パンドラII 飢餓列島

脚本:井上由美子
プロデューサ:青木泰憲、小椋久雄
監督:河毛俊作、小林義則
音楽:佐藤直紀

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第6話
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護と吉良は長野の施設で話し合う中、護は吉良から会社の経営
権を奪おうとして、施設内に閉じこめる。飢餓の恐怖を味わっ
てもらうという護。
なかなか時間になっても戻ってこない吉良を心配した大倉は
施設内にやってくると、護が倒れている姿を目撃。しかし護は
すぐに気を取り戻し大倉と話し合う。そして突き放してしまっ
た事を謝罪し、研究を独り占めしようとしたのではなく、コーン
を世の中に普及させたかったことを告げる。しかし理想や夢
だけでは上手くいかなかった事を告げ、大倉の言っていてたこ
とが正しかったと認める。
護は現在吉良を閉じこめている事を告げ、吉良も日本政府も
コーンの技術を利用する事だけを考えていたので、自分が金と
権力を手に入れることにしたという。まだこの研究に愛着が
有るのならば付いてこないかと告げる。

中国人はUSBの中身を解読しようとするが、全く分からずにいた。

周子は詩織の元に行き、吉良に逢わせてくれと求める。彼には
殺人教唆の容疑が掛かっていると告げる。犯罪は想定外の所で
起こるとして、周子は詩織にも過去があることを指摘する。
しかし詩織は、吉良は自分の過去を知りつつ雇ってくれた事を
告げる。

そんな中、二人の元に大倉と護がやってくる。周子に引き取り
を願い、詩織に社長の辞任の書類を用意させて一緒に長野の
施設についてきてもらう。詩織は社長の実筆でないと認められ
ない事を告げ、社長は絶対に書類にサインするような人ではない
と告げる。

その頃太刀川は周子に逢うと、護の過去の事件が書かれた新聞
記事を見せる。そこには母親に見捨てられて4日間飲まず食わず
の少年が餓死寸前だった記事が書かれていた。

長野の施設に戻った護は、吉良に呼びかける。するとあっさり
とサインすることを告げ、辞任届に目の前でサインさせる。

その足でキラーズ社の取締役会を招集し、重役の前で護は、
自分が吉良の変わりに引き継ぐことになったと告げる。
立派な学者だと分かるが経営に関しては素人だとする役員たちの
声に、護はこれまでずっと考えてきたゴッドコーンを使った
経営戦略を説明し始める。今までの株とM&Aで利益を得ていた
会社から地固めをして、これからはゴッドコーンで世界を支配
していくことを告げる。

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ゴードコーンの技術を他人に任せていると、利益ばかりを考え
貧しい人にも行き届かないと知った護は、自分が経営者となっ
て流通を掌握しようと考える。吉良から経営権を奪って、早速
計画を実行し始めるが・・・

遺伝子組み換えのコーンによって脳の萎縮が始まったのならば
共同研究者の大倉にも、そんな症状が出てもおかしくないので
はないかという気がする。

ドラマではUSBの件が全く処理されずに進行してしまう事への
違和感が存在するし、裏の世界に精通している吉良が今後どう
いう行動に出るのか興味の示す所。

周子の役割はやや的を射ていない様にも思え、護の罪が相変わ
らず良く解らない。大倉を殺害してしまったというのならば
まだしも、護自身が犯罪を犯している事は何もなく、周子が
事件解決に向けて強要するのも変な話だ。

吉良がどのくらいの時間監禁されていたのかは分からないが、
ちょっと急に態度を変わりすぎというのやや不自然な描写。
飢えの恐怖は人を変えるというのは分かるけれど、強制して
書かされた辞任書にはどれだけの効力があるのだろうか。

護もまた変わったとする周子のセリフ。
ただ護自身はそれ程変わっていない気がする。

日本政府との関わりはどうなるかと思ったけれど、口うるさく
遺伝子組み換え技術を否定していた農水省の川久保を排除して
いく流れ。ただ皮肉なことに、川久保の唱えていた現実が
正しかったとする結末が、現実との整合性を図る意味でも
ポイントとなるべきことになる。

中国人・温水の存在がまた都合良く出来ており、何故吉良に
対してあれだけ弱さを見せるのだろうか。吉良にはそれだけ
バックに大物が控えているという所なのだろうか?

取りあえず流通前に、遺伝子組み替え技術の問題点が発覚した
事で、護自身がこの計画を終演させるのかどうかが最後に
残された使命なのかも知れない。


鈴木護 …… 佐藤浩市 (農学博士)
八木沢周子 …… 鈴木京香 (警視庁捜査一課・班長)
吉良英彦 …… 勝村政信 (キラーズ社)
太刀川春夫 …… 山本耕史 (毎朝新聞記者)
滝口詩織 …… 水川あさみ (英彦の秘書)
謎の中国人 …… 温水洋一
大倉均 …… 北村有起哉 (護の助手)
平岩徳子 …… 余貴美子 (内閣総理大臣)
武藤忠雄 …… 宅麻伸 (内閣官房長官)
磯田俊介 …… TETSUYA (警視庁捜査一課)
川久保光悦 …… 勝部演之 (農林水産大臣)
今川咲子 …… 霧島れいか (港東大学付属病院)
熊谷治作 …… 半海一晃 (科学研究所)
内海壮太 …… 永倉大輔 (警視庁捜査一課)
水野玲一 …… 小川隆市 (経産大臣)
赤松大作 …… 中平良夫 (外務大臣)

若杉宏二、高澤父母道、池田ヒトシ、加藤忠可、大窪晶
篠木幸一、東海林寿剛、荒井志郎、結城さなえ、伊勢田隆弘


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