モリのアサガオ 新人刑務官と或る死刑因の物語
(2010年10月期テレ東・月22時枠)

脚本 - 羽原大介(1)(2)(4)(6)(7)、旺季志ずか(3)(5)
音楽 - 渡辺俊幸
チーフプロデューサー - 岡部紳二
プロデューサー - 中川順平・森田昇、黒沢淳
監督 - 佐々木章光、古厩智之、村上牧人、山内宗信

http://www.tv-tokyo.co.jp/moriasa/


第7話 新人刑務官の父は死刑囚!!
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直樹は朝、満の房の前で彼に挨拶する。
しばらくの沈黙の跡、良い天気だなと返事が有った。

直樹は麻美から韓国料理店に呼び出されると、そこで韓国への
転勤話が出ていることを話す。期間は前任者が3年だったので
同期間ではないかという。すると直樹は実際に韓国の行ってみ
て、雰囲気を感じてみてから決断したらどうか?とし、自分も
一緒に韓国に付き合っても良いことを語る。
翌日直樹が複雑そうにしていると、加奈が声を掛け、何かあっ
たら相談に乗ると言われる。

直樹はパスポートを取得するために戸籍抄本を取り寄せる。
するとそこには直樹が養子であり、実の両親は
父・山本憲人、
母・山本美代子
と書かれているのを知る。
直樹は帰宅すると、両親から話を聞こうとするがどうしても
聞くことが出来なかった。直樹は本当の親は今頃何をしている
のかと考える。直樹はかつて死刑囚の深掘から、山本にソックリ
だと言われたことを思い出す。
翌日、直樹は深掘に会うと、山本の事を尋ねる。山本は自分の
父親だとし、父のことを教えて欲しいと頼む。すると彼は
突然動揺しだし、直樹の首を絞め始める。他の刑務官がすぐに
助けに来て事なきを得るが、直樹は益々深掘が何かを知っている
のではないか?と疑う。

歴代の刑務官の中に山本が居ないか調べるも不発。
深掘の事を調べていくと、
彼は1996年の仮釈放中に肩をぶつけ
た通行人と喧嘩になり、次々と3人を死傷させている事が分かる。
更にその事件の12年前の1984年には、鶯谷事件を起こしており、
主犯が山本憲人
だと知る。既に死刑執行された死刑囚で有った
事を初めて知る。
調書によると、26年前に東京の運送会社の社長と社員3人を
殺害した事件だったと知る。社員の一人で憲人の恋人だった
美代子が社長からセクハラを受けており、事件のあった日も
残業中にセクハラに合い、それを知って殺害に及んだという。
深掘は一人を殺害して懲役12年。憲人は3人を殺害して死刑囚
になった事を知る。

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恋人の麻美とひょんな事から韓国に行くことになり、パスポート
を取得する際に戸籍抄本を取り寄せたことから、そこで自らが
養子である事を知る。一体直樹の両親はどんな人物だったのか。

ドラマの流れが全て死刑囚に繋がっている辺りの出来すぎ感が
有ったり、真相を知りながらも直樹が深掘に対して憤りの感情を
表さない辺りの違和感は有ったけど、父親への探求心がドラマとして
はとても面白く写る。

今更ながらこれまでの内容を振り返ってみると、直樹に対する
周りのケアが必要以上のものが有ったかなと思うところもある
ので、こういう事実があることにも納得感が有った。

死刑囚の中でも満との関係性をより近づけるために、直樹に
そんな設定が施されていることにはとても上手いものが有るし、
真から心の中をさらけ出し合うには、必要な設定だとも思う。

これまで一方的に直樹が満に対して投げかけてきた言葉が、
今度は逆に満側から投げかけられる所など、両者が強固に結び
つく課程が上手く描かれた。

直樹の父・憲人は結果的に正当防衛の様な形ではあったが、
深掘から始まった死の連鎖を考えると、その主張も通りそうに
ない。正当性の有無を除いても、人を殺めた事での罪悪感に
対して満と同様に司法にその判断を委ねるのではなく自ら
決断している辺りは、直樹も満に対する気持ちの一端が伝わって
いくのではなかろうか。

それにしてもやっぱり人生はどんな人物と出会うかに依る所が
有るね。皮肉にも深掘から助けてもらった命故に、その関係
が続いてきたけれど、これまでの事を思えば十分にその恩義は
返していると思う。その辺の義理堅い一面が直樹に引き継がれ
ている所などは、設定として良くできているなと思う。

眞島秀和さんと柄本明さんが同級生役というのも笑えた。
そして最後のプレゼント告知に、柄本明さんと温水洋一さんを
使うところが笑える。普通伊藤淳史さんと香椎由宇さんを使う
よなぁ。


及川直樹 …… 伊藤淳史 (東京西拘置所、新人刑務官)
渡瀬満 …… ARATA (死刑囚)
沢崎麻美 …… 香椎由宇 (直樹の恋人、東陽新聞記者)
吉岡小春 …… 谷村美月 (犯罪被害者、口がきけない)
望月加奈 …… 木南晴夏 (直樹の同僚、好意を持つ)
藤間貴子 …… 相築あきこ (パパゲーナのママ)
里中和明 …… 戸田昌宏 (刑務官)
後藤了 …… 前川泰之 (刑務官)
谷崎俊幸 …… ベンガル (刑務官)
若林勇三 …… 塩見三省 (刑務官)
星山克博 …… 大倉孝二 (死刑囚)
世古利一 …… 温水洋一 (死刑囚)
深堀圭造 …… 柄本明 (死刑囚)
石峰明 …… 六平直政 (死刑囚)
香西忠伸 …… 中村獅童 (死刑囚、少年3人をリンチ殺人)
笹野武 …… 平田満 (死刑囚)
赤石英一郎 …… 石橋凌 (死刑囚、冤罪)
及川正道 …… 大杉漣 (直樹の父、元拘置所所長)
及川佐和子 …… 市毛良枝 (直樹の母)


田尻勝男 …… 斎藤歩 (渡瀬の両親を殺害)
鈴木刑務官 …… 須田邦裕
前園有歌 …… 内村つぐみ (田尻の娘)
楠見佳子 …… 根岸季衣 (児童養護施設「竹の花園」の園長)

山本憲人 …… 眞島秀和 (直樹の父、死刑判決)
舟木和子 …… 岡本麗 (深掘の妻、現在麻雀店経営、娘・百合)
処遇部長 …… 大河内浩
運送会社社長 …… 日野陽仁 (鶯谷の運送業)
チンピラ …… 森下能幸
吉川美代子 …… 松田沙紀 (直樹の母)

豊田孝治、末柄拓郎、江戸松徹、康実紗、中川絵美、渡邊慶人
長田涼子、宇宙、北藤遼、浜野希莉、長沢直樹、大山颯大
入澤楓華、西岡航


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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