警視庁継続捜査班
(2010年7月期・テレ朝21時枠)

脚本:吉本昌弘(1)(3)、長坂秀佳(2)
演出:猪原達三 常廣丈太 高橋伸之
チーフプロデューサー:五十嵐文郎
プロデューサー:船津浩一、壁谷悌之

http://www.tv-asahi.co.jp/keizoku/


第3話 未解決殺人〜容疑者の告白!!
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8月10日捜査一課は、東都音楽大学で張り込みの仕事をしていた。
この日、チェリストの越坂奈月が演奏をするのを海外の指揮者
ブッフボルツが自ら聞きに来ていたのである。
事の発端は15年前の1995年8月15日の満月の夜。一家惨殺事件
が起こる。満月の訪問者と呼ばれ、5歳の娘、奈月だけが生き
残った事件。そんな彼女に15年ぶりの10日会いに行くとのメール
が届いたのである。
当時の事件の担当刑事で、現在は引退している風間輝樹から
そんなメールが来たとのことを告げられたのである。
彼女の人気はインターネットで火がついた物だった。

演奏を終えると突然、奈月のライバル奏者・神田幸恵がカッタ
ーナイフで襲いかかってくる。不幸を売り物にしてのし上がった
として、貴方さえ居なければ私が選ばれたのにと襲いかかるが
すぐに警備していた刑事たちに取り押さえられる。
しかし神田のパソコンを調査した結果、奈月に脅迫メールを出
していない事が判明する。

奈月を病院に運ぶと、そこに風間刑事も見舞いにやってくる。
15年前、彼女の両親が殺された際、奈月は二階の客間のクロー
ゼットに隠れており、それを助けたのは風間と、新田刑事だ
ったのである。越坂康史は当時貿易会社を経営しており、危ない
仕事にも手を出していたので、その関係で殺されたのではないか
とされた。当時コーヒーカップを出した跡が有り、部屋には
客用のスリッパの跡が付着していたのである。風間は、あの事件
は完全に初動捜査を誤ったとして、自分の責任である事を
告げる。そして定年の日に、新田に捜査を頼み絶対に捕まえて
くれる様頼んでいたのだった。

8月11日、フルムーン桜ヶ丘。ここに住む小林玲吾(45歳)が
メールを送信していたことが判明する。彼はルポライターを
している人物。すぐに家宅捜索する事になる。

そんな中、荒川の河川敷で遺体が発見される。遺体は小林のもの
でナイフで複数回背中を刺されていた。川に投げ捨てられた
所を見ると殺害現場は上流だという。やがて殺害現場が上流に
有る清水公園で有ることが判明する。

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15年前に殺害された一家の生き残り、娘の奈月の元に再び
脅迫状が届く。しかし何故娘は犯人の顔を見ていないにもかか
わらず、再び犯人は襲うのか。またその犯人は15年前の未解決
事件の犯人と同じ人物なのか?

色々とミスリードする人物の登場により、事件の真相、犯人像が
難しい案件だった。
本田博太郎さんの刑事ドラマの役どころの多くは、結構ダーク
な感じも秘めているので、何か過去の事件に関して知っている
ものがあるのでは無いかという気持ちが終始有ったし、梶原善さん
演じるルポライターの怪しさは、事件にどう関わっているのか興味
深いものが有る。

さて15年前の事件の解決という事で、とても難しそうなものだ
った。
トラウマになっている被害者を前向きにさせる辺りは、真奈美
の役割が単なる捜査解決だけではなく、プロファイラーとして
誰よりも人の行動心理に長けているだけ有って、上手いファロー
の仕方だけど、彼女はプロファイラーという事を飛び越えて、
まるで鑑識の様な現場捜査のプロの状態になっている。

当時の室内の足跡の痕跡などは完璧に再現できるようなもの
が有っても良いのだが、当時の現場に二人の人物が居たという
辺りにも、もう少し納得できるような分析が欲しかった。
一階では金品を求める犯人の行動、二階では子供を捜している様
な行動との事。別人だとする決定的な証拠に、足跡の踏み圧みたい
な事を引き合いに出していたが、そんなものが計算出来るので
あれば当然、15年前に二人の容疑者が居た事が発覚しても
おかしくはない。


出生の取り違えによって、人生が狂わされてしまった物語では
有るが、犯人の中村幸一にしては別の殺人事件でも捕まっている
訳だし、子供を取り違えていなければ・・・とするにも少々
説得力に掛ける物があった。

それと産みの母親は奈月の事を身近で見守っているハズだとする
ときに、星野先生の存在感の小ささがネックで、最後にこの人が
産みの母親だったのかという納得感が無かったのが残念。

それにしてもこの手のドラマの定番とはいえ、真奈美の過去の
事件の刷り込みは予想以上に、物語の流れを疎外している気が
する。


貴志真奈美 …… 木村佳乃 (警部補・32歳、プロファイラー)
矢吹慎一 …… 筒井道隆 (警部補、元捜査一課のエリート)
宮川学 …… 高知東生 (捜査一課・警視・管理官)
山岸徹 …… 菅原大吉 (捜査一課・警視正・理事官)
友枝達也 …… 南圭介 (捜査一課・警部補)
仲田周平 …… RIKIYA (捜査一課・警部補)
古崎仁美 …… 笛木優子 (警視庁広報官)
高木真人 …… 田島優成 (警部補、IT捜査の専門でリサーチ担当)
水城紀子 …… 余貴美子 (班長・警視、仕事にはシビア)
岩瀬厚一郎 …… 平泉成 (真奈美の良きアドバイザー)
新田明彦 …… 伊原剛志 (警部・チームリーダー)
秋本祥子 …… 小柳こずえ (ジャーナリスト)

越坂奈月 …… 芦名星 (音大生)
星野佳世 …… 長野里美 (教師)
風間輝樹 …… 本田博太郎 (元捜査一課刑事)
神田幸恵 …… 上野なつひ (音大生・奈月のライバル)
小林玲吾 …… 梶原善 (ルポライター)
中村幸一 …… 中西良太 (犯人)

藤田宗久、中村真美、夏川加奈子、原田千可、佐々木りお
長谷川かずき、加瀬尊朗、辻義人、斉藤陸、三上大樹(アナ)


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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