曲げられない女
(日テレ/2010年1月期・水22)

脚本/遊川和彦
チーフプロデューサー/櫨山裕子
プロデューサー/大平太、山本由緒、太田雅晴
演出/南雲聖一、吉野洋、木内健人
音楽/池頼広

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第4話 殴る女…一人ぼっち同士の友情

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9年間付き合った彼と別れ、仕事を辞め、母親を失う。早紀は
何のために生きているのか分からなくなったとして、ビルの
屋上から飛び降りる。

そんな夢で目覚めた早紀は朝から勉強を始めるも全く身に入ら
ない。場所を変えて図書館で勉強をするも全く手つかず。

一方璃子は今度息子の望が入園する事になるが、全てを義母の
富貴恵が決めてしまう為に不満を持っていた。大事な跡取りだ
として富貴恵は璃子には任せられないという姿勢。夫の義隆に
相談すると全ては二人に任せているとして一切口出ししない
姿勢だった。富貴恵は子供を産んでくれただけで十分役目は
果たしたという。

璃子は光輝に電話する。新潟から帰った後、早紀に何度も電話
しているが一切繋がらないという。
璃子は早紀の部屋へ足を運ぶ。彼女から東京に帰ってから何も
する気が起こらない事を聞かされる。無職である上に来月には
マンションの賃貸の更新が有る。早紀は仕事を探す気にもならず
何のために弁護士になるのか、喜んでくれる人も居ないとして
意気消沈する。
璃子は早紀を元気づけようとして、パワースポットに連れてい
ったり、韓国ドラマを見せて泣くのが一番だとしたり、ストレ
スには買い物が一番だとしてコーチの店に連れて行く。
すると璃子の夫・義隆が、さおりという女性と一緒に居るのを
目撃してしまう。

早紀が居ないことが気になり近くを探す璃子。早紀が踏切の
所で佇んでいるのを見て思わず電車を緊急停止してしまう。
光輝の計らいでなんとか始末書だけで済むことになる。
璃子は早紀の事を光輝に相談すると、彼は自分の得意な手料理
でパーティーを開くことにする。チーズも用意し食べてしまえば
良いとするが、この期に及んでも早紀は食べずにいた。
わざと言葉を間違えて早紀に突っ込ませようとするが、どうでも
良いとして話に乗ってこなかった。
私は誰にも必要されていないとして早紀は更に暗く落ち込んで
行くのだった。
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この手のドラマの時にいつも書くのだが、自分の事を気に掛けて
くれる人が居ることの有り難さ、幸せさを描いた話である。

正直、早紀はとても対人関係には気難しいものがあり、自分から
は率先して人との関係を結ぼうとしない。一方的な友人関係とは
なかなか成立しないモノだけど、璃子が音頭をとって彼女の事
を盛り上げようとしている。早紀には自分にはないものを
持っていて、彼女を盛り上げる事で自分に跳ね返りが有るものと
期待しての行動なのかも知れない。

璃子の中に欠けているものは散々描かれてきたわけだけど、今回
光輝の中にも欠けた部分が描かれた。
早紀がそれに気がつかせてくれるものだったり、そんな心の隙間
を埋める存在としての価値を見出してくれる。

一体自分は何のために弁護士になろうとしているのか。
弁護士になった自分を誰が喜んでくれるのか。
まだ前者については答えは出ていない状況だが、後者は仲間の
存在を際立たせて上手く彼女自身に生きている喜びを実感させ
仲間の暖かさを知らしめる展開だったのでは無かろうか。

そしてなんといっても今回は老弁護士の一人に対しても彼女の
影響力が伝わったことで上手くそれらの価値を見出した。

就職に関しても上手く利害が一致するものが出てきたね。

さて恋バナに関しても一歩踏み出すモノがあった。
光輝は早紀に早くも気持ちを表現し、正登は里美の気持ちに
答えるかのようにキスをする。9年間も付き合っていた事が
そう簡単には忘れられないと思うけれど、その辺をどう割り切る
のか、それとも引きずっていくのか。

荻原早紀 …… 菅野美穂 (弁護士補佐・パラリーガル)
藍田光輝 …… 谷原章介 (警視庁の官僚)
坂本正登 …… 塚本高史 (弁護士)
今田健治 …… 市川知宏 (早紀と同じアパートの大学生)
横谷里美 …… 能世あんな (弁護士)
増野所長 …… 西岡徳馬 (弁護士)
蓮美璃子 …… 永作博美 (早紀の高校時代の同級生)

荻原光 …… 朝加真由美 (早紀の母、教師)
荻原義紀 …… 林泰文 (早紀の父、司法試験合格の年亡くなる)
山野 …… 太田有美 (弁護士事務所)
東 …… 松永京子 (弁護士事務所)
長部富貴恵 …… 高林由紀子 (璃子の義母)
長部善隆 …… 山口馬木也 (璃子の夫)
大杉 …… 岡あゆみ (受付嬢)
渡部 …… 山田真由子 (受付嬢)
さおり …… 森望美 (善隆の浮気相手)

高沢奈苗、田川綾子

三田 …… 柳谷ユカ (家政婦)
中島剛志 …… 平泉成 (マチベン)

浅見姫香、滝田匠、松浦愛弓、橋本銀次

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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