽物のコインの袋を見つけろというもの。秤が置いてあるが、
その秤が使えるのは一度切りだと告げられる。
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神経ガスを盗んだ犯人は、警察に突然対決を挑んでくる。
何故そんな面倒なことをするのか。
矢部が国の為に立ち上がる。

これまでの二話と比べて、とても面白く演出された話だった。
食傷気味だと思っていたトリック系のスピンオフドラマだけど
"トリック"そのものに視聴者に考えさせられるだけのネタが
用意されているし、各キャラクターたちのいじり方についても
安定した楽しさがあった。

舞台が秋葉原というものも有って、ネタの宝庫という点もドラマ
では起因する物があったのかな。

事件が発覚した後に、ドラマ"相棒"の右京ばりの着眼点の鋭さ
が演出され、桜木が疑うべきだったポイントをきっちりと説明
していく丁寧な作り。

自分には被害が及ばぬように避難しており、それでも主犯格の
人物を捕まえてしまうという矢部らしさが描かれたり、問題が
解決しているにもかかわらず、肝心の所で風のイタズラに
よってカツラがずれて、思わぬ方向に展開が進むなど、一筋縄
では行かない面白いシーンが盛りだくさん。

トリックの時もそうだったけど、小ネタが滑らないと、安定した
楽しさが有るよね。
そういえばトリックとネタが連動している辺りもこのドラマの
良さかな。

蛾眉村という地名だったり、博物館に飾られているアイテムなど、
ドラマ"トリック"を思い出せる面白い使い方だし、桂美晴の決
めぜりふも、山田奈緒子に被せた様なセリフを用意した点も
興味深い。

しかし今回頭を使うトリックだったということで菊池愛介がもっ
と活用されるべき展開だったけど、相変わらず見かけ倒しって
所が笑えた。


矢部謙三 …… 生瀬勝久 (警視庁公安課刑事)
秋葉原人 …… 池田鉄洋 (警視庁公安課刑事)
桂美晴 …… 貫地谷しほり (警視庁公安課庶務係)
桜木健一郎 …… 鈴木浩介 (警視庁公安課庶務係)
菊池愛介 …… 姜暢雄 (警視庁参事官)
片桐優奈 …… 原幹恵 (警視庁公安課の潜入捜査官)
木下 …… 奥田達士 (警視庁公安課の刑事)
雨中 …… 渡洋史 (警視庁公安課の刑事)
森田 …… 小松利昌 (警視庁公安課の刑事)
軒和洋子 …… 佐藤真弓 (警視庁公安課庶務係)
大村課長 …… 魁三太郎 (警視庁公安課課長)
警視総監 …… 団時朗 (警視総監)
池田ハル …… 大島蓉子 ("池田荘"管理人)
ジャーミー君 …… アベディン・モハメッド("池田荘"住民)

南田レイナ …… 芦名星 (通訳)
北沢敦彦 …… ノゾエ征爾 (容疑者、指紋から判明)
北田伊知郎 …… 佐伯新 (警備員、インコの件を口にしてしまう)
清掃員 …… 政岡泰志 (敵)
山崎 …… 沖田裕樹 (大使の助手)

浦野一美、モニ、森田ガンツ、小林健一、ゆかわたかし
石橋忠士、高橋洋介

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)