刑事定年
(2010年10月期・BS朝日水曜22時枠)

プロデューサー: 川島保男、高橋萬彦 
脚本:鎌田敏夫(1)(2)(3)、金子成人、樫田正剛(4)
演出:佐藤祐市、後藤庸介

http://www.bs-asahi.co.jp/keijiteinen/


第4話 極道の恩返し
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この日、直也の元に親分の大場義成が頼み事をしに来る。
しかし倫理的に無理だとし、嘘の片棒を担ぐ行為は容認できず、
嘘に方便などありはしないという。しかし大場から就職先を
世話すると言われる。

定年してから2ヶ月経った今、早季子は夫の直也に再就職はしない
のか?と尋ねる。同期の
高梨は働いていると告げると、タイミ
ングが有るというのである。現在天下りに世間の視線は厳しい
為、その騒動が鎮まってから就職するとのこと。

大場が直也に頼んだのは、アリバイ工作に手を貸してくれとい
うもの。大場が浮気した件で、妻・
カズ子は疑っており、
先週の土曜日に於いて一緒にいたということを証言して欲しい
のだという。アリバイに協力してくれれば何でもするというと
直也は一度きりだぞと告げる。そんな中、出かけていた早季子
が帰宅。
直也が未だにヤクザと付き合っているのを見て、ああいう人を
家には入れないでと告げる。
早季子は大場と何を話していたのか?と尋ねると、彼は男には
色々とあるとして詳しくは話そうとしなかった。

数日後、大場は再び直也の元を尋ね、頼み事があるという。
嘘をつくのは一度だけだと言っただろうとするが。今度は男性
一人を預かって欲しいというのである。男性の名は
尾車
大親分の下にいた人物で、
明日自首する身だという。今度
刑務所に入ったら何時出られるのか分からない身の人物であり
一日だけ預かって欲しいという。どうしてそんな奴を家に連れて
くるのかと尋ね、犯罪者と知って匿う奴が居るかと告げる。
しかし大場の元に電話が鳴ると急用が有るとばかりにそそくさ
と出て行ってしまう。

二人はビールを飲む。
そして尾車に対して何をしたんだ?と尋ねる。しかし尾車は
それを知られると迷惑がかかるとして一切口を割ろうとは
しない。そこに早季子が帰宅し、尾車を見て警察関係の人か?
と尋ねる。そして挨拶をすると尾車は、ヤクザものの挨拶を
したために、早季子は激怒する。


短刀のキクムネ。骨董品としては1千万円の価値が??
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現役の刑事時代から付き合いのあるヤクザの親分・大場義成
から頼み事をされる。アリバイへの協力、そしてある男を一日
だけ置いて欲しいと言うのである。アリバイはともかく何故
素性の分からない男を泊めなければならないのか。

高杉亘さんの持つ威圧的なオーラが、今回のドラマを面白い
ものとさせた。
素性が分からない事だけでなく、翌日に出頭するという事で
そんな彼への恐怖心を煽り、更には何時出られるとも分からない
量刑の事件だとすることで、詮索したい気持ちとは逆に、
身の毛も振るわせるようなものが存在した。

とにかく尾車の行動の一つ一つが、意味もないのに意味ありげ
なものとして写る辺り、その都度笑える者が有り、鶴の恩返し
ならぬ極道の恩返しとして、一人部屋に閉じこもって怪しげな
事をしている辺り狙っていることとはいえ滑稽なものが有る。

酔っぱらいを演じる金田明夫さんのハマり具合とか、直也と
早季子の気のあったやりとりは、このドラマに安定的な
良さをもたらしている。

夫がもたらす家庭へのお金について、色んな立場の側から考察し、
何が一番夫婦関係に於いて良いものなのかを探っていくところも
ドラマとしての味へと繋がっている。

そしてなんと言っても定年後の進退に関して、色々と模索して
いる辺りは、リアルなものがあるんだろうね。


猪瀬直也 …… 柴田恭兵 (60歳、定年退職した元敏腕刑事)
猪瀬早季子 …… 浅田美代子 (54歳、元刑事の妻)
猪瀬真紀 …… 田丸麻紀 (29歳、証券会社勤務)
多田野弘 …… 金田明夫 (58歳、直也の元同僚で親友)
佐伯正史 …… 中林大樹 (27歳、隅田川署の新人刑事)
大場義成 …… 山田明郷 (65歳、ヤクザの親分)
李 昭信 …… 春川恭亮 (21歳、大場組の新米組員)


尾車 …… 高杉亘 (ヤクザ、明日自首しようとしている)
大場カズ子 …… 峯村リエ (親分・義成の妻)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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