Mother
(2010年4月期・日テレ22時枠)

脚本/坂元裕二
プロデューサー/次屋尚・千葉行利
チーフプロデューサー/田中芳樹
演出/水田伸生・長沼誠

http://www.ntv.co.jp/mother/


第11話 ずっと愛してる
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奈緒の元に突然室蘭の施設に居るはずの継美から電話が鳴る。

何時迎えに来てくれるのか?逢いたい、もう一度誘拐してと
告げる継美に対して奈緒は返答に困ってしまう。しかし電話は
突然切れてしまう。

奈緒は病院に入院している母親の元を訪ねる。継美の為に編み
ものをしている葉菜は、もしも編み終わらなければ貴方が作っ
てと言われる。葉菜は亡くなる際に見える走馬燈は今から楽しみ
だという。かつて奈緒を連れて逃げた半年間の出来事。
富山から名古屋に行き、焼津から前橋、そして宇都宮に行った
事。何をしても上手くいかなかったがとても楽しかった事を
告げる。
奈緒は葉菜の余命が数日だと聞かされ、葉菜に自宅に戻るかと
告げる。

その頃施設にいた継美は、克子おばさんから荷物が届く。
その中にはお小遣いも入っていた。

葉菜が家に戻ると、奈緒はインコを二匹飼っていた。
葉菜がかねてから飼いたそうにしていたことを聞いたからだった。

一方藤吉は多田に葉菜が自宅を放火した時のことを尋ねる。
夫は酒を飲んで暴力が酷く、そんな中で葉菜が娘を守る為にも
カッとなって火をつけたのだという。藤吉は温厚な葉菜が人を
殺すとは考えづらいのではないかとするが、多田は母性の成せる
事ではないかと告げ、我々には理解の及ばない所だと告げる。

そんな中、継美が突然東京の自宅にやってくる。
奈緒は手足を擦りむいている継美を見て、どうしてこんな危険な
事をするのかと怒る。継美に逢えたのに嬉しくないのか?と
いう彼女に逢いたかったとして抱きつく。葉菜も騒ぎを聞いて
起きてくる。
継美は葉菜が寝たきりになっていることを気にする。病気だと
告げると治るのでしょう?という。葉菜は継美の顔を見たら
元気になったと微笑む。

奈緒は藤吉に相談する。藤吉は施設では捜索届けが出ている事
を告げ通報するならば今だと語る。奈緒は翌日自分で届けると
するが、捜査の手はこちらにも来るのでもって一日だろうと
告げる。
鈴原たちもみんなでやってくると、奈緒は明日には連れて帰る
事を告げる。

藤吉は葉菜に、当時の事件のことを尋ねる。葉菜は頑なに自分
が火を付けたとするが、藤吉は推測したことがあるとして、
自分の意見を告げる。守りたい物が有って口を閉ざしているの
ではないかという。これは母性による事件であろうと語る。

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奈緒の元に継美から電話があり、もう一度誘拐して欲しいと
告げられる。果たして奈緒は継美からの要求に応えていくのか。

ショッキングな継美からのセリフで始まった今回のドラマ。
ドラマとしては継美と奈緒が再会するのは明らかだけど、
そのタイミングをどの様にするのかが今回のポイントだった。

かつて東京から一人で北海道に帰ろうとした継美だったけれど
今回実際に北海道から東京にまで一人旅をさせてしまう辺りの
暴挙に近い快挙によって、ドラマを成立させた。

最後に残されていたドラマとは、葉菜が殺害したと思われていた
過去の事件が実際には奈緒の仕業であったこと。
母親を憎んでいた奈緒だけど、実際には自らによって導き出さ
れたものであり、母親の顔を思い出したとする時にそんな記憶
さえも取り戻したのか気になる所だ。

継美との不思議な出会いによって、奈緒と葉菜が引き寄せられた
とする所だが、住んでいる場所を勘案すると、案外継美無しでも
出逢っていたんじゃないかという気がしないでもない。

しかし葉菜にとっては人生を取り戻す最高の舞台が用意され、
まさに冥土のみやげになった事だろう。

葉菜がしてきた逃走劇、そして犯罪者の気持ちを奈緒にも
味わせる事で、不思議な共有感が生まれてきたし、タイトル
にもなる母親という事に関して、深く考えさせられる部分が
有ったと思う。色んなタイプの母子の関係を魅せられる中で
殆ど例外なく、子供に対する執着心に導かれた事はとても
良かったと思う。


鈴原奈緒 …… 松雪泰子 (35、長女)
鈴原芽衣 …… 酒井若菜 (26、次女・結婚を控える)
鈴原果歩 …… 倉科カナ (22、三女)
鈴原籐子 …… 高畑淳子 (55、母)

道木怜南《鈴原継美》 …… 芦田愛菜 (7)
道木仁美 …… 尾野真千子 (29、怜南の母。半ネグレスト状態)
浦上真人 …… 綾野剛 (29、仁美の彼)
木俣耕平 …… 川村陽介 (22、果歩の彼)
袖川珠美 …… 市川実和子 (36、医者)
藤吉駿輔 …… 山本耕史 (33、記者)
望月葉菜 …… 田中裕子 (55、スミレ理髪店)
多田 …… 高橋昌也 (スミレ理髪店・常連客)

宮本裕子、ふくまつみ、結城さなえ、石川裕司、楊詩帆莉
杉田ひより、北村燦來


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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