流れ星
(2010年10月期・フジテレビ月曜21時枠)

脚本:臼井素子、秋山竜平
脚本監修:伴一彦
音楽:井筒昭雄
演出:宮本理江子、石井祐介、並木道子
プロデューサー:中野利幸

http://www.fujitv.co.jp/nagareboshi/index.html



第10話 二人の決断
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梨沙と離婚するとし、健吾は一人警察へと足を運ぶ。
梨沙は勝手に一人で決めるなと言っただろうとし、また私を
一人にするのかと涙する。

入院中のマリアの元に修一が訪れる。
寝ている彼女のクビを締めようとするが、思いとどまり部屋か
ら出て行こうとする。マリアが目が覚めると修一のことを記者
の人なのか?と尋ねる。そうだというと何でもインタビューに
は答えることを告げる。
マリアは兄が梨沙の事を騙して移植手術を受けさせたと告げる。
しかし修一はその割に誇らしげにしているのは何故なのか尋ね
る。私のためにしてくれたことだからと告げると、修一にも
兄妹は居ないのか尋ねる。自分にも妹が居て小さい頃には泣いて
ばかりだったという。ボクが居ないと何も出来なかったとする
と、マリアは微笑み、私の兄ちゃんもそう思っているのだろう
と告げ、兄ちゃんをやるのも大変ですねと語る。今度は兄ちゃん
が困ったときには私が助けると告げると、修一の妹もそんな事
を言っていたと呟く。もうここには来ないとして修一は病室を
出て行く。

梨沙は倒れた為に神谷は病院に連れて行く。
熱があったので点滴しているが体には影響はないという。
神谷は健吾が警察に出頭したことに対して、理解してあげて
欲しいと告げると、梨沙はもう良いと告げ、疲れた事を語る。

梨沙の元に修一から電話が鳴るも出なかった。
神谷が帰宅し消灯時間になると、梨沙は病院から出て行く。
梨沙は携帯にかかってきた留守電を聞くと、修一からだった。
以前梨沙が頼むから死んでくれと言ったことに対して、兄ちゃん
が梨沙にしてあげるのはそれくらいの事だとし、お前が居ない
と兄ちゃんは生きられないと告げ、じゃあなと告げ電話が切れる。
修一はビルから飛び降りてしまう。

一年後、マリアは高校に通い、中断していた美術品が見事美術展
で入選する。配達員のアルバイトをしていた健吾の元にも電話
でその事実が伝わる。

マリアは現在内科医をしている神谷の元に行き、入選した事実
を伝える。神谷は以前学校で作っていた物か?と尋ねると、一年
掛けて作ったものだと語る。一年が経つのがあっという間だ
ったという。

その頃梨沙は、町の
熱帯魚店"AQUA PET JOY"でアルバイトして
いた。大樹という少年が母と共に"ニモ"の水槽を見ていた。
話を聞くと引っ越しした子にプレゼントする約束をしている
のだという。

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梨沙に責任の非が向かない為に健吾は、彼女と別れて警察に
自ら出頭する。
梨沙は健吾と離れ、自殺未遂を図った兄のリハビリに付き添い
ながら、淡々とした生活を繰り返していた。

多少突飛な現実が突きつけられる部分も有ったけど、恋愛部に
於いてはシンプルな構成で、兄妹愛で有ったり家族愛という
凛とした骨太のテーマが存在する中、上手くまとめ上げた話
だった。

無駄にイケメンで無駄に美人な男女のカップルが、常に自分の
気持ちを抑えて行動しており、もどかしさを覚えるものの
そんな遠回りな展開が、何処か納得できる物語だった。
表だって相手に気持ちを伝えられないものの、相手を思いやる
気持ちは至る所に散見していたし、下手に同情的になりすぎず
上手い距離感を保っていたなという感じ。

最終話に残されたものは、どのように再会を果たし、気持ちを
伝えられるのかという事で、梨沙側からはなかなか連絡を
取れないでいる中で、健吾の方から上手く歩み寄り、関係を
まとめていった。そのきっかけを与えて背中を押したのが、
誰でもなく梨沙の兄だった点は、とても興味深い物。

自殺した件とか、警察に捕まった辺りの展開を殆ど描かずに
自然にスルーした辺りも好感が持てるし、最後に延長せずに
描いたことで、変なダラダラ感が無かった。

そして何よりも修一の中の毒素を抜いたのが、妹の立場である
マリアだったという事で、名前負けせず、上手く彼の心を
導いていったなと思う。

岡田健吾 …… 竹野内豊 (37、新江ノ島水族館の飼育員)
槇原梨沙 …… 上戸彩 (26、イメクラで働く)
神谷凌 …… 松田翔太 (28、神奈川県立藤沢大学付属病院・消化器外科の医師)
岡田マリア …… 北乃きい (17、神奈川県立由比ケ浜高校3年生・美術部)
安田瑞希 …… 川口春奈 (17、神奈川県立由比ケ浜高校3年生・美術部)
沢村涼太 …… 桐山照史 (17、病院で入院)
川本千鶴 …… ちすん (32、新江ノ島水族館の飼育員)
中島留美 …… 北川弘美 (29、病院・消化器外科の看護師)
柏原裕也 …… 中川真吾 (27、新江ノ島水族館の飼育員)
川本順二 …… 杉本哲太 (42、新江ノ島水族館の飼育員)
相澤美奈子 …… 板谷由夏 (37、健吾の婚約者)
岡田和子 …… 原田美枝子 (57、健吾とマリアの母)
槇原修一 …… 稲垣吾郎 (35、梨沙の兄)


柏原裕也 …… 中川真吾 (水族館従業員)
熱帯魚店店主 …… キムラ緑子

吉村玉緒、 南好洋、中野順一朗、山口景子、杉本哲太、鈴木福、磯野光沙


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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