曲げられない女
(日テレ/2010年1月期・水22)

脚本/遊川和彦
チーフプロデューサー/櫨山裕子
プロデューサー/大平太、山本由緒、太田雅晴
演出/南雲聖一、吉野洋、木内健人
音楽/池頼広

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第1話 男?仕事?夢?貫く私の究極の選択!絶対幸せになる

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ある主婦から夫との関係について相談を持ちかけられる。
坂本正登と一緒に事情を聞くパラリーガルの荻原早紀。
詐欺罪で夫を訴えたいとするが、結婚詐欺の定義には当てはま
らないので難しい事を告げる。主婦の女性は早紀に助けを求め
女性だから分かるでしょうと懇願するが、私はあくまで補佐役
だとして彼女の相談に対して大した答えを見出せなかった。
坂本は暇な主婦の愚痴だとするが、人はどうして結婚するのか?
と早紀は問いかける。あの人は私達が思っているよりも真剣に
悩んでいると告げる。

早紀が独りで居ると同じ事務所の大杉と渡部から、秘書課の
鈴木が結婚するので5000円の費用を出して欲しいと言われる。
しかし彼女はあまり仲が良いわけではないからとして断る。

早紀は夫婦協力義務違反の判例について調べようとすると、
そこに事務所のボス増野と坂本がやってくる。ボスは早紀に
現在幾ら給料を貰っているのか尋ねられ、来月から時給を1500
円に引き上げる変わりに今年の司法試験は受けるなと告げられ
る。早紀はこれまで9年間司法試験合格のために全てを注いで
きたのである。夢や努力でなれるものではないことを指摘され
そろそろ女の幸せを考えるべきで、新潟に住む母を喜ばせて
奨学金も返すべきだと言われる。しかしそんな心遣いは必要な
いと断る。

早紀は銀行で家賃などの振り込みをすると残金は3万円しか無か
った。帰りにスーパーで買い出しをしていると高校時代の同級
生・新潟市立で一緒だった蓮美璃子と15年ぶりの再会を果たす。
現在では結婚して長部になっていて、7歳と3歳の子供が居ると
いう。
帰り道で早紀は同じアパートの住民で大学生の今田健治がゴミ
袋の中にゴミを仕分けしていない事を注意するが無視される。

璃子は早紀のアパートまでついてくる。
思った以上に立派なアパートに住んでいる早紀に驚くが、話を
聞くと殺人現場の有った部屋であるために7万円の家賃だという。
テレビも無く待機電力が無駄だとしてコンセントから抜いている
早紀。ワインが9本並んでいる事に気がつく璃子。早紀は毎年
1本ずつ購入しており司法試験に合格した際に飲むのだという。
他人行儀の早紀にそれを指摘すると彼女は高校時代にそんなに
親しかったわけではないと告げる。
早紀に結婚したいと思わないのかと尋ねると、今は司法試験の
事で手一杯である事を語る。それを聞いて不遜な生き方だと
告げられる。
そこに正登がやってくる。正登は早紀の大学時代の後輩である
が先に司法試験に合格してしまったという。正登が入学した年
に早紀は大学4年生であり、色々とお世話になりその頃から付き
合っているという。璃子は結婚しないのか尋ねるが、正登は
待つのは慣れているとして早紀を見つめる。その視線に気がつ
いた早紀は謝罪と同時に有難うと感謝を述べる。
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日本人は自分の意見を貫き通すよりも他人に合わせてしまうこ
とが多いという。そんな風潮に逆光して自分を貫き通す主人公
を描いていくようだ。

ドラマの素材としてはそれ程目新しいものではなく、菅野美穂
のこれまでの役柄から比較すると、働く女性としての象徴的な
人物像を保ちつつも、決して目立つほどのスキルの高さを兼ね
備えている訳では無さそうなものだった。

32歳という曲がり角の時期に良い条件の整った結婚やら
職場環境を提示されるも、自分がこれまで目標にしてきたことに
挫くことなく邁進していく。

ドラマの展開上結婚というテーマは常に念頭に置かれており、
自分の生き方が正しいのかどうかを見比べてみる役目を果たして
いる。

今回は結婚生活に失敗した女性と、結婚生活を何不自由なく送っ
ているが、自分の目標に向かって自活している主人公の姿を
見て、何処か心に引っかかる女性を登場させた。

世間から見れば璃子は完全に勝ち組だし、早紀は負け組だ。
こんな生き方は私だってしんどい。不安や寂しさに負けない事
が生きるという事だという主人公が少しだけ本音を漏らすシーン
が有った。喜怒哀楽を表面的には表さない主人公の最大限の
訴えに、身につまされる思いにさせられる。

弁護士ものという事でもう少し気難しい内容になると思ったが、
案外普通のドラマだった。
今の日本の風潮からすると蓮美璃子が結婚結婚と主人公に迫る
姿に、なんてウザい人なのだろうかと思ってみたりもするが、
そう言われる内が華とも言えるし、チャラい藍田光輝が主人公
らとどんな形で関わり合いを持ってくるのか。
チャラ男の光輝の遊ばれ女の一人に杏さゆりさんが居たのが
ちょっと寂しい。もっと良い役を与えてあげてくれ。

荻原早紀 …… 菅野美穂 (弁護士補佐・パラリーガル)
藍田光輝 …… 谷原章介 (警視庁の官僚)
坂本正登 …… 塚本高史 (弁護士)
今田健治 …… 市川知宏 (早紀と同じアパートの大学生)
横谷里美 …… 能世あんな (弁護士)
増野所長 …… 西岡徳馬 (弁護士)
蓮美璃子 …… 永作博美 (早紀の高校時代の同級生)

荻原光 …… 朝加真由美 (早紀の母、教師)
荻原義紀 …… 林泰文 (早紀の父、司法試験合格の年亡くなる)

松永京子、太田有美、山口馬木也、高林由紀子、岡あゆみ
山田真由子、高沢奈苗、田川綾子、高橋由美子、杏さゆり
浅見姫香、吉家章人、加藤直美、和泉佑三子、神道寺こしお
松浦愛子、滝田匠、飯田基祐

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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