美丘 -君がいた日々-
(2010年7月期・日テレ土曜21時枠)

原作 - 石田衣良「美丘」
脚本 - 梅田みか
音楽 - 菅野祐悟
チーフプロデューサー - 田中芳樹
プロデューサー - 加藤正俊、小泉守
演出 - 猪股隆一、山下学美、佐久間紀佳

http://www.ntv.co.jp/mioka/


第3話 涙の約束…ずっとそばにいる!
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麻理とのコンサートを断り美丘の元に駆けつけた太一は告白
すると、彼女からは意外な事実を聞かされる。彼女は脳が萎縮
する病気で長くは生きられないのだという。私はもう一人で
平気だとして、立ち去ってしまう。

翌日学校で麻理は太一に声を掛ける。太一はコンサートに行け
なかった事を謝罪すると、麻理に言わなければならないことが
有ると告げる。しかし麻理はその話を聞こうとせず、気にして
いないから良いよと言う。そんな会話の中、美丘を始めとして
仲間が集まってくる。二人はドタキャンしたコンサート事件を
知っており気にするが、麻理が急用が出来たので仕方がないと
したことで騒動も収まる。

学校が終わるとみんなで邦彦のアルバイト先である"デニーロ"
へと足を運ぶ。邦彦はこれから映画を見に行かないかと告げ、
ベストセラーの映画化"君と見た虹"のチケットを見せる。難病
の女性の物語だと知り、美丘はそんなお涙頂戴ものは見たくない
と一人で出て行ってしまう。すぐに太一は追い掛ける。
太一は美丘にあれ以来、美丘の病気のことをずっと考えていた
と告げるが、太一には関係ないことだとして、迷惑だと悪態を
付く美丘。そんな美丘は立ち去る際に、財布を落としていく。

太一は一人で美丘の自宅を探す中、美丘は麻理に声を掛けられて
いた。財布が無くなった事を告げると麻理は親身になって
心配してくれる。麻理はこの間のコンサートの時に太一君と
逢っていたのか?と尋ねるも、それを否定する彼女。太一の表情
は逢いたい人に会いに行く様に見えたという麻理だった。

太一は美丘の自宅にやってくる。偶然出掛けようとしていた
佳織と遭遇する。財布を渡すと、佳織からは美丘とつきあって
いるのか?と言われる。それを否定すると、あの時美丘が貴方
を追い掛けて行ったのは何故なのか?と問い、これ以上娘に
逢わないで欲しいと頼まれる。太一は病気だからなのか?と問うと
佳織は意外な顔をして太一と話し合う。病気のことを知らされた
ということは、随分娘から信頼されているのねと語ると、太一は
既に振られた事を語る。美丘は半年前につきあっている人が
居たが、病気の事実を知ると離れていったのだという。その時
の美丘は顔や態度には表さなかったが、暫くは痛々しくて見て
居られなかったとの事。二度とあんな思いをさせたくないという。

美丘が帰宅すると財布が家にあることに驚く。佳織は太一が
届けてくれたことを語る。
そんな中、長野のお祖母ちゃんが倒れて入院した事が分かり、
佳織はこれから夫・始と行くという。すると美丘も一緒に行く
と告げる。

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太一は美丘に告白し一度は振られるも、彼女は未来が無いと
感じて恋愛はするまいと思っていたり、また半年前の二の舞は
嫌だと感じて太一との関係を歩めない事を知る。
しかしそんな時に、祖母から貴重な言葉を投げかけられて、
美丘の心は揺れていく。

美丘と太一と麻理の関係をもう少し引っ張るものだと思っていた
ので、太一が自分の気持ちを麻理に告白する流れは、意外と
早い段階で訪れたなという気がした。

人の幸せは、生きた歳月だけでは図れないという事を、祖母から
教わるという事で、目上の人からの面白い置き土産だったなと
思う。
悪気はないのだけど周りにいる人たちが、美丘の若さと可能性
を次々と指摘してくる辺りの煩わしさと、無情な感じがなんと
も言えず複雑な気持ちにさせた。

ドラマとして上手くできていたのは、これまで影の薄かった始
の使い方だと思う。
母親が先になくなるのは自然の摂理でも有るので、有る程度
仕方がない事だが、それを理解しつつも実際に体現する心の
寂しさというものが予想以上に心に響き、近い内に訪れるであ
ろう娘の死に対して、どれ程深い悲しみに暮れるのか、想像する
だけでも恐ろしいモノが有ることを示唆している。

最後に改めて太一が告白したときに、美丘が恐る恐る"本当に
居なくならない?"と心細げに語る姿は、初めて彼の前で弱さを
見せたシーンで、とてもイジらしく思えるシーンだった。

それにしても吉高由里子と水沢エレナ。二人に迫られたに選べ
ないな。そういう意味ではとてもバランスの取れた関係だと
思う。

余談だが7月22日は吉高由里子さんの22回目の誕生日。
水沢エレナさんのblogを見て知った。


峰岸美丘 …… 吉高由里子 (明知大学3年生、強烈なキャラと奔放な行動力)
橋本太一 …… 林遣都 (3年生、日用雑貨屋)
笠木邦彦 …… 勝地涼 (3年生、ムードメーカー)
五島麻理 …… 水沢エレナ (3年生、東京生まれ東京育ち)
北村洋次 …… 夕輝壽太 (3年生、福島県出身)
佐々木直美 …… 中村静香 (3年生、今どきの女子大生)
峰岸始 …… 寺脇康文 (父、中堅商社の普通のサラリーマン)
高梨宏之 …… 谷原章介 (東都大学病院神経内科医師)
峰岸佳織 …… 真矢みき (美丘の母)

加門良、森田亜紀、田島茂樹、吉田エマ

峰岸静江 …… 佐々木すみ江 (祖母)
峰岸幸子 …… 大島蓉子 (始の姉)
峰岸修三 …… 渡辺憲吉 (幸子の夫)
池上勇蔵 …… 升毅 (医者)

和泉今日子、高橋珠美子、竹本純平


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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