曲げられない女
(日テレ/2010年1月期・水22)

脚本/遊川和彦
チーフプロデューサー/櫨山裕子
プロデューサー/大平太、山本由緒、太田雅晴
演出/南雲聖一、吉野洋、木内健人
音楽/池頼広

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第2話 女の本音…お金は欲しいわよ!

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新潟に住む早紀の母親・荻原光が倒れた。
早紀はなけなしの金である3万円を実家に送り、入院費の足し
にしてもらおうとする。残りの残金は537円。
そんな母親から朝電話があり、アルバイトの癖に仕送りなど
してと言われる。もう退院したという母。早紀はなんだったら
一緒に東京で住まないかと告げるも、新潟を出るつもりもお世
話になるつもりも無いと言われる。

出社するとエレベーターで坂本正登に逢う。
この前は酷いことを言ったとして謝罪されるが、悪いのは私の
方だと互いに低姿勢。仕事とプライベートは別なので、このまま
仕事のサポートを頼むと快く了承する早紀。

そんな中、正登の高校の同級生という男性・仲野真一がアポ
無しで事務所にやってくる。帝東建設に勤めるという彼は、
会社の方針に反対した途端、上司から突然クビを宣告されたと
いうもの。
正登は話は聞いたものの小さな案件に手を出している暇はない
と漏らすがむげに断れないと悩む。すると早紀はすぐに資料室
に走り、不当解雇の判例を集めてくる。

一方蓮美璃子は相変わらず自宅に居場所がなかった。
義母の富貴恵は、自分の子供達である望や夢の事を我が身のよ
うに可愛がり、璃子が育てようとする事を拒む。貴方は何もし
なくていいから友達と買い物にでも行きなさいと追い払う。
仕方なく璃子は早紀の事務所へと足を運ぶ。
ちょうど帰宅する所だった早紀だが、残業で予定の時間を押し
ている為に話す時間はないという。璃子は車で送ると告げる。
帰りにスーパーに立ち寄り食料品を買うも、相変わらず大好きな
チーズの前で立ち止まる。そんなに食べたいのならば買えば
良いとする璃子だが、合格するまでは決して手を付けないと
告げる早紀。レジの所で財布を落としている事に気がつく。
ICカードを使って払おうとするも残金不足で払えず。仕方なく
買った商品を返していく。
アパートのマンションでは近隣の大学生・今田健治が実家の親
に10万円の催促をしている電話の場面に遭遇。早紀は例え両親
が相手でも詐欺罪は成立する事を告げる。

翌日、出社すると所長の増野から早紀の母親の件を告げられる。
正社員になるよう薦める彼。その引き替えに司法試験を受ける
なというのでしょう?と尋ねると、そうではなく困ったときは
何時でも甘えろと言われる。
しかし増野は正登に先程のクライアントの件は断るよう告げる。
帝東建設とは顧問弁護士契約を結ぶことになっている為のもの。
事務所のことも考えろと言われ、変わりに事務所とパートナー
契約も考えても良いことを告げられる。
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坂本正登の高校時代の友人が不当解雇されたと泣きついてくる。
しかし訴えようとする会社はこれから弁護士事務所が顧問弁護
を引き受ける企業だった。上司からはこの件から手を引けと
言われるが・・・

例え間違っていてもクライアントの利益の為に動くという現実論
と、間違えていたら潔くそれを認めていくとする理想論が混在し、
人間として正しい行動を取るべきだと示唆する内容だった。

早紀の仕事っぷりを見ていると手際の良さから弁護士としての
能力は有ると見えるのだけど、弁護士になる為には綺麗事だけ
では済まされない、彼女の信念とは全く別の何かが必要って
所なのだろうか?

弱者を助けるために弁護をすることは弁護士として間違った
行為なのか。

確かに弱者は強者に比べて金がないために利益率も低いと思う。
経営者として利益を求めるのならば、当然弱者は切り捨て、より
利益を生むものたちを弁護していくハズだ。

今回は個人の弁護よりも企業を背景にした顧問弁護の方が金が
動くという事で、弁護士事務所としてどちらを優先すべきもの
なのかは自明の理だった。
明らかに勝訴できるのならば、別に坂本正登に拘る必要もなく
早紀がしたように無料相談の区役所の弁護士でも事が足りてし
まう訳で究極の選択という形ではなかった点は多少シナリオ
としての逃げ道を用意しているのかなという気がする。

彼女の語るセリフと藍田光輝の語るセリフのどちらにも真実が
含まれていて、複雑な葛藤を引き出している。

ただそういう展開がドラマとしての在り来たりな素材になって
はいないか。
ドラマを見ていると早紀だけでなく、示唆するところは蓮美璃子
自身の事情に繋がっていて、行動を見せた早紀と未だに違和感を
覚えながらも安住の地に居座ることから離れられない彼女の
葛藤は今後とも興味深く引きずっていきそうだね。

荻原早紀 …… 菅野美穂 (弁護士補佐・パラリーガル)
藍田光輝 …… 谷原章介 (警視庁の官僚)
坂本正登 …… 塚本高史 (弁護士)
今田健治 …… 市川知宏 (早紀と同じアパートの大学生)
横谷里美 …… 能世あんな (弁護士)
増野所長 …… 西岡徳馬 (弁護士)
蓮美璃子 …… 永作博美 (早紀の高校時代の同級生)

荻原光 …… 朝加真由美 (早紀の母、教師)
荻原義紀 …… 林泰文 (早紀の父、司法試験合格の年亡くなる)
山野 …… 太田有美 (弁護士事務所)
東 …… 松永京子 (弁護士事務所)
長部富貴恵 …… 高林由紀子 (璃子の義母)
長部善隆 …… 山口馬木也
大杉 …… 岡あゆみ (受付嬢)
渡部 …… 山田真由子 (受付嬢)

高沢奈苗、田川綾子

仲野貫一 …… 近藤公園 (帝東建設)
三田 …… 柳谷ユカ (家政婦)
諸井 …… 薬師寺順 (部長が贔屓にする諸井商事の社長)

平泉成、大河内浩、浅見姫香、瀬戸将哉、山崎健二
小河里美、赤屋板明、西山奈那、滝田匠、松浦愛弓、小林すすむ

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