Mother
(2010年4月期・日テレ22時枠)

脚本/坂元裕二
プロデューサー/次屋尚・千葉行利
チーフプロデューサー/田中芳樹
演出/水田伸生・長沼誠

http://www.ntv.co.jp/mother/


第2話 居場所のない二人

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奈緒は母親から酷い扱いをされている子供・怜南(継美)を連れ
て一緒に東京行きの電車に乗る。電車に乗るところを偶然、駅
のホームで逢った藤吉駿輔に見つかる。奈緒は列車の中で緊張
感を無くしている継美に、私達は逃げているのでほとぼりが覚
めるまでは大人しくしておいてという。

奈緒は宇都宮で途中下車し、バスで東京に向かおうとするが、
立ち寄ったトイレでカバンを盗まれ、荷物こそ見つかるが財布
の金を盗まれてしまう。
奈緒はかつて5歳から7歳までの時を過ごした"桃の家"の野本
桃子の施設を訪ねる。しかし"桃の家"はすっかりと寂れていて
桃子自身も痴呆症の初期症状の様な状態だった。

その頃北海道の姉の元を訪ねてきた果歩と彼氏の木俣耕平は、
姉がアパートを引き払っているのを知ると、仕事場である小学校
へと足を運ぶ。そこで記者の藤吉駿輔に出会う。

一方奈緒と継美はテレビで、失踪した道木怜南の捜査が縮小する
という報道を目にする。気になるならば戻っても良いとする奈緒
に対して、怜南のママは帰りを祈っていないと告げる。

桃子と継美は二人で花畑へと足を運ぶ。
その間独りで施設に居た奈緒の元に警察官の内村がやってくる。
10年前夫に先立たれた桃子はその時に施設を閉鎖したが、ここ
を巣立っていった子供達には故郷が無く、親が居ない事を受け
ここがその変わりになるとして、この家から離れなかったという。
しかし借地権の問題で立ち退きを迫られ、後で市役所の人が
桃子を引き取りに来ると告げる。
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北海道を抜けだした奈緒と継美。
警察の目をかいくぐりながら向かった先は、奈緒が里子として
引き取られる前に居た施設だった。

捨てられたのが5歳の頃ならば、朧気にも母親のことは覚えて
いないのだろうか。

変わり果ててしまった施設や世話してくれた養母の姿に、時の
流れを感じつつ、複雑な思いを巡らせていくことになる。

幼い頃の2年間という月日がまた微妙な歳月ではあるが、当時の
様子や思い出深いエピソードが少ないこともあって、ややドラマ
としては盛り上がりに欠けるところ。

ただ血の繋がりだけが決して親子の関係や愛情を示すものでは
無いし、桃子が待ち望んでいた里子が一人でも戻ってきてくれた
事は、彼女にとっては万感胸に迫る思いではなかろうか。

一度捨てられた人は捨てられる事の怖さを知るとしながらも、
継美が奈緒に対して我が儘な姿勢を崩さずにいる事への違和感
が有るし、一つの見方としては、孤児の為に尽くしていた女性
が捨てられようとしている現実に継美は同じ思いをさせては
いけないと感じたのかも知れない。

早くも東京で奈緒が母親と出会うようで、今回は遠くから母親
が眺めていたけど、偶然性はともかく、どの辺を見て娘だと
分かっていくのか。今回の展開では、奈緒と継美の事を単なる
母子として扱っている印象もあったし、そんな二人の姿を通して
別れた奈緒に思いを馳せているだけかもしれない。とにかく
目の前の女性が別れた娘だと分かったときの葉菜のリアクション
が見てみたい気がする。


鈴原奈緒 …… 松雪泰子 (35、長女)
鈴原芽衣 …… 酒井若菜 (26、次女・結婚を控える)
鈴原果歩 …… 倉科カナ (22、三女)
鈴原藤子 …… 高畑淳子 (55、母)

道木怜南《鈴原継美》 …… 芦田愛菜 (7)
道木仁美 …… 尾野真千子 (29、怜南の母。半ネグレスト状態)
浦上真人 …… 綾野剛 (29、仁美の彼)
木俣耕平 …… 川村陽介 (22、果歩の彼)
袖川珠美 …… 市川実和子 (36、医者)
加山圭吾 …… 音尾琢真 (33)
藤吉駿輔 …… 山本耕史 (33、記者)
藤吉健輔 …… 田中実 (38、大学の研究室)
望月葉菜 …… 田中裕子 (55、スミレ理髪店)

内村 …… 大河内浩

高橋昌也、水野顕子、加藤満、坂口進也、五味多恵子
高橋敏江、山口みよ子、佐藤裕、佐藤旭、木村洋二(アナ)
金子路代、熊谷明美(アナ)、楊詩帆莉、佐藤瑠生亮、馬渕誉


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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