美丘 -君がいた日々-
(2010年7月期・日テレ土曜21時枠)

原作 - 石田衣良「美丘」
脚本 - 梅田みか
音楽 - 菅野祐悟
チーフプロデューサー - 田中芳樹
プロデューサー - 加藤正俊、小泉守
演出 - 猪股隆一、山下学美、佐久間紀佳

http://www.ntv.co.jp/mioka/


第6話 いらない命なんてないんだよ!
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美丘は早速部屋を探す為に太一と共に不動産店を回る。
良い物件が見つかったと思えば家賃は15万円と予算オーバー。
学校で物件情報を見ている中で、邦彦ら友達がやってくる。
二人が物件情報を見ているのを知って、同棲生活でも始めるの
か?と冗談交じりに語ると、太一もそれを肯定する。随分急な
展開だと驚く仲間に、今度またきちんと話すからとして、太一
はアルバイトへ行ってしまう。邦彦は麻理に気遣い、勢いで
言っただけかも知れない事を告げるが、麻理は太一が同棲を
すると言い出すなんてよっぽどのことだとして、美丘の病気が
関係して居るであろう事を指摘する。

佳織は近所の鈴木さんから、美丘が男と不動産店を見ていた事
を告げられると、佳織は包み隠さず家を出ることになった事を
告げる。よく許したわねと驚かれるが、娘には娘の生き方が
有るとしてハッキリと告げる。

太一が引っ越し屋でアルバイトしている姿を見てしまう麻理。

太一は美丘からアパートが見つかったとのメールを受け、
アルバイト後に向かう。すると一年後には壊される運命にある
物件だった。太一は最初は否定するが、期限付きなんてピッタリ
だと美丘が語ることで、ここに決める。

翌日、美丘は検査の為に病院に行く。
高梨先生にも同棲する部屋が見つかったことを報告。階段には
注意し、記憶障害も始まっているのでくれぐれも用心して欲しい
と言われる。何か有ったら24時間遠慮無く連絡してくれと言わ
れる。
美丘と太一は別れるが、明日からは別の場所に帰らなくて良いね
と語り合う。

翌日美丘は引っ越しのために荷物を整理する中で、幼いときに
母親に編んで貰ったピンクのセーターを目にする。
食事の際に美丘は母に、最近編み物をしていないねと語り、
また初めて欲しいと告げる。母親の編み物する姿が好きだった
事を語り、また好きなことをしてほしいと告げる。父親に関して
も出世を諦め転勤の話を不意にした時の話をして、これまで
我が儘を聞いてくれて有難うと告げる。そして今まで育ててく
れた事に感謝を示す。
両親はどんな事が有っても味方であり、いつでも家に戻って来て
欲しいと告げる。

太一は父から引っ越しのために今日一日車を貸して欲しいと頼む。
そんな中美丘が太一の家にやってきて、同棲することに正式に
挨拶する。
いざ荷物を運び出そうとしていたところに、邦彦たちが車で
やってくる。自分たちも引っ越しの手伝いをすると仲間たち。
これを提案したのは麻理だという事を知る。

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いよいよ同棲生活をスタートさせようとする太一と美丘。
しかし無情にも美丘の病状は急速に悪化していく。
そんな中、仲間たちは美丘たちの事情を察して何も聞かず
引っ越し作業を手伝ってくれる中、みんなで海へと息抜きに
行くと、そこで美丘から衝撃の告白がある。

どのように仲間たちに美丘の病状が知れ渡るのか興味深いもの
が有ったが、今回ようやくそれらが伝わる形だった。
サヤカという人物の挿入の仕方がやや不自然だったようにも
思えるけれど、彼女の存在が上手く、美丘の病状を知らしめ、
そして生きる事への執着心や彼女の素直な心情を引き出した。

大学3年の夏という事で、就職活動に入ろうとしている学生たち
にとって最後の夏という寂しい状況が、美丘の命の灯火と
相まって寂しさの相乗効果が生まれていると思う。

問題はこんな不安定な時期に、美丘という人物の最後を看取る
事が今後の人生にどう影響を与えてしまうのかという事か。
就職という機会に於いて、人生というものを少なからず考えさ
せられる時期でもあり、状況としてはかなり複雑なものがある
と思う。

これまでの天真爛漫な彼女の姿とは一変するような病気の事実
に、彼女の存在が愛おしくなるような所が有る。
敵対する存在で有った麻理にしても、割り切れない気持ちが
有るはずで、こんな事実を知ったときに果たして太一への気持ち
がどう描かれていくのか。

病気の現実は彼女の価値観も変えさせ、友達など欲しくなかっ
たこれまでとはまた違った価値観が生まれさせた。
そんな彼女に太一も多大な影響を受けて、大事なことは後回し
にしない、大事なことはきちんと伝える、一日一日を精一杯
に生きる事の大切さを学ぶ。ただその中で大事なことをきちんと
仲間に伝えられなかった事への気まずさは存在するけどね。


峰岸美丘 …… 吉高由里子 (明知大学3年生、強烈なキャラと奔放な行動力)
橋本太一 …… 林遣都 (3年生、日用雑貨屋)
笠木邦彦 …… 勝地涼 (3年生、ムードメーカー)
五島麻理 …… 水沢エレナ (3年生、東京生まれ東京育ち)
北村洋次 …… 夕輝壽太 (3年生、福島県出身)
佐々木直美 …… 中村静香 (3年生、今どきの女子大生)
峰岸始 …… 寺脇康文 (父、中堅商社の普通のサラリーマン)
高梨宏之 …… 谷原章介 (東都大学病院神経内科医師)
峰岸佳織 …… 真矢みき (美丘の母)

加門良、森田亜紀、田島茂樹、吉田エマ

池上勇蔵 …… 升毅 (医者)
橋本一郎 …… 金田明夫 (太一の父)
橋本容子 …… 美保純 (太一の母)
橋本結衣 …… 清水くるみ (太一の妹)
サヤカ …… 美山加恋 (いじめに逢う学生)

伊藤洋一、名倉右喬、佐藤直子、畠中正文、佐藤光砂


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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