美丘 -君がいた日々-
(2010年7月期・日テレ土曜21時枠)

原作 - 石田衣良「美丘」
脚本 - 梅田みか
音楽 - 菅野祐悟
チーフプロデューサー - 田中芳樹
プロデューサー - 加藤正俊、小泉守
演出 - 猪股隆一、山下学美、佐久間紀佳

http://www.ntv.co.jp/mioka/


第5話 結婚…出産私にはできないんだ
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美丘は軽い記憶障害が出始める中、両親の前で家を出て太一と
一緒に暮らすことを告げる。
美丘は翌日からアルバイト誌で色々と仕事を探す。ずっと一緒に
居るために真剣に考えているという。太一は美丘に自分も両親
に同棲したいことを言ったら大反対された事を語る。太一らしく
無い行動に、美丘は驚くと共にそんな行動に喜ぶ。
美丘は二人で力を合わせれば何でも出来そうな気がすると語る。

美丘の母・佳織は、娘の部屋にアルバイト誌が有るのを見つけて
しまう。本気だとは思っていなかったとして、夫の始に相談し
学校に通わせるのも辞めさせた方が良いのではないかと告げる。
このまま太一と付き合っていれば、美丘は出て行ってしまうと
いう。

そんな中、学園内では明知大とジョウナン大の間で、決勝戦が
行われている事を校内ラジオ局が放送し、生徒たちはみんな
耳を傾ける。9回2アウトで後がないことを知った生徒たちは
意気消沈するが、美丘がメガホンを使って応援の声を発して
みんなを鼓舞する。するとホームランでサヨナラ勝ち。
隣り合った生徒たちと手を取り合って喜ぶ中、そこには邦彦
や麻理たちの姿もあった。
6人が揃うのは久しぶりのことだという洋次。色々と合ったけど
こういうのも良いねと邦彦は告げ、祝杯を挙げないかというが、
麻理は自分が居ると回りに気を付かせるとして、帰ろうとする。
しかし美丘は麻理を止め、帰るのならば私だと告げる。しかし
そう発した後、美丘はその場に倒れてしまう。

病院に運ばれるも幸い大したことはなかった。
それでも安全をとって一晩の入院。友人たちは美丘は何か病気
なのか?と太一に告げる。そんな中、佳織がみんなの前に現れ
美丘に逢ってあげてくれと病室に招く。

美丘は麻理も来てくれた事に感謝を述べる。友達として病室が
賑わう姿を見て、佳織も美丘の嬉しそうな顔を久しぶりに見た
という。佳織は医師・高梨に相談し、中には付き合っている子
も居るのだと告げる。しかし高梨はそれが悪いことでは無いこと
を告げ、以前よりも美丘が明るくなったことを告げる。
しかし佳織は親の目の届かない所で二人っきりで暮らすことなど
良くないですよねと尋ねると、残された時間をどう使うのか
正解は無いことを告げる。

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美丘も太一も残り少ない時間だからこそ、一緒にいたいと考え
るが、二人が一緒に住むことは、親子の時間を遠ざけてしまう
事にも繋がり、これまで成長を見守ってきた親としては、どう
しても認めることが出来無かった。果たして二人は一緒になる
事は出来無いのか?

とても難しい状況で、親の立場ならば佳織の気持ちが分かる
というものではないだろうか。
打開策としてはやっぱり太一が峰岸家に居候する事だなと
思いつつも、そういう選択肢が全く描かれなかったのは残念。

美丘だけの気持ちをすくい取れば、好きなことをさせてあげる
べきなのかも知れないが、人は一人で成長してきたのではない
事を実感させるもので、皮肉だけどそんな葛藤が多く描かれる
程に、その人がどれだけ愛されているかが分かるというもの
である。

こうなってくると、親の気持ちを子に分からせる主張が勝つ
のか、それとも子供の気持ちを親に分からせる主張が勝つのか
の勝負。そして子供の事を思う親が最後には挫折するであろう
事は明らかなのかな。
問題としては、その主張がどんなものなのかという事だろう。

女性としての幸せを何も甘受できない辛さを、同じ女性である
母親に実感させる事で、上手くそんな気持ちに転嫁していった
話であり、とても納得するものがある。

太一は美丘のために家族のために、色々と考えて行動している
姿を見て、美丘が最後に太一のために折れるところなど、
病気になっても尚、人間として成長している姿が伺える。

しかしドラマとしては、仲間に美丘の病気のことがどれだけ
伝わったのか。
結構劇的な事だと思うので、この辺はリアクションも含めて
ドラマとして盛り上げていって欲しいなと思う。


峰岸美丘 …… 吉高由里子 (明知大学3年生、強烈なキャラと奔放な行動力)
橋本太一 …… 林遣都 (3年生、日用雑貨屋)
笠木邦彦 …… 勝地涼 (3年生、ムードメーカー)
五島麻理 …… 水沢エレナ (3年生、東京生まれ東京育ち)
北村洋次 …… 夕輝壽太 (3年生、福島県出身)
佐々木直美 …… 中村静香 (3年生、今どきの女子大生)
峰岸始 …… 寺脇康文 (父、中堅商社の普通のサラリーマン)
高梨宏之 …… 谷原章介 (東都大学病院神経内科医師)
峰岸佳織 …… 真矢みき (美丘の母)

加門良、森田亜紀、田島茂樹、吉田エマ

池上勇蔵 …… 升毅 (医者)
橋本一郎 …… 金田明夫 (太一の父)
橋本容子 …… 美保純 (太一の母)
橋本結衣 …… 清水くるみ (太一の妹)

ガリ中島、上簗裕尚、島山裕允、サンシャイン池崎
深谷貴和、益子卓、渡辺亮介、齋藤康弘


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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