まっすぐな男
(フジ/2010年1月期・火22)

脚本/尾崎将也
プロデューサー/吉條英希(関西テレビ)、浅井千瑞(MMJ)
演出/三宅喜重
音楽/澤野弘之、和田貴史

http://man.ktv.jp/index.html


第1話 曲がりくねった女

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雨の日、新町カレントビルの建設予定地でフロンティア建設の
松嶋健一郎が何かを待っていた。何もない空き地に郵便局の
男性が手紙を運んでくる。それを受け取ると同時に危篤の連絡
が入る。急いで現場に行くと、孫のマー君から届いた手紙を
祖母の山崎佐和子に届ける。祖母のアパートが壊された事を
知らずに孫が送ってきた手紙を手渡すためだけに待っていた
健一郎。奇跡的に目を覚ました佐和子に手紙を渡す。

一年後、新町カレントビルの建設地へと足を運ぶ健一郎。
クライアントからの依頼で計画にはない窓を取り付ける事で
同僚の熊沢志郎と言い争いになる。もうお前とは仕事をするの
はごめんだと喧嘩になるが、それはいつもの事だった。

志郎は健一郎に今夜の合コンのセッティングを頼む。
志郎は健一郎が知り合った町田佳乃の事が気に入り、なんとか
付き合いたいと思っていたのである。とにかく飲み会では俺の
事を誉めてフォローするよう健一郎に頼む。
健一郎はそうしたやりとりをしている中で、ポケットに入れた
ハズの吉篠不動産の創立30周年のパーティーの招待状を落とし
てしまう。

一方栗田鳴海はフリーターをしていた。今日は街中でポケット
ティッシュ配り。面倒になり横着している所を現場監督の安田
に見つかりあっさりとクビ。財布には300円しか入っておらず、
今日の昼飯にさえ困っていた。そんな中彼女は何処からともな
く落ちてきたパーティーの招待状を拾う。

健一郎は合コンの為に町田佳乃に連絡を入れる。行くためには
条件があるとして、自分の仕事先の先輩・森岡久美に合う男性
を連れてきて上げて欲しいと頼む。

吉篠不動産の創立30周年のパーティーに出席する健一郎と志郎。
しかし健一郎はそこで初めて招待状を落としたことに気がつく。
受付に尋ねると既に代理の人が来ているという。赤いチェック
の服を着た女性。会場でその女性を捜す。すると大食いしている
女性・栗田鳴海が有った。神様から招待されたという彼女。
しかし健一郎が問い詰めると同時にお腹を痛めてうずくまって
しまう。仮病かと思いきや本当に居たがっており、近くの
東都病院まで運んでいく。医師から摂食亢進である事を聞かさ
れる。単に急に大食いした為に痛めただけの事。一食浮かそう
としたという彼女は何の悪びれた様子も見せなかった。
呆れて帰ろうとする健一郎だが、明日からどうやって暮らして
いけば良いのかという彼女の言葉が気に掛かる。仕方なく
5千円置いて出て行く。

合コンのために"ジャックと豆の木"へ。
既に他に集まっていたものたちはアルコールで出来上がってい
た。そこで健一郎がかつて大手ゼネコンの大日本建設に合格
していた事。しかし偽装事件が発覚して内定を蹴ったことを
聞かされる。彼の夢は大きい橋や建物を建設すること。
そういう仕事が出来る会社に育てると宣言する。
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不正を許すことが出来無ず義理堅い男・松嶋健一郎の前に現れた
栗田鳴海。つかみ所のない彼女に対して、健一郎はどう接して
いくのか。

ドラマの第一印象としては、奇麗どころの女優さんと人気処の
男優さんたちを揃えたなという感じ。
その中でもなんといっても佐々木希。可愛さにも程がある
(by ベッキークルーエル)って事で、ドラマの内容云々以前
に華の有るドラマだ。

各々のキャラクターの恋愛のベクトルは常に片思いの連鎖で、
誰一人として向き合っているものが居ない。
健一郎を眺める町田佳乃の視線がありありと出ていてオーラを
発しており、一話の段階で彼女に好意を寄せる熊沢志郎がその
事実が伝わってしまう所に潔さが存在している。
健一郎を主柱にした恋愛のベクトルでも有るので、彼が誰かと
結ばれれば済し崩し的に周りが繋がっていくのかも知れないな
と思わせる。

ドラマとしては主人公は誠実な男ではあるが、偏見を払拭する
には至らず。素性も知らない栗田鳴海の事を真っ先に疑って
しまう。
それが過ちだと気がついた後の行動には、やっぱり誠実さが
溢れているし、熱血する辺りは最近の佐藤隆太さんの役どころ
って感じかも。
今回のように自分の信念と会社に於ける立場の相違が明らかに
なる際には、信念を優先させ正直者は馬鹿を見ていくような
展開が用意されるのかも知れない。

ドラマに於いて使い処の難しい深田恭子さん出演って事で、
不安な面もあったが、彼女の可愛さを打ち消すことなくミステ
リアスな女性像は上手く描けていると思う。
健一郎とのやりとりに於いてはとてもスパイスが効いていて
面白く、立場的には健一郎が上だと思わせつつ、鳴海によって
良いように振り回されてしまう所が面白い。

エイベックスの歌手AAAの宇野実彩子さんがドラマに差し込ま
れている辺りも気になる要素。小堺一機のごきげんように宇野
ちゃんが出ているので珍しいなと思ったら番宣だったのね。

松嶋健一郎(30) …… 佐藤隆太 (中堅建設会社・フロンティア建設)
栗田鳴海(26) …… 深田恭子 (フリーター)
町田佳乃(24) …… 貫地谷しほり (雑貨ショップ"アーニャ")
日下英樹(23) …… 遠藤雄弥 (フロンティア建設)
萱島ゆきえ(20) …… 佐々木希 (役者志望、)
森岡久美(28) …… 滝沢沙織 (雑貨ショップ"アーニャ")
桑田佐智子(26) …… さくら (フロンティア建設)
松嶋奈美(24) …… 宇野実彩子 (フリーター、健一郎と同居妹)
熊沢志郎(30) …… 田中圭 (フロンティア建設)
山崎珠美(36) …… 三浦理恵子 (芳樹の妻)
山崎芳樹(42) …… 宇梶剛士 (フロンティア建設・上司)
矢部典夫(41) …… 渡部篤郎 (バー"ルベウス"経営)

山口達彦 …… 津田寛治 (デザイナー)

鹿内大嗣、高橋絵美、佐藤詩音、田中要次、田窪一世
吉家章人、上脇結友、建みさと、荒川智大、柳田努、畠中正文
赤屋板明、芝崎昇、神宮寺こしお、龍坐、中脇樹人
堀口敬巧、辻しのぶ、井上浩、二宮弘子、浅木信幸

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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