警視庁継続捜査班
(2010年7月期・テレ朝21時枠)

脚本:吉本昌弘(1)、長坂秀佳(2)
演出:猪原達三 常廣丈太 高橋伸之
チーフプロデューサー:五十嵐文郎
プロデューサー:船津浩一、壁谷悌之

http://www.tv-asahi.co.jp/keizoku/


第2話 未解決殺人〜盗撮
--------------------------------------------------------
1999年、雨の日に女性が襲われる事件が4件連続で起こる。
犯人は女性の顔をビニールで覆い窒息死させて、遺体から第2
ボタンを戦利品として持ち去っていく。雨の日の悪魔だとされ
4件目の事件から二ヶ月後、7月28日に自宅で容疑者が逮捕され
る。犯人は土蔵亀生。その事件を担当したのは真奈美の父、
徳治郎だった。

10年前の今日、被疑者はすぐに自供するが、裁判では一転して
否認。しかしそれは認められずに死刑判決が出た後、二ヶ月後
に病院で亡くなる。犯行に使われたロープも手袋も自宅から
発見されたが、肝心のボタンが見つからなかったのである。

真奈美は入院している父の元に会いに行くと、未だに父は、
その当時の書類を目にしていた。あれが誤認逮捕だったら大変
な事をしたと父は思い悩む。

病院に行った事を継続捜査班に話すと、新田は未だに気にして
いたのかと呟く。真奈美は再度当時の事件の事を知ろうとして
土蔵の自宅を訪ねる。あの時のまま手つかずで現場は残されて
いた。岩瀬もその現場にやってくるが、当時散々捜査した事を
告げ、ここからはもう何も出てこないと告げる。
土蔵は酒乱の父に暴力を奮われ、母は家出したことで人生が
狂ってしまった。噛みつき亀を飼っており、被害者たちは亀の
餌を採っていた彼のことを小馬鹿にしたキャバ嬢たちである事
が発覚していた。

そんな中、真奈美にも電話が鳴る。
現場に着くと既に一課の宮川たちが捜査していた。
女性・天野清美が殺害されている姿は、まるで10年前の現場を
再現したかのようだった。なんと不思議なことに鑑識で使う
番号札まで置かれていたのである。これは10年前の第一の現場
とそっくりの状況だった。
プロファイルしようとする中、継続捜査班に一課の刑事・福角
恒男がやってくる。現場にはNO3の番号札が倒されていた。
単なる模倣犯なのか、それとも昔の犯人が動き出したのか?
高木は、インターネット上に殺人現場マニアが乗せたと思われる
ホームページを見つける。犯人はこの情報を見て再現したのか?
しかし第二ボタンを戦利品として持ち帰る犯人のクセを、当時
マスコミには発表しておらず、ボタンの事を知っているのは
犯人だけだという。真奈美は全てを総合すると、警察へのメッ
セージである可能性が高く、抗議、挑戦、アピールが考えられる
という。土蔵が犯人として捕まったことで、犯人はそれを機会
に犯行を止めたが、10年の時を経て我慢できない事が起きたの
かも知れないと語る。

そんな中、福角は犯人は10年前から分かっていたことだという。
当時17歳で引きこもりの男性・綾辺瞬。かつて盗撮で捕まえら
れた事のある異常性癖の持ち主で、現在は女装して街中を歩いて
いるのだという。10年前にもアリバイが無く、カツラが干して
有ったことから第一容疑者として間違いないと告げる。

--------------------------------------------------------

10年前に解決したと思われた連続殺人事件だったが、10年経った
今再び動き出す。10年前に事件の捜査を担当したのは、父・徳治
郎という事で、下手をすると父親に汚名を着せる様な結果を
導くかも知れない状況の中、真犯人にたどり着くことが出来るの
か。

10年前に発見されなかった物を見つけていくという事で、バラ
ンスとしては難しい事件では有る。
ただそれにしては亀の胃袋の中にボタンが有る事を見つけられ
なかったとする辺りに、少々お粗末さを感じるもので、異物を
飲み込めば亀であれ、体外に排除しようとする体の自然の摂理が
働くもので、10年間も残っていること自体に無理がある。

ボタンを亀に飲み込ませることは、真奈美が語る戦利品を粗末
に扱う事はないハズだというセリフに該当するのかどうかも
疑問なものだ。

また矢島健一さん演じる福角恒男が、キャラクターをオーバー
に演じすぎることで、如何にも犯人だと主張しすぎていて、
やや興味を失う内容だった。

さて視聴者の心を巻き込むために一連の事件に於いて、考える
余地を与える事は大切だとは思う。
ただ番号札を使った犯行予告を示唆する流れは少々お粗末なもの
で、物事がピンポイントで運びすぎている。

真奈美が尾行するシーンなども、ちょっと考えられない捜査
で、プロファイラー自らが一人で動き回る様な事なのか。

また容疑者として挙げられる男の行動心理を見れば、メイド服
を着る心理と盗撮する心理というのは、また違った物が有るの
ではないかと思ってしまう。
盗撮するのにそんな目立つ姿をする奴は居ないだろうしね。

冒頭からボタンの事を知っているのは犯人と警察関係者だけなの
だから、防御型とか攻撃型とか占う前に、目の前に居る怪しげ
な男を調べよって感じしかしなかったな。

気がつくと真奈美は全然犯人像を描いていない。
真奈美のセリフを全て抜き出したとしても、福角恒男という
人物だと臭わせるものはあんまり無いと思う。


貴志真奈美 …… 木村佳乃 (警部補・32歳、プロファイラー)
矢吹慎一 …… 筒井道隆 (警部補、元捜査一課のエリート)
宮川学 …… 高知東生 (捜査一課・警視・管理官)
山岸徹 …… 菅原大吉 (捜査一課・警視正・理事官)
友枝達也 …… 南圭介 (捜査一課・警部補)
仲田周平 …… RIKIYA (捜査一課・警部補)
古崎仁美 …… 笛木優子 (警視庁広報官)
高木真人 …… 田島優成 (警部補、IT捜査の専門でリサーチ担当)
水城紀子 …… 余貴美子 (班長・警視、仕事にはシビア)
岩瀬厚一郎 …… 平泉成 (真奈美の良きアドバイザー)
新田明彦 …… 伊原剛志 (警部・チームリーダー)
秋本祥子 …… 小柳こずえ (ジャーナリスト)

貴志徳治郎 …… 橋爪功 (父)
福角恒男 …… 矢島健一 (捜査一課)
土蔵亀生 …… 藤馬ゆうや (10年前の犯人)
綾辺瞬 …… 永田良輔 (異常な性癖)
綾辺司郎 …… 松村穣 (父、大学教授)
綾辺京子 …… 宮田早苗 (母)

小嶋マコト、ドクターHIRO、山口知紗、伊奈川正樹
三橋ひより、大塚麻希子、田口夕輝、小島百合子、梅田絵里子
薊香蓮、安西シエル、清水恵理


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system