美丘 -君がいた日々-
(2010年7月期・日テレ土曜21時枠)

原作 - 石田衣良「美丘」
脚本 - 梅田みか
音楽 - 菅野祐悟
チーフプロデューサー - 田中芳樹
プロデューサー - 加藤正俊、小泉守
演出 - 猪股隆一、山下学美、佐久間紀佳

http://www.ntv.co.jp/mioka/


第9話 絶望…私の命を終わりにして!
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美丘は左半身だけでなく、右側も動かなくなり始めると、入院
する事を決意する。

美丘が病室のベッドで食事をするのを手伝う太一。もう彼女は
自分の力で食事をするのも難しくなっていた。医師の高梨は
両親を呼び、彼女の進行は異様に早いこと、一週間で全身が麻痺
している現実を指摘し、今後は呼吸と心臓の動きに注視していく
という。これからは記憶障害も出て行き、身近に居る人さえも
認識できなくなる事を告げる。

美丘の病室に仲間たちが会いに来る。
彼らは皆就職説明会の為に背広を着ていた。美丘は太一も就職
説明会に行かないのか?と尋ねるが、自分に毎日付き添っている
為に行けないのかとして、太一に感謝を示す。
そんな中、美丘は友達の名前を確かめるように一人一人の名前
を呼ぶが、最後の邦彦の名前だけがどうしても出てこなかった。
みんなの事を忘れないためにノートを作ったとして、中を見て
確認する美丘。邦彦はオレは元々影が薄くて、二度目に逢った
人からも初めましてと言われるのだという。
しかし帰り道に仲間たちは、美丘の病状が悪化していくのを
見ているのが辛いと告げる。太一は本当によくやっていると
みんなが感心する。

太一は病室に戻ると、美丘は突然表情を変える。
太一に対して私の知っている人なのか?と告げる。太一はショック
を受け病室の外へと飛び出す。美丘のノートには一番大切な人
と書かれていた。それでようやく思い出すと、美丘は大変なこと
をしたとして、ベッドからはい上がり太一の元へと駆けつけ
様とするが、体は言うことを聞かずにベッドからずり落ちてし
まう。
太一に対して謝罪し、忘れてしまう事が恐いという美丘。
忘れてしまったら生きている意味がないとして、分からないまま
生きていくのは嫌だという。もしもそうなったら太一の手で
私の命を終わらせて欲しいと告げる。しかし太一はそんな事は
出来無いと断る。

高梨によると記憶は新しい物から消えていくとの事。
病気のせいで有り美丘の責任ではない人を告げる。
しかし今日は太一のことを思い出したけど、これからどんどん
消えていき思い出も無くなる事を不安視する。
そんな中、美丘は学校に行きたいという。屋上からの景色が
見たいとして、半日の外出許可を貰うのだった。

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麻痺が全身に及んだ事で入院することを決意した美丘。
麻痺は記憶にまで及び、徐々に身近にいる人たちのこと、そして
思い出さえも奪おうとしていく中で、最後の外出先として太一と
出逢った学校へ行くことを決意する。そこで美丘は今までのネ
ガティブな思考を覆すような話と遭遇する。

もの凄く急速に死に向かって話が進んでいる。
病院でのやりとりの中でやれることは少ないだろうし、必要以上
に痛々しい美丘の様子を見せたくない意図があるのかも知れない。

大学の講義とは大したものではない事が多いけれど、最後に
彼女が受けた授業は今の彼女にとって最も必要な言葉を投げかけ
てくれたもので、もしかすると先生が事情を知って特別に計ら
ってくれたものなのかなという感じがする。

美丘と共に一緒に散るような勢いのあった太一に対しても、
自分の人生を考える機会を与えたことで、上手く軌道を修正
する様な話である。

最後に学園生活を送れたこと。
学園生活がそれだけ充実していたであろう事が伺えて、とても
良い感じに映るが、アウトロー的存在だった美丘は、太一と
と出逢っていなければ、友達関係に於いても寂しい物があった
だろうし、思い出としても大した物が無くこの世から去っていた
のかもしれない。そう考えるとせめてもの慰めになる感じだろう
か。


峰岸美丘 …… 吉高由里子 (明知大学3年生、強烈なキャラと奔放な行動力)
橋本太一 …… 林遣都 (3年生、日用雑貨屋)
笠木邦彦 …… 勝地涼 (3年生、ムードメーカー)
五島麻理 …… 水沢エレナ (3年生、東京生まれ東京育ち)
北村洋次 …… 夕輝壽太 (3年生、福島県出身)
佐々木直美 …… 中村静香 (3年生、今どきの女子大生)
峰岸始 …… 寺脇康文 (父、中堅商社の普通のサラリーマン)
高梨宏之 …… 谷原章介 (東都大学病院神経内科医師)
峰岸佳織 …… 真矢みき (美丘の母)

池上勇蔵 …… 升毅 (医者)
原田 …… 吉田エマ (看護師)

清水くるみ


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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