SPEC 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿
(2010年10月期・TBS金曜22時枠)

脚本 - 西荻弓絵
演出 - 堤幸彦、加藤新、今井夏木、金子文紀
プロデュース - 植田博樹、今井夏木、赤羽智比呂
音楽 - 渋谷慶一郎、ガブリエル・ロベルト

http://www.tbs.co.jp/spec2010/


第10話 百年の孤独
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当麻と瀬文はにのまえに襲いかかるも、彼のSPECによって
遮られる。面倒だから殺すとするにのまえだが、体中が突然
病気に発症したかのように傷つき倒れてしまう。一体何をした
のか?というにのまえ。当麻は瀬文になるべく雪を避けるよう
告げる。
雪の中に毒を仕込んでいること。にのまえは私たちの
世界を数万倍の早さで動いているという事は、それだけ雪に
触れる量も多くなるという事。自分たちよりも早くあんたの体
を蝕んでいくはずだという。
雪を降らしていたのは防護服に身を包んだ、馬場、鹿浜、猪俣
だった。
当麻は既ににのまえが虫の息だと知ると、降雪を止めるよう
告げる。当麻はにのまえに近付くと、首筋にヒトデ型のあざが
有るのを知る。自分の弟の
陽太のあざと全く同じだった。

そんな中、地居が当麻達の前に現れる。そしてにのまえは君の
弟だとし、ボクがコイツの
記憶を奪ったのだと告げる。7年前
の飛行機事故の際に彼は奇跡的に時を止める力の能力を授かっ
たのだとし、自分が彼の記憶を操作して、にのまえが姉の当麻
を憎んでいる偽の記憶を植え付けたのだと語る。ボクの想像通り
そんなにのまえに君が勝った事。その能力は想像以上に凄いと
告げる。
陽太を抱きしめる当麻に対して辛いだろうねと面白がる地居は
怒りと悲しみなどは不幸にするだけだと告げる。地位はそう
告げると当麻の記憶を消す。更に瀬文の記憶を書き換えるとし
地居は、毒で目が見えなくなった瀬文の記憶が書き換えるのだ
った。

当麻は気がつくと病院のベッドの中にいた。今、陽太の夢を
見ていたという彼女。3日間意識が戻らなかったという。
瀬文は現在一時的に失明しており、意識不明の重体である事
を告げる。銃弾に倒れた野々村も生きていて、当麻の元にやっ
てくる。にのまえの事は倒したが、現在生死の境をさまよって
いるのでもうダメだろうという。
そんな中、地居が現場に居たことに対して、何故現場にいたの
か?と尋ねる。捜査の前に当麻が怖いと言っていたので尾行した
のだという。

美鈴は瀬文が寝ているベッドの前に来ると、良くなるまで毎日
来ると告げる。瀬文に触れた途端、美鈴の意識の中に、にのまえ
との対決のシーンが飛び込んでくる。そこにはにのまえと当麻
が姉弟である事が描かれていた。
美鈴はすぐに当麻の元に行くと、姉弟だったのか?と問う。しか
し当麻には何のことだか分からなかった。美鈴は陽太と同じ
耳の後ろにヒトデ型のあざが有ったことを告げる。

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時間の流れが全く違うとするにのまえの事を、当麻はどのよう
にして倒すのか。そしてその時仲間達は生きていられるのか。

謎のハイチ人は地居だったか。

自分たちよりも早く動き回ることを利用して、それが逆に致命
的な欠点とする攻撃は、面白い方法論だったな。

最終話のポイントは、記憶を操作できる地居の事をどのように
正確に認識して、そして倒して行くのかという点だ。

色んな所でサプライズが浮かび上がり、ネタとしてはてんこ盛り
だったけど、にのまえと当麻の関係やら当麻と地居の関係など、
全てが作られていたとする中で、人の気持ちや愛情、記憶は
そんなもので動かされないとする最後のメッセージは程よく
写る。

人を愛するというだけで、ここまで遠回りにそれを告白して、
彼女の周りにいるものたちを陥れてしまう相反した行動が
なんとも皮肉に写ると共に、まるでそんな根性を注入された
かのような、にのまえのこれまでの態度が、どんな人間であれ
復讐とか負の感情に支配されると、ここまで醜さを生んでしまう
のかなと思うところがある。数十人の記憶を植え替えれば
戦争も起こせるとする地居の言葉にも、このドラマを見ている
限りでは可能かなと。

前回の予告で佐野元春さんが出ていたので何の役所なのかなと
思っていたけど、まさかの当麻の父役。
要所にベテランの俳優を差し込んでいくところなど、とても
上手い起用の仕方をしているなと思う。

また最終話に於いても緊迫した中に、キャラクターたちの砕けた
性格を盛り込んだ辺りはとても上手いところだった。

個性的なドラマという点ではTBSのこの枠のドラマって良い物
が有るのだけど、やはり個性に走りすぎて、なかなか視聴者に
伝わらない所があるね。視聴率遵守の世の中なので、そんな
ものに左右されず、堤&西荻弓絵さんにはこれからも面白い
ドラマを作って欲しいですね。


当麻紗綾 …… 戸田恵梨香 (24、公安第5課)
瀬文焚流 …… 加瀬亮 (36、公安第5課)
野々村光太郎 …… 竜雷太 (70、公安第5課・係長)

志村美鈴 …… 福田沙紀 (19、優作の妹)
海野亮太 …… 安田顕 (35、警察病院の医者)
冷泉俊明 …… 田中哲司 (占い師??)
地居聖 …… 城田優 (24、紗綾の大学の同級生)

近藤昭男 …… 徳井優 (50、捜査1課)
馬場香 …… 岡田浩暉 (40、捜査1課)
鹿浜歩 …… 松澤一之 (55、捜査1課)
猪俣宗次 …… 載寧龍二 (28、捜査1課)

正汽雅 …… 有村架純 (20、婦警)
志村優作 …… 伊藤毅 (24、瀬文の同僚)
一十一 …… 神木隆之介 (謎の少年)
津田助広 …… 椎名桔平 (42、公安部)
店主 …… 多田木亮佑 (中部日本餃子)
アラータ …… 安藤絵美 (中部日本餃子)


一二三 …… 篠原恵美 (にのまえの母、蒲田に住んでいる)
葉子 …… 大森暁美 (当麻の祖母)
当麻天 …… 佐野元春 (当麻の父、研究者)
当麻流夏 …… 石田えり (当麻の母)
当麻陽太 …… 大坪夏己 (当麻の弟)
野々村雅 …… 永田杏奈 (弁護士、光太郎は別れようとしている?)
秘密結社のトップ …… 石橋蓮司

藤田秀世、村上尚子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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