黄金の豚 -会計検査庁 特別調査課- (2010年10月期、日テレ水曜22時枠) 脚本：吉田智子 演出：佐藤東弥、南雲聖一 プロデューサー：大倉寛子、内山雅博 シニアチーフクリエイター・プロデューサー：櫨山裕子 http://www.ntv.co.jp/buta/

第1話 税金ドロボー官僚に喝
--------------------------------------------------------
世の中を支配するのは金。あの頃の僕はそんな世の中を変えら
れると信じていた。あの悪に出会うまでは・・・工藤優。

堤芯子は詐欺罪で捕まり、仮出所の身。就職活動する為に保育
園を回るも、経歴が災いし、雇ってくれる所など無い。
仮出所の通達を受ける際に、この期間にはくれぐれも素行に
注意しろと言われ、履歴書の経歴を偽るだけで私文書偽造に
当たると言われていたのである。正直に書いて更生できるか
とつぶやく。そんな彼女の所持金はわずか30円。実家で八百屋
の八百心を経営する母・啄子に電話するも会話する前に切って
しまう。

そんな彼女の前に金持ちだと思われる男性が現れる。
履いている靴は20万円もするベルルッティの靴。早速それを
履く久留米勲にわざとぶつかり、財布を抜き取り、そして喫茶
店で自分の不幸話をして同情させようとするも、久留米はすべて
の事情を知っており、金を奪うことは出来ないぞと言われる。
ばれたと分かると、芯子はテーブルクロスを引き上げて、相手が
ひるんだ隙に喫茶店から出て行く。それを見た久留米は合格だ
とつぶやく。

芯子は実家に戻る。
妹のみぞれは、また黄金の豚の貯金箱を取りに来たのか?と
尋ね、働き口がないならばウチのキャバクラで働かないか?と
スカウトする。そんな芯子の元に、久留米がやってくる。
家族は芯子がまた粗相をしたのではないかと緊張するも、
彼は私の下で働かないか?として名刺を差し出す。
この国では国家予算をむさぼり私腹を肥やしているものが居る
とし、自分はその調査機関に勤めているという。国家予算の
92兆円は国民の血税であり、そんな黄金の豚を守ってほしいと
言われる。

その頃、大島忠と社会福祉庁長官の池之端友一は、密談する。
老人福祉予算は約3兆円。それを私腹を肥やす為の金として
扱っている友一。大島に対して彼が経営する老人ホーム・
アスピラシオングループが建設する25件目の施設に政府から
の補助金の10億円の認可を認めるのだった。

翌日、会計調査庁・特別調査課に二人の新人が入社する。
東大の経済学部出身の工藤優。そしてもう一人は、初の民間出身
で再生屋の異名を持つ久留米勲が推薦する堤芯子だった。
みんなの前で挨拶をする二人。
しかし角松一郎はすぐに顔色が変わる。堤芯子は三年前に彼女
に結婚詐欺に遭い、100万円を盗まれていたのである。上司の
明珍郁夫は角松に二人の教育を指示する。
--------------------------------------------------------

国民の血税を福祉に使うという名目で、多額の金を横領している
社会福祉庁の長官。そんな彼らの不正を暴くために白羽の矢が
立つのは、詐欺師の堤芯子だった。

この世の中、詐欺師が主導して改革させなければならないほど
に、官民癒着が広がり、調査する側にも消極的な姿勢が見られる
という事なのだろうか。
前クールで描かれていた「ハンマーセッション！」の主人公も
似たような設定だった。

芯子という人物が詐欺師としてどの程度の腕を持つのか分から
ないが、型破りな一面と人を欺く能力や相手の心理を読む能力
に長けている事もあって、改革の旗手としての役目を担うことに
なるのだろう。

ただドラマとしてはテンポの良さを優先させた為なのか、いき
なり何の知識もない所に主人公を放り込み、いきなり実践して
手柄を立てさせるという強引さばかりが目立つもので、
ドラマとしては安っぽさばかりが目立つシナリオだった。

調査する部分にはそれなりに時間をかけてほしいものが有るし、
悪役側もこんな単純に尻尾を掴ませる様な安易な展開は、
出来れば再考してほしい所だ。

福祉の嘘と本音を暴く部分に於いて、ニオイがするしないとか
施設の名前が複雑で入居者の事を考えていないとか、こういう
パーツ自体はとても納得させられるものがあるので、もう少し
芯子の活躍する背景などを描いて、芯子というキャラクターの
優秀さを見せてほしい所。

それにしても「ハケンの品格」でおなじみのキャスティング
って感じだね。


堤芯子 …… 篠原涼子 (37、会計調査庁・特別調査課・調査官)
工藤優 …… 岡田将生 (23、特別調査課・調査官補)
角松一郎 …… 大泉洋 (37、特別調査課・主任)
金田鉄男 …… 桐谷健太 (31、特別調査課・調査官)
茶々万史郎 …… 近藤芳正 (特別調査課・検査官)
芦田隆一 …… 山崎大輔 (特別調査課・検査官)
明珍郁夫 …… 生瀬勝久 (45、特別調査課・課長補佐)
久留米勲 …… 宇津井健 (58、特別調査課・検査官)

梅ちゃん …… 矢沢心 (キャバクラ「年増園」)
マリリン …… 能世あんな (キャバクラ「年増園」)
堤啄子 …… もたいまさこ (58、芯子の母)
堤みぞれ …… 山口紗弥加 (32、芯子の妹)

小柳心、三村恭代、吉田桂子、井川哲也、稲葉大助、甲斐秀雄
五位野隆雄、小嶋マコト、関野昌敏、錦田茂仁、比佐仁
藤井宏之、藤本悠輔、吉田宗洋、紺野彩夏、延命杏咲実
木村啓介

阿部亮平、羽柴達也、大島蓉子
須永慶、藏内秀樹、森康子、佐藤裕、戸村美智子、森山米次
加世幸市、奥野匡、辻義人、ヘイデル龍生、小林博
上谷健一

池之端友一 …… 矢島健一 (社会福祉庁・長官)
大島忠 …… 入江雅人 (アスピラシオン代表)
池之端須麻子 …… 角替和枝

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)