警視庁失踪人捜査課 (2010年4月期・テレビ朝日・金21時) プロデューサー - 三輪祐見子、飯田新、松野千鶴子 脚本 - 渡辺雄介 演出 - 七高剛 http://shissou.asahi.co.jp/

第3話 ミステリーの女王に驚愕の秘密
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文啓出版 第25回ベストミステリー賞の授賞を祝うパーティー。
ミステリー作家・木下薫(45歳)が受賞する。担当編集者の井村
正樹はそれを喜び、カメラマンの花崎光春は着飾る薫を撮影す
る。
しかし授賞式の銀座イーストロイヤルホテルを出た後、木下薫
は失踪する。
ドアマンの杉田によると、9時15分に彼女はタクシーでやって
来て、ファンに囲まれたという。しかし何かを見て驚いた表情
を見せたとの事。ホテルの入り口に設置された監視カメラを
見るが何者かを見て驚いているが、それが誰なのかは特定出来
無かった。

失踪後38時間が過ぎる。目撃者もなく身代金の要求もない。
作家のスランプで何処かに身を隠しているだけではないか?と
いう意見が出る中、捜査一課から中野のピアノバー放火事件で
二体の遺体が出て、その内の一体の遺体は身元が不明である事
を聞かされる。

薫の自宅を調べる。あえば印刷を経営する弟・孝の立ち会いの
元部屋を捜索すると、購入した品物は箱に入ったまま無造作
に置かれており、台所にはカップラーメンの山。彼女が執筆
しているセレブ生活のエッセイとは全く嘘だと分かる。
弟の孝によると、二ヶ月前に逢ったのが最後だという。
失踪の前に電話した事も告げる。姉はとても体裁を気にする人
で、こんな状態で姿を消すハズはないという。
部屋からは睡眠薬や抗不安薬が見つかる。
高城はメモ帳に書かれた電話番号を発見。電話してみるが、
繋がらなかった。

担当編集者の井村の元に話しを聞きに行く。最初は純文学を
執筆しており、自分がミステリーを書くことを薦めたという。
最近トラブルは無かったか尋ねると、熱烈なファンが一人いて
三ヶ月前に付きまとっていたという。ファンの男は中西達也
(30歳)関東デイリー運送に努めている彼は、アリバイが完璧
に有った。薫宛に届けられる危ないファンレターを調べる。

そんな中、失踪する直前に500万円の金を下ろしていること。
更に今朝に50万円ずつ二箇所で引き出している事を知る。
500万円は本人が引き出し、50万円は弟が引き出していた。
事情を聞くと、会社の経営が不渡りを出しそうな状態だった
ので借りる約束をしていたとの事だった。
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突然売れっ子のミステリー作家が失踪する。
調べていく内に彼女は半年前から精神的に不安定になり心療
内科に掛かっている事が判明。
更に500万円の大金が引き下ろされている事が判明する。
果たして自ら失踪したのか、それとも事件に巻き込まれたのか。

名声もあり金も有るセレブな女性の内情に迫るという意味で
とても面白い造りだった。
体裁を気にする人物という事ね有って、そのギャップには
驚かされる物があるが、何故自分を偽っているのかが、過去の
エピソードから理由付けしている辺りが、上手く設定されてい
る。

全く関係のない二人の事件に於いて、電話番号という共通項に
よって関連のある事が分かり事態が進展していく。

精神不安に陥る理由が単なるイジメだけでなく、イジメから
派生して一人の生徒を亡くしている事への懺悔の気持ちが上手く
彼女の心の中で消化不良を起こしている点が興味深い。

火災によって被害者となった女性が、もしかすると薫が被害者
なのかと思わせつつ、今度は加害者なのかと思わせる辺りも
上手く視聴者の心を揺さぶっているし、容疑者を縛らせないよう
工夫されている。

盗聴器が仕掛けられていると分かる辺りの顛末だったり、
薫が何処に監禁されているのかその辺の理由付けがイマイチ
説得力が有ったのか分からないが、流れとしてはとても面白く
出来ていた。
奇抜なキャラクターが一人として居ない所が好感が持てるな。


高城賢吾 …… 沢村一樹 (失踪人捜査課三方面分室。元一課)
明神愛美 …… 森カンナ (失踪人捜査課三方面分室。元一課)
醍醐塁 …… 北村有起哉 (元プロ野球選手)
森田純一 …… 黄川田将也 (草食系、IT得意)
小杉公子 …… 高畑淳子 (庶務的役割)
三浦真人 …… 遠藤憲一 (高城を呼び寄せた、分室室長)
法月大智 …… 小日向文世 (定年間近。7年前の事件を知っている)

饗庭紗江子 …… 高橋ひとみ (ミステリー作家:木下薫)
井村正樹 …… 朝倉伸二 (文啓出版、薫の担当編集者)
花崎光春 …… 松田賢二 (カメラマン)
土屋宏美 …… 真下有紀 (通販"メゾンチャンネル"勤務)
饗庭孝 …… 長谷川朝晴 (紗江子の弟、"あえは"印刷)

坂上和子、猪狩賢二、太地琴恵、田口理恵、津村知与支
加門良、森山琉衣、中嶋晴子、樋渡美紗、池田武志、菊井真理子
中村直美、服部整浩

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)