美丘 -君がいた日々-
(2010年7月期・日テレ土曜21時枠)

原作 - 石田衣良「美丘」
脚本 - 梅田みか
音楽 - 菅野祐悟
チーフプロデューサー - 田中芳樹
プロデューサー - 加藤正俊、小泉守
演出 - 猪股隆一、山下学美、佐久間紀佳

http://www.ntv.co.jp/mioka/


第1話 私あとどれ位生きられますか?命と恋…そして家族
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太一は美丘と初めてであった屋上で一人呟く。
君に出逢わなければ誰かを心の底から愛することを知らずに
生きていたと。しかしそんな彼女はあっと言う間に現れ、居なく
なってしまった。

一年前。
明知大学に通う仲良し3人組、橋本太一と笠木邦彦と北村洋次
は校庭で寝そべりながら語り合う。本来ならば三年生の今から
就職活動をしなければならない時期なのに、俺達はパッとしない
人生を送っているというのである。
そんな中、見上げた校舎の屋上に一人の女性・峰岸美丘が、
手すりを乗り越えて今にも飛び降りそうにしているのを目撃
する。邦彦や洋次は警備員たちに話に行く間に、太一は一人
屋上に行き、彼女に話しかける。
死んじゃダメだとして、太一も手すりを乗り越えて彼女と同じ
場所に行き彼女を抱きしめる。
暫しの沈黙の後、美丘は突然馬鹿みたいとして、太一に私が
自殺するように見えるのかと告げる。どうして手すりを乗り
越えたのかというと、手すりを越えた先にある景色は変わり、
世界が違って見えるのだという。
警備員が来ると互いに紹介がてら名前を語り合う。

美丘の母親は、医師の高梨に娘の病気は治らないのかと必死に
問いかける。一見容体が落ち着いているように思われるが、
進行が止まったわけではなく、ゆっかりと確実に進行している
事を告げられる。

太一は邦彦や洋次の元に戻ると、高所恐怖症ではなかったのか?
と問われる。三人の元に麻理や直美も合流する。
麻理は太一にあの子と知り合いなのか?と尋ねると、あの子には
色んな噂があるので関わらない方が良いと言われる。
そんな中ランチを取っていると美丘の前にぞろぞろと女性たち
が集まってくるのを見掛ける。由美という女性が美丘に彼氏を
取られたとの事。美丘は彼から声を掛けられたのでちょっと
遊んだだけだと告げ、その時彼女は居ないと言っていたという。
そんな彼氏とつきあわない方が良いんじゃないかというと、
女性の一人が美丘の事を平手打ちする。美丘も負けずに仕返し
すると今にも喧嘩になりそうな気配に、太一は意図的に食器
を落として、その喧嘩を仲裁する。

仲間たちは美丘に語りかける。
さっき言っていた話は本当なのか?彼女の気持ちは考えないのか?
すると美丘は片思いなど時間の無駄だと告げる。
麻理たちは二度も助けられた太一に感謝したらどうかと問い詰
めると、美丘はじゃあお礼をするとして、太一の頬にキスを
するのだった。

翌朝、屋上から落ちる夢で目が覚める太一。そろそろ就職活動
をしなさいと両親に言われる。今日は麻理の誕生日かというと
妹の結衣から彼女が出来たのか?と問われる。

一方美丘も家族で朝食の時を迎える。今日は三時から検査が
有る事を言われ了解して家を出る。両親は今まで通りの生活を
望んでいるけど、このままで良いのかと不安になる。夫の始は
それでも娘の前では明るく居ようと告げる。

太一は今夜の麻理とのディナーの時に告白しろと仲間たちから
告げられる。麻理の誕生日プレゼントをどうすべきか、太一
は一人でアクセサリーショップを見て回る。
すると偶然男友達と歩いていた美丘と遭遇する。美丘は太一に
付き合いプレゼント選びを手伝ってくるのだった。

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ある日突然出逢った美丘と太一。
将来に対する具体的な目標も描けぬまま日々を暮らす太一に
取って、美丘との出会いは彼の人生を大きく左右するほどの
ものだった。

ドラマとしては少々美丘が自分の死期を悟りすぎていて、
生きるという事、死ぬことに対して敏感過ぎる嫌いがある。
自分は死ぬのだから何を言っても何をしても許されるのでは
ないかとする、自らの境遇に酔いしれている感じがするところが
ちょっと鼻につく所。

ただそんな彼女からは生きたいとする気持ちとは別に、諦め
ざるを得ない現実が、彼女の態度として表れているようで、
どうしていいのか分からない迷走している感じが、吉高由里子
の中から見えてくる。

太一は主人公とはいえ、実に贅沢な役柄だ。
水沢エレナと吉高由里子を天秤に掛けるという悩ましい展開は
視聴者の心に訴えかけるものが多いかも知れない。
ただ恋愛関係にはバラ色であったとしても、将来については
何の具体性も持てずにおり、彼女たちとの出会いの中で、今後
どういう道を歩んでいくのか。難しい時期に於いて、恋も人生
も難題にぶつかるという事で、一歩間違えば将来を左右しかね
ない危うい時期では有ると思う。

冒頭の展開からすると美丘の寿命は一年って事になるのかな。
麻理と美丘の間で感情を露わにしたガチな対決が見られるとは
思わないけど、この辺の描写は如何にも恋愛ドラマの定石っぽい
臭いがしてくるので、どれ程面白く演出出来るのか。


峰岸美丘 …… 吉高由里子 (明知大学3年生、強烈なキャラと奔放な行動力)
橋本太一 …… 林遣都 (3年生、日用雑貨屋)
笠木邦彦 …… 勝地涼 (3年生、ムードメーカー)
五島麻理 …… 水沢エレナ (3年生、東京生まれ東京育ち)
北村洋次 …… 夕輝壽太 (3年生、福島県出身)
佐々木直美 …… 中村静香 (3年生、今どきの女子大生)
峰岸始 …… 寺脇康文 (父、中堅商社の普通のサラリーマン)
高梨宏之 …… 谷原章介 (東都大学病院神経内科医師)
峰岸佳織 …… 真矢みき (美丘の母)

工藤里沙、清水くるみ、三浦力、上原冴香、寺田有希
佐藤峻、上鶴徹、小久保丈二、青木鉄仁、藤森香花、池畑薫
大杉亜依里、青山玲子、高橋健悟、倉田祐利、田島茂樹
吉田エマ、骨川道夫


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