警視庁失踪人捜査課 (2010年4月期・テレビ朝日・金21時) プロデューサー - 三輪祐見子、飯田新、松野千鶴子 脚本 - 渡辺雄介(1)(7)、北澤寛(2)(5)、福島治子(3)、長田敏靖(4) 寒竹ゆり(6) 演出 - 七高剛 http://shissou.asahi.co.jp/

第7話 消えた少女の真実
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アパートの一室、何者かがベッドで寝て居るであろう人物に
ナイフを突き刺す。しかし布団の中には誰も居らず、その内
家の主だと思われる女性・遠野果歩(34歳)が帰宅。果歩は
室内が荒らされている事に異常を感じると、そこに強盗が出て
きて彼女を襲う。

長野威と一緒に坂下静香が失踪人捜査課にやってくる。彼女は
かつて生活安全課に所属していた警察官だった。そして明神が
刑事を目指すきっかけとなった人物。そして高城の同期の警察
官だった。
遠野果歩が失踪して4日、失踪届を出したのは静香だった。果歩
は娘が迷子になった時に一緒に探してくれた恩人だという。
果歩には同棲中の彼・奈良橋良介(40歳)が居たはずなのに、
何故彼は失踪届を出さなかったのか。

良介も一週間前から会社に出勤していないことを知る。
部屋を捜索すると、争った跡があり、壁には血痕が見つかる。
そしてテレビの配線コードが一本も無い状態だった。恐らく
何者かが侵入し、コードで縛って誘拐したのではないかと推察
する。

良介は広告代理店のデザイナーを行っていた為に、会社に事情
を聞きに行く。社員の神保は、一週間前にいつものように
良介と果歩が一緒に出勤する姿があったという。その日を最後に
体調を崩したとして三日間休み、恋人の果歩に尋ねると風邪を
こじらせているが、明日には出勤できると言ったという。そんな
彼女もその日を最後に欠勤し始めたとのこと。
良介は自分の銀行口座から全額引き出していることから、これは
典型的な駆け落ちのパターンだという。
事件性が無いならば捜査の継続はしないと言うが、静香は二人が
駆け落ちするのは有り得ないという。駆け落ちする理由が無い
と言うが、高城はどちらの人物が結婚していれば話は別だと
告げる。

良介には案の定、妻が居た。法律事務所を経営している奈良橋
和子(44歳)。良介は三年前に一流の広告代理店に勤めており、
彼女はその会社の顧問弁護士をしていたという。和子によって
不当に会社を辞めさせられ今の会社に勤めていた良介。しかも
和子は転職した会社に愛人が出来たことが分かると、その会社
にも圧力を掛けていた事が分かる。
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坂下静香と奈良橋良介が突然失踪する。
アパートから血痕が見つかっていることから、何者かによる
拉致の可能性が否定できない中、犯人は現場の物証からAB型の
人間である事が判明していく。

冒頭から恋人が失踪届を出したのではなく、友人だとする女性
が名乗りだしたことで、かなり違和感の有る導入部だった。

ドラマとしては色んな可能性の有る話だったけれど、女性が
拉致したり、事件に関わっているという時点で少々説得力は
足りなかった。
渡辺雄介さんが担当した一話のシナリオでも女性が犯人として
関わっていたが、幾ら子供の為とはいえ、被害者を自宅の部屋
まで連れていく事は出来るのかという部分でかなりの無理が
有る。

静香の中に子供に対する思いがもう少し色濃く描かれていれば
一連の犯行に対する説得力も有ったのだが、高城を始めとして
刑事との繋がりばかりが抽出されてしまい、展開としては散漫
な印象になった。
最後に至っては信じる信じないで有り得ない毒入りドリンクの
攻防が有ったけれど、人は変わる訳だし、そもそも子供のために
犯行を犯している人物に信じる信じないも無いと思う。

坂下が刑事を使って目的の人物を捜させるという機転を利かす
のならば、刑事を使って誘拐した和子の方を探すべきだろうと
ツッコミ処が存在する。

勿論ドラマとしては静香の子供の父親が奈良橋良介ではないか
という可能性も残していたので、そういう歪な構図になって
しまったのだろうけどね。


高城賢吾 …… 沢村一樹 (失踪人捜査課三方面分室。元一課)
明神愛美 …… 森カンナ (失踪人捜査課三方面分室。元一課)
醍醐塁 …… 北村有起哉 (元プロ野球選手)
森田純一 …… 黄川田将也 (草食系、IT得意)
小杉公子 …… 高畑淳子 (庶務的役割)
三浦真人 …… 遠藤憲一 (高城を呼び寄せた、分室室長)
法月大智 …… 小日向文世 (定年間近。7年前の事件を知っている)

坂下静香 …… 財前直見 (元生活安全課)
奈良橋和子 …… 筒井真理子 (弁護士)
遠野果歩 …… 黒坂真美 (良介の愛人)
奈良橋良介 …… 津田寛治 (広告代理店・デザイナー)
長野威 …… 宇梶剛士 (刑事)
坂下寧々 …… 本田望結 (静香の娘)

中西良太、金澤ゆかり、中村直美、服部整治

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)