マークスの山
(2010年10月期、WOWOW・連続ドラマW枠)

原作:高村薫『マークスの山』(講談社文庫刊)
監督:水谷俊之、鈴木浩介
脚本:前川洋一
音楽:澤野弘之

http://www.wowow.co.jp/dramaw/marks/



第4話
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雨が降る中、突然水沢の目の前で真知子が銃弾を撃たれて倒れ
てしまう。

合田は上司に対して一刻も早く林原に対して任意の聴取をすべ
き事を訴えるが、決定的な証拠が無く未だに足踏みしていた。
そんな中、発砲事件が起きたと入電が鳴り響く。犯人は自首し
被害者の真知子は病院に運ばれ緊急手術。
病院まで付き添ってきた水沢は、そんな現状に涙する。

手術は無事に終わるが、未だに真知子は意識不明の状態で予断
を許さない状況だった。
水沢は暁成大へと足を運ぶと、車から降りてきた理事長の木原
に対して三発の銃弾を発砲する。

すぐにニュースでも木原が撃たれた事が放送され、それを見て
いた林原の妻・美由紀は、夫にその事実を伝える。
発射された弾は7.62mm弾。畠山が撃たれた銃弾と同じなのかが
疑われる。
目撃者によると、撃った男は若い男性で坊主頭。身長は170cm
〜180cmでやせ形の男性との事。
調査の結果、畠山が撃たれた銃弾とは違うことが判明する。
真知子を襲ったのは、芹澤会系・藤田組の構成員だった。

合田たちは病院に行くと、真知子と付き添っていた男性について
尋ねると、名前は裕之という事くらいしかしらないという。
身体的特徴は坊主頭という事。日頃から真知子に会いに病院に
来ていたとし、彼女が撃たれて相当ショックを受けていた事を
聞く。彼は"暗い山"と呟いており、少し変わった人物で、真知子
と何処か似たもの同士の所が有ったと聞く。

佐伯は木原が襲われたことを受けてパニック状態だった。
林原に電話すると、お前の言うとおりにしたらこの様だとし、
警察に全てを話すという。しかし林原は、王子の刑事(須崎)
を刺したのはお前の指図だろうとし、家族のことも考えろと
告げる。

その頃根来は、カメラマンをしている清水という人物と接触。
山岳会と北岳に登頂した事があるという彼は、彼らは皆親切で
当時から将来を嘱望されたエリートだったという。暁成大58年
卒業生は次々と襲われているが呪われているのか?と問う清水。
そんな中、根来は山岳会には野村久志が居たことを告げ、先日
白骨体として見つかったことを語る。
根来は当時の卒業生や山岳会から話を聞こうとするが、全く
話を取り合ってもらえず、調査が難航する。しかし清水から
借りた古い資料の中から、5人の山岳会の仲間が一緒に写る写真
を目にする。

加納は小杉に対して、一連の事件に関して佐伯の関与を指摘し、
警視庁と連携した方が良いのではないか?とするが、あくまで
我々が警察よりも早く佐伯を押さえるという。加納は小杉と
同じ大学の同胞が殺害されている事実を指摘すると、胸は痛い
が自分は56年卒業だとし、大学に対する感情と個人に対する
感情は別物である事を告げる。しかし加納は、野村に関しては
小杉と同じ大学だけでなく、同郷の出身であり、特別な関係に
あるのではないかとし、小杉にも警護を付けた方が良いのでは
ないかと告げる。

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都内で発砲事件が起こり、真知子が銃弾を浴びる。
一連の事件とは関係ないかに思えるが、発砲したのが芹澤会系
藤田組の構成員だと知り、何故そこで発砲事件が起こったのか
疑っていく。真知子の隣に付き添っていた人物は、自殺した
浅野家主人の時にも目撃された人物と特徴が似ていることを
知り、坊主頭の男性を追っていく。男の名前はヒロユキだと
言うが・・・

既に視聴者的には過去の物語の概要は描けているので、どう
やって合田達は過去から始まる一連の事件を暴いていくのか、
そして視聴者にも分かり得ない物語の細部を描いていくのか。

