警視庁失踪人捜査課 (2010年4月期・テレビ朝日・金21時) プロデューサー - 三輪祐見子、飯田新、松野千鶴子 脚本 - 渡辺雄介(1)、北澤寛(2)(5)、福島治子(3)、長田敏靖(4) 寒竹ゆり(6) 演出 - 七高剛 http://shissou.asahi.co.jp/

第6話 消えた花嫁!3000万の行方
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引っ越しする野口波瑠。
しかしその日の夜8時頃、名村凪に電話し、電話口では涙しなが
ら何も語らず。それを心配した凪は40分後に彼女の部屋を訪れ
るも彼女の姿はなかった。

凪は失踪人捜査課に相談する。
昨晩の夜話したのが最後で、その時は幸せそうだったこと。
大事な人が居ることを臭わせていたが、基本的に波瑠はプライ
ベートな事を話したがらなかったという。
波瑠とはピアニストの父・公の葬式の時に出会ったという。
その時は父親の教え子だとするが葬式には参列せず、隅でタバコ
を吹かしていたとのことだった。愛美は愛人だったのか?と
呟く。

波瑠のアパートを調べると台所から血痕が見つかる。
彼女の経歴を調べると16歳の時に補導歴があり、その時に高校
を辞めている事。現在は派遣の清掃員をしていたという。
しかし派遣の社員が住めるようなアパートではない為に、
別の収入源が有ったのか?と疑う。

波瑠が勤めていた清掃会社にいくと、一緒に仕事をしていた
歌子が色々と教えてくれる。昨日は等々力の病院で仕事が有った
事。彼女はとても真面目で、他にも夜の仕事と掛け持ちをして
いたようであること。ここ半年は金に困っていた様子で、
一昨日の帰りに男性(庄司敦史)と言い争いをしていたという。

やがて調査の結果、その男性が庄司敦史で、彼がバーのマスター
の久永に頼んで彼女を店で雇って貰ったという。夜の店で
ピアノを弾いていた事。二人とも同じ児童養護施設で育ったと
の事で、敦史も一昨日から店を休むと連絡が有ったきり音沙汰
が無いという。

そんな中、5月14日に波瑠の口座に3千万円が振り込まれている
事を知る。振り込んだのは木佐貫大輔。名村公の相続代理人
である事を知る。
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一人暮らしの女性・野口波瑠が突如友人との電話の後に失踪
する。調べていく内に、彼女の苦労ある人生が浮かび上がって
くる。

なんかもの凄くタイムリーなネタなのでビックリした。
最近世間を賑わせている産婦人科の堕胎事件から僅か数日での
ドラマ放映という事も有って、その偶然性に驚く所がある。

このドラマの問題点の一つが、捜査対象者が失踪人なのか、
それとも単なる家出なのかと区別がなかなか付きづらい所がある。
この手の事件は初動捜査こそ大切なので、今回のように素早く
捜査にとりかかるのは良い事なのだが、素人目に見るとどうし
ても事件性が有るようには思えないところがあり、警察が動く
べき案件なのかどうか実に分かりづらい。

ドラマでは、今回の失踪人の彼女自身がどんな性格であり、
どんな人生を送って来たのかがメインであり、調べていく内に
金の臭いがしたり、経歴の詐称じみた過去が発覚することで、
失踪との関連を疑っていくことになる。

ドラマが展開する毎に、愛人の子であった波瑠の不幸な境遇が
浮かび上がり、それとは対照的に、彼女の優しさが抽出されて
いくもので、アルコール中毒の母親との関係性や一緒に施設で
育った家族同然の男性の存在、そして正室との関係が興味深く
描かれた。

幸せを掴もうとしていた彼女が最後まで不幸なまま亡くなって
しまう辺りの無念さが上手くドラマに感情移入させるだけの
余韻を含ませている。


高城賢吾 …… 沢村一樹 (失踪人捜査課三方面分室。元一課)
明神愛美 …… 森カンナ (失踪人捜査課三方面分室。元一課)
醍醐塁 …… 北村有起哉 (元プロ野球選手)
森田純一 …… 黄川田将也 (草食系、IT得意)
小杉公子 …… 高畑淳子 (庶務的役割)
三浦真人 …… 遠藤憲一 (高城を呼び寄せた、分室室長)
法月大智 …… 小日向文世 (定年間近。7年前の事件を知っている)

野口波瑠 …… 加賀美早紀 (21歳、母はアル中)
名村凪 …… 柊瑠美 (波瑠とは腹違いの姉妹)
名村公 …… 団時朗 (父、亡くなる、ピアニスト)
名村可南子 …… 中村久美 (妻)
秦智人 …… 加藤虎ノ介 (秦中央病院・医師)
秦英恵 …… 秋本祐希 (妻、父親は秦中央病院の院長)
野口美沙 …… 広田レオナ (波瑠の母、名村公の愛人、アル中)
庄司敦史 …… 中村倫也 (波瑠と同じく聖ヨハネこども寮出身)
木佐貫大輔 …… 近江谷太朗 (弁護士)

坂井寿美江、須永千重、大浜直樹、金子太郎、宮地眞理子
工藤美友里、平野日向、土岐瑞葵

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)