黄金の豚 -会計検査庁 特別調査課-
(2010年10月期、日テレ水曜22時枠)

脚本:吉田智子
演出:佐藤東弥、南雲聖一
プロデューサー:大倉寛子、内山雅博
シニアチーフクリエイター・プロデューサー:櫨山裕子

http://www.ntv.co.jp/buta/


第3話 病院蝕む天下りに喝
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財務省次官が救急車で運ばれる。
連れてきたのは独立行政法人・国立高度メディカルセンター。
そこで待っていたのは病院の事務局長を務める国枝公一。
渋滞が嫌で救急車で来たという次官。そんな彼に国枝は、1日
300万円かかる先進医療を無料で行うという。

芯子の家に迎えに来る工藤。公務員でも遅刻や欠勤が多ければ
国家公務員法78条が適用されてクビになることだって有るとし、
迎えに来たのである。

工藤が芯子を迎えに行った事を聞いた一郎は、微妙な心情にな
る。そして工藤に対して、あの女には関わらない方が良いと
忠告し、信じる奴は皆不幸になっていることを告げる。
芯子と一郎は過去に何か有ったのか?と言われたことで、慌てて
それを否定する一郎。

そんな中、明珍から次の調査の案件が告げられる。
独立行政法人・国立高度メディカルセンターだった。
芯子は久留米から呼び出されると、現在そこには2万人の患者が
通院している事を聞かされ、ガン治療に於いては世界屈指の
病院である事を告げられる。しかしそんな病院自体が病魔に
犯されている事を聞かされる。

芯子たちはメディカルセンターへと足を運ぶ。病院ではレジデ
ントばかりが採用されており、院長の桜井昭造の上にも更に
事務局長・国枝公一という存在があることに気がつく。何で
院長の上にもそんな人物が居るのか芯子には、不思議に思う。
そんな中、国枝は桜井から、次官の入院の事実を聞いて問いつめ
られるが、国枝は他の患者とは命の値段が違うことを告げ、
桜井の意見を一蹴する。
そんなやりとりを見ていた芯子は、事務局長は全身がブランド
ものに包まれているのに、院長はサンダル履きである事に更に
違和感を覚える。

書類を調べていく。色々と事務局長に疑問点を尋ねていく。
5年前に病院の建て替えを行っており、国から500億円の借金
を背負っていること。更に病院の個室には1床辺り5千万円という
高額の建設費がかかっていることに違和感を覚える。
連中は一体ここを誰のものだと思っているのか。
特別調査課に戻った芯子たちは、早速上司の茶々から連絡があり
これ以上の調査は辞めておけと言う。しかし明珍が珍しく、
既に実地調査をしている事を告げ、ここは自分に任せて欲しい
という。

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独立行政法人・国立高度メディカルセンターに査察が入る。
芯子たちはセンターを訪れると、本来ある形で存在する院長と
医師・レジデントたちの形が、そこに事務局長なる不可解
な存在がこの病院を支配していることを知る。そして彼らが
全て天下りである事も明らかになっていく。

まぁタイムリーといえばタイムリーなネタで天下りの職員の
為に、病院建設費用は国からの多額の資金援助を受けて設立
するが、その中で働いているものたちは、彼によって酷使され
ており、それに見合うだけの給料をもらっていないことが判明
する。

果たしてこの病院は一体誰のための病院なのかという分かり
やすいネタふりと、官僚達によって食いつぶされている現状が
描かれる話だった。

芯子頼みでなく、今回は工藤を使って展開された所は面白い
部分で、かつての金田と一郎のエピソードと対比し、政治家に
楯突く捜査の流れが決して容易ではないことが描かれる。

ドラマに感情移入させる為か、国枝公一があからさまに政治家
たちにすり寄る姿を見せ、サラ金とかヤクザに例える辺りは
ドラマとして面白かった部分。

ただこういう不正を一話で暴ききるというのは、少々ドラマ性が
希薄化されている原因でもあり、最後に日記などの証拠を突きつ
けるだけで、問題が解決してしまう辺りは、水戸黄門よろしくと
ばかりに印籠を突きつける豪快さとは反面、これだけで
天下りの人物が駆逐されるというのは考えづらいものが有るかな。

結局彼が居なければこの病院の経営は立ちゆかなくなるという
問題を無視して、結論だけを求めてしまう安易なまとめ方だった。


堤芯子 …… 篠原涼子 (37、会計調査庁・特別調査課・調査官)
工藤優 …… 岡田将生 (23、特別調査課・調査官補)
角松一郎 …… 大泉洋 (37、特別調査課・主任)
金田鉄男 …… 桐谷健太 (31、特別調査課・調査官)
茶々万史郎 …… 近藤芳正 (特別調査課・検査官)
芦田隆一 …… 山崎大輔 (特別調査課・検査官)
明珍郁夫 …… 生瀬勝久 (45、特別調査課・課長補佐)
久留米勲 …… 宇津井健 (58、特別調査課・検査官)

梅ちゃん …… 矢沢心 (キャバクラ「年増園」)
マリリン …… 能世あんな (キャバクラ「年増園」)
堤啄子 …… もたいまさこ (58、芯子の母)
堤みぞれ …… 山口紗弥加 (32、芯子の妹)

小柳心、三村恭代、吉田桂子、井川哲也、稲葉大助、甲斐秀雄
五位野隆雄、小嶋マコト、関野昌敏、錦田茂仁、比佐仁
藤井宏之、藤本悠輔、吉田宗洋、紺野彩夏、延命杏咲実
木村啓介

国枝公一 …… 神保悟志 (独立行政法人 国立高度メディカルセンター・事務局長)
桜井昭造 …… 品川徹 (国立高度メディカルセンター・院長)
米森龍太 …… 奥村知史 (レジデント)

間宮祥太朗、田口主将、小杉幸彦、株元英彰
石部雅紀、有山尚宏、山肩重夫、夏井貴浩、松井正樹
石川裕司、北村燦來、土田アシモ、佐藤旭、柳田努、中田優子


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