ナサケの女 〜国税局査察官〜
(2010年10月期・テレ朝木曜21時枠)

脚本:中園ミホ
演出:松田秀知、田村直己
音楽:荻野清子
企画協力:古賀誠一
プロデューサー:内山聖子、木内麻由美
協力プロデューサー:梅田玲子

http://www.tv-asahi.co.jp/nasake/


第3話 5歳が運ぶ…お受験脱税!?
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小学校に向かうスクールバス。子供たちは歌を歌いながら向か
った先には、
名門・私立京徳学園
子供はランドセルを背負いながら指導者の後について校舎内に
入ると一人の生徒が転んでしまう。ランドセルの中身がこぼれて
しまい中から大金が出てくる。

査察部ではたれ込み情報に関して一つ一つ目を通していく。
私立京徳学園についてたれ込み情報が多く、裏金、裏口入学、
入学には寄付金1千万円かかるなど情報が多いにもかかわらず、
査察部では全く触れていない事を気がつく。
そこには財務省、国税庁の子息・令嬢が多く通っている為に
踏み込めない領域だという。久米もそこは放っておけという。
3年前にも内偵したがダメだという。
松子は一人で資料庫へと足を運び、過去の内偵調査の資料を
見てみる。そこにやってきた新田に対して、何故これだけ証拠
が揃っているにもかかわらずガサ入れしないのか?と問うが、
そこには触るなと言われなかったのか?とし、何故京徳学園に
こだわるのかと逆に尋ねられる。金持ちは嫌いだという松子に
新田はお前も高校時代には
横浜・麗林女学院に2年生の時まで
通っているだろうとし、お嬢様育ちで有ったことを指摘される。

松子は一人で学園を訪ねる。一目施設を見ただけで嫌な金の臭い
がプンプンするという松子。警備員によるとあの建物は情操教育
の為の美術館だというが、明らかに個人の私物だと感じていた。
そこに理事長をしている
門倉要の車がやってくる。
彼女は通せんぼするかのように彼の車の前に立ち、脱税してます
よね?と問う。

松子は同級生で友達の
宮沢百合子と会う。
すると彼女は子供が受験で大変だという。あの学園は15倍の競争
率でお金がかかるという。既に何百万円も投資している為に
諦めきれないとの事。現在
ひだまり塾に通っているが、なんとか
特Aクラスに子供を入れたいという。そこに入れば、合格率は
何故か100%で有ることを聞かされる。

松子は翌日久米に付き合って欲しいと頼む。
彼の娘・
エリカを連れてひだまり塾を訪れる。
そこでは塾長の
春山繁とアシスタントをしている本間が対応
してくれ、色々と入塾に対して説明してくれる。松子は思い切
って特Aクラスに入りたいことを告げるが、定員がいっぱいで
入ることが出来ないといわれる。入塾できるためには金に
糸目はつけないと語る。

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松子は苦情やたれ込み情報の多い名門・私立京徳学園に目を
付け、脱税を暴こうとするが、査察部の職員は皆、これ以上の
調査はすべきではないとして彼女を言いくるめようとする。
しかし一度走ったら止められない彼女は、一人でも不正を暴く
ために奔走する。

今までになかなか手をつけられなかった案件に、今回手を伸ばす
と言うことで、これまでと今回とでは一体何が違うのか。

政財界に精通している人物の圧力を受けながらも、スタンド
プレイに走り、その結果周りが付いてくるというありがちな
もの。
この世界にどっぷりと浸かっているものたちは、被疑者の権力
圧力の大きさや、無理に正義感をふるって突き進んだ結果、
どういう事態に陥るのか理解している事もあって腰が引けて
いる様子。
そんな中で恐れを知れない松子が一刀両断していく所は
爽快感が有るが、どうしても主人公に頼りががちな展開になって
しまう。如何にバランスよく描いていくのかが、ドラマとして
の見せ所。

松子のきっぷのよさと、「踊る大捜査線」時代からの、官僚と
正義感に燃える人たちの間に立って舵取りを行う柳葉敏郎の
対立はとても見応えが有った。

鉄子が説教をたれるというのも、武田鉄矢っぽさが有って
上手く持ち味を出してはいるけど、今回の主張には微妙な
所もあった。ヤンキーたちを純粋だと賞賛していたけど、
店に集まってくる常連はともかくとして、一般的にはやはり
嫌われて当然の所も有るからね。

ドラマではあからさますぎる脱税の方法、塾との癒着の構図
という事も有って、内容自体にはそれほど目に付くところは
無かった気がするが、これまでにも苦汁を飲んできた曽根
たちの恨みが晴らせたという意味では、面白い内容だった。
ネタ的にもう少し上手く構成できれば、最終話に配置しても
面白いシナリオだったかもしれない。

そういえば鉄子らしき人が金を埋めていたり、新田が上層部
に情報を漏らしているシーンが有ったね。新田にしてみれば
ガサ入れの時期を教えたとしても、部下たちは暴いてくれる
との公算が成り立っていたのかも知れないけどね。


松平松子 …… 米倉涼子 (東京国税局・査察部・情報部門)
新田進次 …… 柳葉敏郎 (東京国税局・査察部・査察部長)
三木航 …… 塚本高史 (情報部門・査察官)
犬養一美 …… 飯島直子 (情報部門・主査)
五藤満 …… 鈴木浩介 (情報部門・査察官)
久米四郎 …… 小市慢太郎 (情報部門・チーフ主査)
二宮晶太 …… 夕輝壽太 (情報部門・査察官)
内村ナナ …… 斎藤めぐみ (情報部門)
遠藤幸男 …… 長谷川朝晴 (情報部門)
雨宮賢治 …… 三上真央 (情報部門)
赤川友也 …… 瀬戸康史 (ヤンキー、クリーニング店)
西恭子 …… 鹿沼憂妃 (ヤンキー、クリーニング店)
日野敏八 …… 勝村政信 (総括主査)
曽根六輔 …… 泉谷しげる (情報部門・統括官)
鉄子 …… 武田鉄矢 (おかまバー"鉄子の部屋"のママ)
みどり …… 松川貴弘 (鉄子と働く)

ナレーション …… 津川雅彦

伊藤博幸、神原哲
足立智充、高濱正朋、杉本直人、田所治彦、加瀬尊朗
鈴木アキノフ、浅川稚広、城野マサト、林野健志、田川あゆみ
杉江謙介、山口オン、津村英哲、福井引一、田辺ひかり
是平貴嗣、松崎由香、土谷春陽、野村修一、遠藤史樹
塩崎沙織、黒澤ゆりか、関絵梨


門倉要 …… 石橋蓮司 (私立京徳学園理事)
春山繁 …… 遠山俊也 (ひだまり塾・塾長)
久米エリカ …… 北村燦來 (久米の娘)
吉村茂 …… 佐伯新 (元京徳学園に通わせていた子の親)
宮沢百合子 …… 月船さらら (松子の友人)
本間 …… 阿南敦子 (ひだまり塾)

山崎画大、氏家恵、田中護、加藤裕月、法福法彦、真日龍子
鈴木信明、紺野相龍、小林里乃、金田悠希


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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