Mother
(2010年4月期・日テレ22時枠)

脚本/坂元裕二
プロデューサー/次屋尚・千葉行利
チーフプロデューサー/田中芳樹
演出/水田伸生・長沼誠

http://www.ntv.co.jp/mother/


第5話 二人の“母親”
--------------------------------------------------------
学校への入学手続きをした帰りに、飛行機の折り紙で遊ぶ
継美の姿を見て奈緒は気がつく。特殊な折り方をした折り紙は
かつて母親が残してくれた折り紙の折り方と同じだったのであ
る。それを知るとすぐに奈緒は継美を連れて帰る。
奈緒は籐子と料理を作りながら、私を捨てた人と逢った事を
告げる。何も言わないで近づいてきたので思わず騙されてしま
ったという。籐子はきのせいであり、そんな人はもうとっくに
この世にいないと告げる。

一方北海道にいる仁美と浦上は、怜南の葬儀を終わらせる。
仁美は彼に出掛けようと言うが、彼は今更ながら子供を失った
事に後悔し震えていた。事故で子供を亡くした母親の顔をして
いろと告げる。

翌朝、鈴原家には古い新聞が届く。中を見ると怜南が失踪した
事を示す記事が書かれたものだった。更に無言電話も掛かり始
める。
奈緒はすぐにそんな嫌がらせをするのは藤吉だと知り、彼と
逢ってあんな事は辞めてくれと告げる。一千万円を都合してく
れれば辞めるという藤吉。
継美はそのやりとりを見てすぐに、葉菜の元に助けを求める。
葉菜はもうここには来ない方が良いとするが、継美は東京に
来る際に荷物を無くした事を語り全ては自分のせいだと告げる。

一方妊娠中の芽衣の赤ちゃんには心室が一つしかない事が判明
する。母の籐子は芽衣に産むことを薦めるが、芽衣は生きるか
死ぬか分からない子を産めと言うのかと不満を露わにする。

継美を学校まで送った帰りに、奈緒は葉菜が待っている事に
気がつく。葉菜は奈緒に通帳を手渡すが、意味が分からないと
突き放す。学校のことでは世話になったが、関係のない人にこれ
以上世話になるわけにはいかないと告げ、これ以上関わらない
で欲しいと告げる。葉菜はだったらここに捨てていくとして
ゴミ箱に入れて立ち去ってしまう。対応に困っているとそこに
藤吉がやってきて通帳を持って行ってしまう。

--------------------------------------------------------

奈緒は自分が捨てた母親が誰なのかを知る。
それが身近にいて自分の心情も全てさらけ出していた事で、
捨てられた事だけでなく騙された気持ちまで含有され、葉菜に
怒りをぶつけていく。
しかしその影で、奈緒は藤吉から継美の事で脅迫を受けていく。

藤吉が単純な脅迫者ではなかったという点は面白いのだけど、
なんだか複雑な事情を加味しすぎて、微妙な存在になって
しまった。まぁこれで彼絡みのエピソードも終わりみたいだし
余計な者がそげ落ちた格好となるかな。

上手かったのは無言電話が実際には藤吉からのものではなく
北海道から掛かっていたというカラクリ。この見せ方は面白く
出来ていた。

さて今回のメインは、育ての親との間に生じていた微妙な壁
を上手く取り外して、奈緒の心の中の重みが軽くなるという
ものだった。

過去の籐子と奈緒とのエピソードが想像以上に良くできていた
ので、彼女が家族の一員として消化する様子が上手く描かれた
と思う。これまで家族の祝い事や妹たちの様子にも無関心を
装っていた奈緒が、関わり合いを見せることで心情の変化を
描いて見せた。

ただ完全に葉菜の事を見限ることが出来るのか。
そして北海道との繋がりが新たに出来たことで、再び不安的
要素が存在し始めた。
怜南の母・道木仁美の態度がどう出るのか見物だが、過去に
葉菜が突然現れた時のエピソードと上手く平行描かれている
ので、奈緒自身にもその時の複雑な心境の一端が伝わっていく
ものなのかもしれない。


鈴原奈緒 …… 松雪泰子 (35、長女)
鈴原芽衣 …… 酒井若菜 (26、次女・結婚を控える)
鈴原果歩 …… 倉科カナ (22、三女)
鈴原籐子 …… 高畑淳子 (55、母)

道木怜南《鈴原継美》 …… 芦田愛菜 (7)
道木仁美 …… 尾野真千子 (29、怜南の母。半ネグレスト状態)
浦上真人 …… 綾野剛 (29、仁美の彼)
木俣耕平 …… 川村陽介 (22、果歩の彼)
袖川珠美 …… 市川実和子 (36、医者)
加山圭吾 …… 音尾琢真 (33 芽衣の婚約者)
藤吉駿輔 …… 山本耕史 (33、記者)
藤吉健輔 …… 田中実 (38、大学の研究室)
望月葉菜 …… 田中裕子 (55、スミレ理髪店)

多田 …… 高橋昌也 (スミレ理髪店・常連客)

康喜弼、近野衣里、中田舞奈、長島暉実


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system