パーフェクト・リポート
(2010年10月期・フジテレビ日曜21時枠 新設)

脚本:酒井雅秋(2)(5)(6)(7)(9)、浜田秀哉(1)(3)(4)(8)
小川智子(3)、阿部クミコ(6)、山浦雅大(7)
音楽:林ゆうき
編成企画:太田大
企画統括:瀧山麻土香
プロデュース:森安彩、江森浩子
演出:石川淳一、岩田和行

http://www.fujitv.co.jp/PERFECTREPORT


第9話 絡む二つの事件太陽に隠された真実
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黒井は光輝が11年前の母親殺害の事件当時の記憶が戻ったことを
受け、蒼山にこの事件を遊軍取材班が担当するよう命令を出す。
変わりに掴んだ情報は逐一報告しろという。
太陽のキーホルダーを持っていたという殺人事件の容疑者が、
11年前の事件のその2年前、
足立区女性殺人事件に於いても
同様の目撃証言が得られているという。目撃者は殺害された
伊崎久子の娘で次女の伊崎早苗だという。
蒼山はそれぞれに調査の担当を割り振りし、赤坂に対しては
自分の仕事をするよう告げる。赤坂はそこで初めて、異動が
決まったことをみんなに告げ、まだ実感が沸かない事を語る。

そんな表情を見た黄田は本当にアイツはワシントンに行きたい
のか?と、白石に尋ねる。取りあえず赤坂が望んでいた出世コース
に戻れたので良かったとし、今は目の前の事を追おうと告げる。
奥澤は自分も来月からアナウンス部に復帰することになって
いたが、それを話す暇が無かった。

赤坂と白石は、キーホルダーの件ではなく、
清新町団地
ビルから落下して亡くなった
森山秀明の件を調査する。
清新北高校の制服を着てスケッチブックを持っていた女子生徒
がその場から立ち去ったとの目撃証言を得て、清新北高へと
話を聞きに行く。すると美術部の
麻生瑞貴の事ではないか?
言われる。早速彼女に会いに美術部に行くと、赤坂と白石は
以前に目撃証言を尋ねた女性だった事を知る。この間に知らない
と言ったのは嘘だねと問いつめると、、私はホントに知らない
と告げる。何か思い出したら連絡して欲しいと、赤坂は名刺を
置いていく。

蒼山達は伊崎家に話を聞きに行く。
殺害現場からは引っ越ししていた伊崎家で対応に出たのは、
第一発見者の早苗の姉・
素子だった。早苗は目撃した後、犯人
に後頭部を殴られ気絶したという。現在早苗は事件を忘れよう
として、折角笑顔を取り戻してきたのにぶり返すことは辞めて
欲しいという。しかしそんな中、早苗が戻ってくる。蒼山は
彼女がリストカットした跡を見て、未だに後遺症に悩んでいる
事を実感する。素子によると、当時からマスコミは家の周りに
居て同様のことを何度も尋ねたが、騒いだだけで何をした訳
でもなく、そんなマスコミに期待するものは無いと告げる。

蒼山はこの件を遊軍取材班の中で尋ねていく。
早苗から話を聞いていくべきなのかどうか。黄田はもう一度
聞きに行くべきだとし、奥澤や赤坂は無理にしない方が良いと
告げる。特に赤坂は早苗もPTSDに悩まされているかもしれない
事を指摘し、自分たちは警察ではなくあくまで取材班だと
告げ遺族の傷に触れるべきではない事を語る。しかし黄田は、
人間はそんなに弱い物なのか?とし、人はどんなことでも乗り
越えると信じたい事を語る。

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赤坂のワシントンへの異動が決まり、奥澤のアナウンス部への
復帰が近付く中、光輝が事件当時の記憶を思い出したことで、
事件は一気に解決へと進んでいく。一方赤坂は、自分がやり
残した仕事である丹波代議士の不正献金疑惑を調査すべく、
彼の秘書だった森山の亡くなったときの状況を調査していく。

いよいよ物語も大詰め。
ドラマとしては一本骨太の事件を主柱として、それぞれに抱え
ている事情をぶつけて取材をしていく。

相変わらず刑事ドラマ化してしまうのは、この手のドラマで
有る限り避けられない事だが、警察の調査とはまた違った角度
でドラマが進行しており、上手く差別化が図られていると思う。

刑事と記者の違いは、被害者や関係者とのより深い信頼関係
が築ける事だと思う。
蒼山が長年の間に光輝と築き上げた関係性がもっとも目立つ
事だが、刑事である限り事件解決のために、相手の心に土足
で踏み入れる部分があるにしても、取材チームではその辺の
葛藤を上手く盛り込んでいる。

以前から時々白石が墓参りしている今宮という人物について
気になっていたが、フリーの記者と局員との違いというものを
描き出し、かつて白石が蒼山に反発していた事情も彼の口から
聞き出すことが出来た。

どの人物も抱えて居るであろうトラウマに対して、上手く仕事
を通して乗り越えていく状況が巧みに描かれたと思う。
言うなれば今回は黄田が語っていたように、人はどんな苦難
でも乗り越えられるとする人間の強さみたいなものを実証し、
どんな事で有れ現実から目を背けているウチには、それらが
解決しないことが描かれたのでは無かろうか。

森山の死の真相は意外だったけど、麻生瑞貴の告白は刑事では
なかなか引き出せなかった事なので、それだけでも遊軍取材班
の存在意義を上手く示すことが出来たのだと思う。


蒼山叶 …… 松雪泰子 (38歳、元社会部。)
赤坂衆 …… 小出恵介 (28歳、元政治部)
奥澤緑 …… 相武紗季 (25歳、人気女子アナウンサー)
桃井祐 …… 遠藤雄弥 (25歳、アシスタントディレクター)
紫村健 …… 小柳友 (27歳、カメラアシスタント)
黄田功 …… 要潤 (35歳、報道カメラマン)
白石弘 …… 小日向文世 (49歳、遊軍取材班)
黒井彰 …… 平山浩行 (38歳、ニュース編集部デスク)
蒼山義男 …… 中原丈雄 (叶の父)

梅野知弘 …… 森本亮治 (記者)
笠原秀則 …… 大槻博之 (喫茶店"cafe Maverick"のマスター)
鴨井昌夫 …… 湯沢勉 (遊軍取材班・運転手)
吉崎淳一 …… 若杉宏二 (社会部・記者)
近藤誠二 …… 隈部洋平 (社会部・記者)
小宮 …… 佐伯新 (社会部・記者)

森山秀明 …… 佐藤滋 (丹波代議士の秘書)
森山美代子 …… 霧島れいか (秀明の妻)
澤村成美 …… 中村真知子 (36歳、世田谷主婦殺害事件被害者)
澤村武 …… 矢柴俊博 (妻・成美殺しを疑われる)
澤村武(12歳) …… 渡部駿太
澤村光輝 …… 木村了 (長男、出所)
黄田楓 …… 小西舞優 (黄田の一人娘)
丹波正造 …… 中平良夫 (代議士)


藤堂 …… 小林高鹿 (検事)
山下浩之 …… 小林博 (検事)
麻生瑞貴 …… 山谷花純 (澤村の事故現場にいた女子高生)
伊崎素子 …… 村川絵梨 (姉)
伊崎早苗 …… 小林涼子 (妹)

中村靖日
三浦透子、村上穂乃佳、宇納佑、氏家恵、田所二葉
里中龍児、内田量子、中村容子、小島康志、安部花映
中田博之、後藤英司


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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