刑事定年
(2010年10月期・BS朝日水曜22時枠)

プロデューサー: 川島保男、高橋萬彦 
脚本:鎌田敏夫(1)(2)(3)、金子成人、樫田正剛
演出:佐藤祐市、後藤庸介

http://www.bs-asahi.co.jp/keijiteinen/


第3話 疑惑の夜
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目玉焼きを作る直也の元に、多田野がやってくる。
直也は作ったばかりの目玉焼きを彼に食べさせるが、素っ気な
く食べる彼にもっと味わって食べろと告げる。しかし彼は乗り
が悪く意気消沈していた。
そんな中、妻の早季子が帰宅する。彼女が活動している里親会
に於いて、五匹の動物が里親としてもらわれたとして喜んで
いた。そんな早季子に、多田野の様子がおかしいと告げると、
更年期障害ではないか?という。
多田野にその事を告げると、女房の
靖子が突然戻ってきたのだ
という。それを聞いた早季子は、今夜みんなで食事を取ろうと
告げる。やっぱり男性が出来て離婚届を書かされたのか?と
興味津々の猪瀬夫婦。突然帰ってきて部屋の掃除をしていると
いう彼は、彼女のことが分からないと嘆く。

このまま放っておいたらまた出て行ってしまうのではないか?
という早季子は、今から家に行って靖子から話を聞いてくる
という。
直也は多田野のためにコーヒーを入れると、直也が家のことを
色々としている事に驚く。定年になれば色々な事をさせられる
ぞと告げる。
多田野は何十年も妻と暮らしてきたのに何を考えているのか
分からないという。あなたとは生活できないと言って突然出て
いった妻をすんなり受け入れることは出来ないという彼。
しかし直也はここは何もなかったように向かい入れた方が良い
と告げる。自分は定年になって当初は時間をもてあましていた
が、最近は神様が時間を与えてくれたと思うことにしていると
いう。

そんな中、佐伯が家にやってくる。
佐伯は部屋を借りると告げると、突然机を出してきて、調書
を取らせてもらうという。東向島のカラオケクラブ"
スリーキャ
ッチ
"で働いているパラグアイ人、ロザリオ・アビンチョスセル
バンテス(通称:マリア)
の売春容疑がかかっており、彼女の携帯
から、部長・多田野とやりとりしているメールが見つかったの
だという。10月13日の行動を署員から聞いてこいと言われた
という。多田野はもじもじしてなかなか話そうとしない中、
直也は疚しいことが無いのならばきちんと答えろという。

すると多田野は当日
浅草の雷門の前で待ち合わせたという。
女に出て行かれた男性と出稼ぎの女性。まさか夜のサッカーを
していたのではないのか?と問いつめるが、売春はしていない
と否定。近くの居酒屋に入り、食事をしたという。10時前に店
を出たと告げるが、その後の行動をなかなか言おうとしない
多田野だった。

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突然家出していた多田野の妻・靖子が帰宅する。
帰宅しても何も言わない妻の姿に、どうしていいのか夫の
弘は戸惑ってしまう。

夫の考えていることが分からずに家出してしまった妻と
戻ってきて不審な行動を取る妻に何を考えているのか分から
ない夫。

夫婦には阿吽の呼吸が有るというけれど、所詮夫婦で有っても
他人であり、性別の違う人間といった所か。
口数の少ない夫婦の中には多田野家のように、互いの考えが分
からずにいっぱいいっぱいになってしまう家庭も有るという事。

意思疎通の問題で、それらが上手く機能していないが故に
不審感を買ってしまうものではあるが、互いに純粋さを持ち
合わせて居るために、大事には至らなかった。

仲介役の人が居ることで互いの気持ちが伝わっていくのならば
良いのだけど、このご時世、あまりご近所付き合いもなく、
こういう形で関係を駄目にしてしまう事は多いのだろうね。

これまで多田野家に対して多くを語ってこないことが功を
奏して、夫婦それぞれの性格にはどのようなものが含まれて
いるのか、それを探っていく課程はドラマとして面白く写っ
たと思う。

同性であり同じ主婦の立場から、早季子は大丈夫だと言った辺り
は心強い物が有ったな。

刑事ギャグがコント部で面白く機能しているウチは、この
ドラマも安定した楽しさが有るのかもしれない。
少々、今回多田野とのやりとりはくどさが有ったけど、
大場親分が悪気はないけど爆弾を落としていく辺りは笑えた。


猪瀬直也 …… 柴田恭兵 (60歳、定年退職した元敏腕刑事)
猪瀬早季子 …… 浅田美代子 (54歳、元刑事の妻)
猪瀬真紀 …… 田丸麻紀 (29歳、証券会社勤務)
多田野弘 …… 金田明夫 (58歳、直也の元同僚で親友)
佐伯正史 …… 中林大樹 (27歳、隅田川署の新人刑事)
大場義成 …… 山田明郷 (65歳、ヤクザの親分)
李 昭信 …… 春川恭亮 (21歳、大場組の新米組員)


多田野靖子 …… あめくみちこ (弘の妻)
マリア …… シルビア・グラブ (パラグアイ人・人類学専攻)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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