Q10 (キュート)
(2010年10月期・日テレ土曜21時枠)

脚本 - 木皿泉
音楽 - 金子隆博、小山絵里奈
プロデューサー - 河野英裕、小泉守
演出 - 狩山俊輔、佐久間紀佳

http://www.ntv.co.jp/Q10


第3話 私はブスじゃない!文化祭でおきた奇跡とQ10の正体
--------------------------------------------------------
体育の授業の前の休み時間。
男子がクラスで着替えをしている中、教室内に体操着を忘れて
いた河合恵美子は困ったとして教室の外にいる。するとQ10が
現れ、取ってきてくれる。
平太はQ10には恥ずかしいことや取り返しの付かない事など
無いのか?と疑問に感じる。

もうすぐ受験が近づく中、学園でも文化祭
"鹿高祭"の開催の日が
やってくる。その前夜祭には、受験祈願として男子は
"天下取り
の舞"
という儀式が行われる事になっていた。昨年、学校で
一番の成績だった堀内は、参加を辞退した為に受験日にインフ
ルエンザにかかったという。

女性陣は男子の体の事について語り合う。一体男子の中で一番
良い体をしているのは誰か?するとQ10は突然平太だけ傷が
有った事を語る。

鹿高祭を平太は前年度、病気を口実に欠席した。
1年生の時に柴田京子とつきあい始めた頃、文化祭の時に彼は
周りの視線が気になってか、突然彼女の手を振り解いてしまっ
た事があった。
文化祭は普段忘れていることを思い出させるという平太。
それは二度と同じ風に吹かれることのないという事。そして
終わると寂しいという現実だった。

平太は親友の久保武彦を尋ねる。
久保からウチの病院には
"夜の看護師"と呼ばれる人物がおり、
8時になると出てくるという。文化祭の日は休んで病院で過ご
そうかなという平太。

京子と学校ですれ違う平太。もうとっくに別れて好きでもない
のに、すれ違う度に苦しくなる思いを感じる彼。この気持ちは
たぶんQ10には分からないだろうと考える。

クラスではミスコンに誰が出場するのか話し合いがなされて
いた。優勝候補の
柴田京子は、既に代表に選ばれる前から服を
購入しているのだという。我がクラス3年B組では一体誰が出場
すべきなのか。生徒の一人が委員長で良いのではないか?と
言ったのをきっかけに、影山も手を挙げて賛同する。
影山は恵美子に会うと、可愛いから手を挙げたと告げるが、
彼女はそんなにバカにされるとはと失望する。

京子は校門で平太が出てくるのをを待っていた。そして平太が
やってくると、もし私がミスコンで一番になったら・・・と
語り始める。しかし途中で話をやめて走り去ってしまう。
それを聞いていた登校拒否生徒の富士野月子は、付き合ってくれ
と言いたかったのではないか?という。平太はもう授業は終わっ
た事を告げると、それを知っていて教室に向かう。普通に行けば
エネルギーにやられちゃうでしょと不思議な言葉を投げかける。

Q10は訪の事に行くと、平太の体にマークが付いていたことを話す。
すると平太が昨年休んだのは、胸の手術の跡を見られるのが
嫌だったのだろうなと語る。中尾はそんな傷が格好良いのにと
呟く。

藤丘が帰宅するところを、
西一馬先輩が話しかける。彼は
藤丘が貧乏であると知って良い金儲けの話があるとし、彼を
仲間に引き留める為に3万円を手渡す。藤丘は中尾たちがそれを
見ているのを知って受け取った金をゴミ箱に捨てるが・・・

--------------------------------------------------------

平太は終わる事の寂しさを体感するのが嫌で、イベントごとに
参加するのを拒否する。過去に一つのミスが取り返しの付かな
い事になった事で、その時の傷が未だに心を痛めていた。

人は傷つくものであり、それを経験することでまた一歩成長する。
傷つくことを恐れるあまりに一歩踏み出せないで居る現実は
現代人として病気であり、誰もが持つ消極的な一面なのかも知れ
ない。

始まる前から終わることを考えている現実がとても切ないもの
だけど、何かのきっかけによって一歩踏み出せるものではない
のかなと思う。それがQ10であるというのがこのドラマの持つ
テーマなんだろうけどね。

今回、平太は恋愛に於ける失敗が存在したし、教師の訪は
自分のミスで甲子園行きを逃した過去が存在する。
西一馬先輩は、かつての栄光とは逆に、落ちぶれてしまってい
る現状がそこには有った。

自信の無さという点では、今回河合恵美子の容姿の問題を巡って
エピソードが構成作られた。
兄弟から心ない言葉で、自信を失わされている事が伺えて、
なんだか気の毒にも感じるけど、人との出会いや関わり合いに
よってそれらを修正させていくという意味では、学園生活という
設定が上手く活かされていると思う。

木皿泉さんのシナリオは若者たちの普遍的な問題を取り上げて
いるけど、独特の世界観が有ってとても癖がある。
出来ればQ10がロボットという特異な設定ではない方が良かった
なと思うけれど、これを否定したらこのドラマの特徴を削ぐこと
になってしまうか。

富士野月子の存在がまた癖があるね。
Q10の事を知って居るみたいだし、何者かと連絡を取り合って
いた所を見ると、Q10は彼女のために作られたものであるのか、
それとも月子自身もロボットであるという設定なのかな。


深井平太 …… 佐藤健 (3年B組在籍)
((幼少期:嘉数一星))
久戸花恋(Q10) …… 前田敦子 (美少女の姿をしたロボット)
山本民子 …… 蓮佛美沙子 (赤髪、ロック)
影山聡 …… 賀来賢人 (お調子者)
藤丘誠 …… 柄本時生 (貧乏で除籍)
河合恵美子 …… 高畑充希 (クラス主席を誇る優等生)
中尾順 …… 細田よしひこ (オタク)
富士野月子 …… 福田麻由子 (ひきこもり)
深井武広 …… 光石研 (平太の父親。)
深井ほなみ …… 西田尚美 (平太の母親。専業主婦。)
深井千秋 …… 松岡璃奈子 (平太の姉)
久保武彦 …… 池松壮亮 (高校2年生)
((幼少期:飛田光里))
小川訪 …… 田中裕二 (平太の担任教師)
小川しげ …… 白石加代子 (訪の母親)
岸本路郎 …… 小野武彦 (校長)
柳栗子 …… 薬師丸ひろ子 (大学教授。専攻は、工学)

3年B組生徒

赤川詩織 …… 米村美咲
伊坂幸次 …… 松島庄汰
土屋シオン
岡崎明日香 …… 岸井ゆきの
榎並巧二
五條拓也 …… 関町知弘
古手川唯 …… 森島緑
小山宙 …… 市山京香
佐野洋 …… 坂口涼太郎
重松良枝 …… 山本麻貴
宗田理花 …… 今泉彩良
滝礼二 …… 白石隼也
松平千里
西村友郎 …… 松澤傑
福島早苗 …… 石橋菜津美
宮沢三郎 …… 鯨井康介
森永康成 …… シュドーズ直矢
吉永文子 …… 前田希美
鷲田一 …… 笠井しげ


柴田京子 …… 西平風香 (かつて平太と付き合っていた)
西一馬 …… 植原卓也 (先輩、かつては陸上の選手)
河合啓介 …… 松永隼 (恵美子の兄)

宮地大介、廻飛呂男
倉本健、村上寿子、篠原孝文、谷端奏人、萩野未菜
夏木優、金井雅明


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system