美丘 -君がいた日々-
(2010年7月期・日テレ土曜21時枠)

原作 - 石田衣良「美丘」
脚本 - 梅田みか
音楽 - 菅野祐悟
チーフプロデューサー - 田中芳樹
プロデューサー - 加藤正俊、小泉守
演出 - 猪股隆一、山下学美、佐久間紀佳

http://www.ntv.co.jp/mioka/


第8話 体が動かない…最後の家族旅行
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美丘は病状が悪化し、左手・左足が不自由になっていく。
高梨から自分が自分で居られるのは、多くても数ヶ月だと言わ
れる。そんな短い時間でも私に出来ることは有るのかと、美丘
は不安になるが、太一が生きていた事の証人になると告げ、
二人で一緒に生きようと勇気づける。

美丘は高梨からの診察を受ける。
現在まだ右手・右足は大丈夫だという美丘。記憶に関しても
時々忘れてしまうことがあるという。しかし入院だけはしないと
告げる。
美丘が検査で部屋を後にしている間に、高梨は太一に右手・右
足が麻痺するのも時間の問題だとして、そろそろ覚悟しておいて
欲しいと告げる。自分の手で食事することも出来無くなるとして
医師としては入院することを勧めると告げる。

美丘はみんなに逢いたいとして、太一は邦彦がアルバイトして
いる喫茶店に行く。みんなと合流すると太一はアルバイトの為
に退席する。美丘のことは麻理と直美が一緒に付き添い帰って
くれるという。
太一が退席して間もなく、美丘は太一がアルバイトに行ったこ
とを忘れてしまう。そんな美丘に一同驚きの目を向ける。

麻理と直美が自宅まで美丘を連れていく中、美丘の母・佳織と
バッタリ逢う。母は美丘たちの部屋に沢山のメモ紙が貼られて
いるのを見て驚く。母は美丘に大好きなビーフシチューを作って
あげるという。母が食事を作る間に美丘は話しかける。
美丘は家族で旅行しないかという。体が動かなくなってからでは
遅いからと告げる。佳織は太一も誘ったらと告げると美丘は
大喜びする。

太一はアルバイトが終わると、美丘に電話する。
母がビーフシチューを作ってくれた事を語る。太一が帰宅する
までの間に、コンロの火を付けようとするが、美丘はビーフシ
チューを流しに零してしまう。急いで自分で再び作ろうとする
が・・・

太一が帰宅すると部屋の中が荒れているのに驚く。
美丘はシチューを零したので自分で作ろうとしたが、何をして
いるのか分からなくなったという。太一は美丘が作ったシチュー
を味見して美味しいと告げるが、美丘はこんなに不味いのに
気を使わないでと語る。普通に出来ていた事が出来無くなった
として落ち込む彼女に、太一はオレが居ると元気づける。
しかし二人は自分たちに残されている時間が短くなっている
事を実感する。

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サマーフェスタに行こうとしていた矢先、左手・左足が動かなく
なった美丘。徐々に麻痺は全身に達していく中、美丘は動ける
ウチにと、家族での旅行を提案する。そこは美丘の名前の由来
になった大地が広がっていた。

美丘たちが現実に逆らって生きていく事に対して、美丘自身の
体に訴えて、その現実を受け入れさせていく内容だった。

楽しさの後には突き落とすような現実が待ち受けている内容で、
その現実が分かっているからこそ、ドラマを見ている視聴者と
しても、気が抜けないところ。

いつでも時限爆弾は爆発する状況の中、最後に象徴的な思い出
作りが出来たことで、現実を受け入れさせる事へのせめてもの
慰めを描いた形だった。

やっぱり子供のことに関しては、母親が優先されるものなのか。
旅行での宿泊の際に、母と一緒に床に入るやりとりは、とても
悲しい気分にさせられる。

最終的には美丘自身のプライドが入院を決めさせるものなもので
最後まで太一の元では女性である自分の姿で居たかったのであろ
う。
脊髄小脳変性症の女性を扱ったドラマ「1リットルの涙」でも
同様にトイレに行けない現実が描かれた事があったよね。
暴走しているエリカ様の純粋だった頃の貴重な作品だ。


峰岸美丘 …… 吉高由里子 (明知大学3年生、強烈なキャラと奔放な行動力)
橋本太一 …… 林遣都 (3年生、日用雑貨屋)
笠木邦彦 …… 勝地涼 (3年生、ムードメーカー)
五島麻理 …… 水沢エレナ (3年生、東京生まれ東京育ち)
北村洋次 …… 夕輝壽太 (3年生、福島県出身)
佐々木直美 …… 中村静香 (3年生、今どきの女子大生)
峰岸始 …… 寺脇康文 (父、中堅商社の普通のサラリーマン)
高梨宏之 …… 谷原章介 (東都大学病院神経内科医師)
峰岸佳織 …… 真矢みき (美丘の母)

池上勇蔵 …… 升毅 (医者)
原田 …… 吉田エマ (看護師)

畠中正文、田島茂樹


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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