SPEC 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿
(2010年10月期・TBS金曜22時枠)

脚本 - 西荻弓絵
演出 - 堤幸彦、加藤新、今井夏木、金子文紀
プロデュース - 植田博樹、今井夏木、赤羽智比呂
音楽 - 渋谷慶一郎、ガブリエル・ロベルト

http://www.tbs.co.jp/spec2010/


第4話 希死念慮の饗宴
--------------------------------------------------------
野々村は公安第5課のオフィスに神棚を設置し、最近不可解な
事件が起こっている事へのお払いをする。しかし当麻は、物干
し竿を持ってきて、それを壊してしまう。

そんな中、公安第5課には雅に導かれて、近藤昭男と
古戸久子
がやってくる。彼女は自殺者遺族ネットワークの委員長を務め
ているとの事。
古戸によると先日自殺したはずの娘・
美智花からメールが届い
たという。

1年前の10月30日、美智花は突然母・久子の前で、私死ぬから
と告げて家を出たという。すぐに警察にも届けを出すが見つか
らず、3日後に遺書と遺品が送られてきたとの事。彼女は学校
でいじめに合い、自殺サークルに入っていたというが、死体
も無くて娘の死に納得が出来ないという。サークルとはインタ
ーネットの自殺サイト
"パーフェクト・サイド(P・S)"と呼ばれる
もので、その
サークルは鉄の掟が存在するという。自殺志願者
が7人集まったら呼び出されて、そこで7人に毒入りワインが
配られるという。そのウチの1つが単なる睡眠薬が混入している
だけで、生き残った人が幹事となり、死体の処分や遺品の送付、
そして次の集会の準備をするのだとの事。

彼女からのメールでは、"幹事に殺される"と書かれていたこと
から、途中で自殺を思いとどまり逃げ出した事で、鉄の掟に
従い、幹事に殺害されようとしているのだろうとの事だった。

前回の参加者を調べて、遺品が届いていない人が幹事だとして
当麻はインターネットからリストを入手。そして遺品が送られ
ている遺族の元にそれを回収しに行く。
当麻は自殺サイトの存在が許せずに一つ一つ閉鎖させていくが、
死にたい奴は止めても死ぬとして、瀬文はモグラたたきのよう
なものだと告げる。しかし当麻はそれが事実でも、他人が自殺
に誘うものでは無いとし、こうしている間にも誘っているもの
が居る事に憤りを感じていた。

地居は予備校でアルバイトする中、同様にアルバイトをしている
志村美鈴がやってくる。彼女は東京芸大を志望しているが、現在
二浪している事を告げる。
地居が落としていった鍵を拾うと、彼女は突然頭の中に地居の
映像が入り込んでくる。
地居はいつものように中部日本餃子で食事をする中、鍵を無く
した事を嘆く。困っていた所に美鈴がやってきて鍵を置いてい
く。

当麻たちは、6名の遺品を集め最後の一人・
植松育児の元へと
足を運ぶ。"かづさつるまい"という田舎町。育児の父に会いに
いくと、息子は何度も遺品を送りつけてはその度に金を無心
していくのだという。遺品は蔵の中にあるとするが、鍵や戸が
古くなって開けることが出来なかった。瀬文が力づくで開けよう
とするもビクともせず、当麻が変わると簡単に扉が開く。

7人の遺品が揃う事で誰が幹事なのか分からなくなる。
しかし古戸は、遺品が不自然だと気がつく。植松の遺品を除い
てどれも傷ついたり壊れたりしており、誰かに襲われた跡なの
ではないかという。幹事はたまたまワインで睡眠薬を選んだ
のではなく、快感を覚えている殺人鬼である可能性が高いと
いう。植松の以外に全ての遺品が傷ついている事を見ると、
やはり彼が幹事だったのか。

--------------------------------------------------------

1年前に自殺すると言い残して居なくなった娘を捜して、遺族
ネットワークの委員長を務める女性・古戸久子は、公安第5課を
尋ねる。亡くなったと思われていた娘からメールが来たことで
まだ生きている可能性が有るとの事だが・・・

完全に戸田恵梨香が画面内を自由に動き回る様が、このドラマ
の持ち味として存在し、可愛いから許す状態の内容になっている。

今回そんな彼女自身が語っていることだけど、SPECの犯罪の
証明は有る意味常識が適用されない事もあって、証明するのが
難解であるという事だ。

まさか念動力を人が犯人だとは思わなかったけど、彼女が
発狂して公安第5課が壊れるシーンはよく描いているなと思わせ
た。出来れば当麻や瀬文自身の体にも直接攻撃が加わるように、
擦り傷・切り傷みたいな形で描かれれば、もっと雰囲気が出て
SPECの怖さみたいなものが出ていたかなと思う。

一見すると、何処にSPECであることを証明するものが含まれて
いるのかストーリー中に分からないけれど、最後のネタばらし
の段階に於いては、なるほどと思わせる辻褄合わせが用意されて
いる。
バイクの知識に関しては、現場に行くときに違和感のある形で
突然バイクについて語り始めていたけど、あの中でバイクの
知識が無いのは犯人だけだとする辺りは面白い証拠の突きつけ方
だった。

美鈴の能力についても気になるし、最後に津田たちが当麻
たちを捕まえに来た辺りも、どうなっていくのか。


当麻紗綾 …… 戸田恵梨香 (24、公安第5課)
瀬文焚流 …… 加瀬亮 (36、公安第5課)
野々村光太郎 …… 竜雷太 (70、公安第5課・係長)

志村美鈴 …… 福田沙紀 (19、優作の妹)
海野亮太 …… 安田顕 (35、警察病院の医者)
冷泉俊明 …… 田中哲司 (占い師??)
地居聖 …… 城田優 (24、紗綾の大学の同級生)

近藤昭男 …… 徳井優 (50、捜査1課)
馬場香 …… 岡田浩暉 (40、捜査1課)
鹿浜歩 …… 松澤一之 (55、捜査1課)
猪俣宗次 …… 載寧龍二 (28、捜査1課)

正汽雅 …… 有村架純 (20、婦警)
志村優作 …… 伊藤毅 (24、瀬文の同僚)
一十一 …… 神木隆之介 (謎の少年)
津田助広 …… 椎名桔平 (42、公安部)
店主 …… 多田木亮佑 (中部日本餃子)
アラータ …… 安藤絵美 (中部日本餃子)

日比久介、西海健二郎、森永卓郎、岡村仁美

古戸久子 …… 奥貫薫 (自殺者遺族ネットワーク)
古戸美智花 …… 三浦由衣 (久子の娘)
里中小百合 …… 西原亜希 (梨花の母)

河野朝哉、伊藤幸純、興津聖、堀田悠衣
久保貫太郎、湯山丈一郎、芝井美香、神保共子、安藤絵美


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system