暁成大OBによって警視庁も検察も法曹界もマスコミも牛耳られ
ている現状の中、もどかしい警察や検事の対応が終始描かれて
いる。
最後にそれを破るのはマスコミの力なんじゃないかという意味
で、根来の存在が配置されているのだろうし、今の世の中、
大学の横の繋がりだけで、事実を覆い被せる物なのかどうか。

合田と加納が立場は違うが、同じ意識というものが存在して
いて、それでもやっぱり立場の違いからつかみ合いになる様子
がとても熱く、面白い関係だなと思う。

一人、また一人と過去の悪事に関連していた人物が襲われていく
中で、最後に残るのはやはり林原雄三なのかな。

水沢と真知子の関係も何だか不思議な物で、昭和の女という感じ
の役柄をノーメイクの戸田菜穂さんが演じているのだから、
とても味わいの深い。
水沢は凶悪犯ではあるけれど、彼の中にある純粋性は真知子に
向けられたものという事で、なんとか守ってあげたい気持ちに
させられる部分が有るね。

合田雄一郎 …… 上川隆也 (捜査一課七係 警部補)
加納祐介 …… 石黒賢 (東京地検特捜部 検事)
根来麻美 …… 小西真奈美 (「週刊潮流」 記者)

加納貴代子 …… 鈴木杏樹 (合田の元妻)
滝沢寛治 …… 相島一之 (「週刊潮流」 編集長)

水沢裕之 …… 高良健吾 (マークスと名乗る男)
高木真知子 …… 戸田菜穂 (水沢の恋人 看護師)

林原雄三 …… 小日向文世 (日弁連理事 弁護士)
林原美由紀 …… 国分佐智子 (林原の妻)

佐伯正一 …… 佐野史郎 (佐伯中央建設 社長)
岩田幸平 …… 石橋蓮司 (元建設作業員)

佐野国男 …… 大杉漣 (山梨県警 警部)

林省三 …… 螢雪次朗 (捜査一課七係 警部)
吾妻哲郎 …… 甲本雅裕 (捜査一課七係 警部補)
森義孝 …… 袴田吉彦 (捜査一課七係 刑事)
有沢三郎 …… 葛山信吾 (捜査一課七係 刑事)
須崎靖邦 …… 小木茂光 (捜査一課十係 警部補)
小杉朋久 …… 嶋田久作 (東京地検特捜部副部長)
木原郁夫 …… 升毅 (暁成大学 理事長)
松井浩司 …… 矢島健一 (法務省 刑事課長)
浅野剛 …… 山崎一 (浅野総合病院 院長)
畠山宏 …… 池田成志 (芹澤会系 元組員)
西野富美子 …… 伊藤裕子 (畠山の女、ホステス)
肥後和巳 …… 大高洋夫 (捜査一課七係)
広田義則 …… 杉崎真宏 (捜査一課七係)
戸部伸也 …… 草野康太 (山梨県警)
吉原 …… 南条弘二 (捜査一課四係)
寺島忠 …… 大西武志
今井 …… 野村修一 (刑事、渋谷北署。浅野邸にて)
看護師 …… 滝沢涼子 (真知子の同僚)
水沢裕之の幼少期 …… 秋山悠介


遠山悠介、江幡高志、長宗我部陽子、寺十吾、田口大士(アナ)
安田敬一郎(アナ)、本城丸裕、星野晶子、前田真里、
将宗史朗、金子仁美、

北島崇行、山口勝弘、山口正剛
谷更紗、榎本貴也、白山淳子、鈴木英治、多賀基史、本田秀和
小森敬仁、上杉速人、マザー根上、原善次、真砂豪、境原英樹
神谷功、松田正悟、武田修、緑川豪男、窪田真也、山丸親也
朝日隆之、信弘

秋吉宗、竹倉愛、山田ゆり、長瀬香恵子、平井麻紀子
三浦圭祐、斉藤剛、乙女俊之介、原宿ゴリラ、櫻井幸瑠、空
久野圭一郎

岩永康秀、関千夏、深山慶子


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