刑事定年
(2010年10月期・BS朝日水曜22時枠)

プロデューサー: 川島保男、高橋萬彦 
脚本:鎌田敏夫(1)(2)(3)(6)(7)、金子成人(5)、樫田正剛(4)(8)
演出:佐藤祐市、後藤庸介

http://www.bs-asahi.co.jp/keijiteinen/


第8話 親父の長い一日
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鯛焼きを食べる猪瀬家。
真紀も直也も尻尾から食べることを知って親子ねと呟く。
鯛焼きだけでなく卵かけご飯など、食べ物の趣味や食べ方が
一緒だという。そんな真紀もいよいよ結婚かと呟く。
真紀は彼氏の名は
高樹隆史だという。どんな人なのか?と問うと
真紀は突然気分が悪い素振りを見せる。妊娠かと思わせ、彼女
のついたジョークだった。

そんな中、直也の父・
源蔵がやってくる。
静岡の八重津からやってきた彼。源蔵は直也に定年で仕事を
やめてから何ヶ月経つのか?と尋ねる。三ヶ月だとすると、
自分が居なくても世間が動いている事を知って、世間から見放
されているのではないか?というそんな気に慣れてきただろう
という。上京したのは大学病院に入院しろと言われたからだと
すると、直也達は父の体調を気にする。しかし話を聞くと入院
するのは親友の
ヤスイキヨシだという。それを聞くと真紀の
ジョークは祖父からの遺伝だと呟く。

父も尻尾から鯛焼きを食べることを知る。
早季子は源蔵に、娘・真紀が結婚する事を告げ、直也が寂しが
っているようだと告げる。嬉しいけれど、まだ紹介されていない
事が気になるという。普通はまず親に会わせてから決めること
だろうという。

そんな中、源蔵は直也と早季子に聞きたいことが有るという。
普通手切れ金とはどのくらいが相場なのか?という。彼女との
手切れ金だと聞くと、そういう人がいるのか?と尋ねる。
付き合って20年になるという源蔵に一瞬ジョークかと思えば、
本当のことのようだった。金額によっては遺産が残せないという
源蔵に対して、母が亡くなってから2年目で付き合い始めてい
たのかと呆れる。

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老い先短い父が上京した本当の理由は何なのか。
恋人の存在、親友の存在、そして老人ホームの存在など、
まるで身辺整理をしているかのような源蔵の態度に困惑する。

源蔵の登場によって猪瀬家の全てがここに有るとばかりに、
良いキャラクターを吹くまいていく。
猪瀬家の繋がりを示すための癖を共通項として、その血は引き
継がれている事を端的に示した。

定年の後にやってくる人生の晩年をどのように過ごすのか。

ドラマとしては源蔵が上京してきた事に色んな理由付けがして
有り、何が本心なのかを探っていくもので、そこに猪瀬家の
遺伝でもあるジョークが面白いよう加味され、真相を掴めない
様興味深い味付けがしてある。

祖父と孫の関係がとても良好なのでとても微笑ましいものが
有る。父にキスするシーンを見られるのではなく、ワンクッシ
ョンを置いて祖父に見られてしまう所など、勿体を付ける
様な流れで良くできていた。

直也の言っている事が、父に対しても娘に対して全て正しいと
するところも面白いところで、親もある年を越えると、娘と
同様に子供のような存在へと帰着していく感じだね。

話を聞いていると源蔵の身辺整理のようなエピソードで物悲しく
させるものだが、とても明るい家庭が目の前にあることで、
そんな気持ちを上手く中和している印象が残る。


猪瀬直也 …… 柴田恭兵 (60歳、定年退職した元敏腕刑事)
猪瀬早季子 …… 浅田美代子 (54歳、元刑事の妻)
猪瀬真紀 …… 田丸麻紀 (29歳、証券会社勤務)
多田野弘 …… 金田明夫 (58歳、直也の元同僚で親友)
佐伯正史 …… 中林大樹 (27歳、隅田川署の新人刑事)
大場義成 …… 山田明郷 (65歳、ヤクザの親分)
李 昭信 …… 春川恭亮 (21歳、大場組の新米組員)


源蔵 …… 夏八木勲 (直也の父)

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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