Q10 (キュート)
(2010年10月期・日テレ土曜21時枠)

脚本 - 木皿泉
音楽 - 金子隆博、小山絵里奈
プロデューサー - 河野英裕、小泉守
演出 - 狩山俊輔、佐久間紀佳

http://www.ntv.co.jp/Q10


第5話 正体がバレた!!ずっと一緒にいたいのに…別れの時
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小川訪は朝から母のしげがQ10に対して何かしているのを目撃
する。何をしているのか尋ねるととQ10の腕が傷つき回路が
むき出しになっているために修理しているのだという。ウチは
自転車屋でありパンク修理ならばお手の物なので簡単に治せる
という。Q10は自分はロボットだと口にするが、表向きは女子
高生だと告げられる。

朝、平太はマミという生徒からクッキーをプレゼントされる。
そんな彼の前にQ10は突然現れ、私は何かな?と尋ねる。
そんなやりとりをしていると中尾がやってきて、先日Q10を見て
いたら腕の下から機械が見えたことを口にする。平太は彼に
誰にも言わないよう告げると、その変わりにQ10をくれないか?
という。
平太はQ10の素性を知る人たちを集めてトランプをしながら相談
する。リセットボタンを押してもらうしかないのか。一応バック
アップが出来るので、記憶がリセットしても大丈夫だという。
平太に対してQ10を自分の者にしておきたいか?という質問に
対してハッキリと答えることが出来ず、それならば中尾にあげれば
良いと告げられる。平太はQ10のボタンを押すのは別に俺でなく
ても良かったんだよなぁと呟き、自分はたまたま押しただけ
だと感じる。しかし今偶然にも存在しているもの全てのものを
失いたくないと感じていた。

愛犬用の香水を手にしていた柳は、校長の岸本に渡す。
愛犬チロの前でその香水を使うと犬は驚き何処かに逃げてしま
う。岸本は色々と探す中、Q10が犬を連れてくる。心臓の音で
気がついたという彼女は、心臓の音は人それぞれ違うのだと
いう。

一方山本民子はすれ違う生徒から陰口をたたかれる。
インターネットの掲示板では彼女は赤目と呼ばれ噂になって
いるのだという。インターネットでの書き込みを確認すると
確かに悪口が書かれていて民子はショックを受ける。

平太はQ10を中尾に引き渡すために、Q10の扱いについて色々
と指導する。一回の充電で17時間動くこと。起動スイッチは
奥歯にあること。平太を見つめるQ10に対して、平太はその場
から立ち去り涙する。それを見ていた柳は平太にポーカー
フェイスが出来ていないわよと言われる。平太は俺さえ我慢す
れば、Q10の事がばれる心配は無いという。柳は真実の
究明のためには何でもやる事を呟く。

そんな中、中尾が平太の元にやってきて、起動した平太でない
とリセットボタンが押せないと言われる。平太はQ10のリセット
ボタンを押そうとするが、自分の居場所は自分で決めて良いと
柳先生から言われた事に感化され、Q10はあげない事を告げる。
中尾は逆上し、ネットにばらすぞと脅すが、勝手にすれば良い
と平太は告げる。

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Q10の正体が中尾にばれる。中尾は平太に事実を内緒にする変わ
りにQ10をくれと要求するが、平太は当初の対応とは逆に、
Q10はあげない事を告げる。

現実的に見てQ10がロボットであり、平太がそんなロボットを
愛する変態だと主張したところで誰が本気で信じるのか?と思う
と共に、どう考えても中尾の方が奇人扱いされるというつっこ
みが存在するが、アニメオタクのちょっとした恐ろしい一面を
見たような気がする内容だった。
自分の欲しいものに対して、手に入れられない現実を目の当た
りにして地団駄を踏む姿は笑えたが、リアクションそのもの
が幼稚で怖いものが有る。

さてドラマとしては、誰もが感じる自分の居場所や自分の存在
感について考察したもの。集団の中に於いては、なかなか自分
の主張というものが貫き通す事が難しい中で、そのモヤモヤ感や
何処に主張すべきか分からない閉塞感が主人公らを悩ませる。

民子はキャラクター上、アウトローに徹していて虐めとか陰口
など、周りの意見に流されるような人ではないと思っていただ
けに、周りの評価を気にする所は意外に思えた。

欲しいものは欲しいとする平太へのメッセージ性も当初から
描かれていたものだし、Q10への扱いを通じて彼女にどんな
気持ちを描いているのかその一端が分かるような内容だった。

生きているという実感が沸かない事に対して、自分の心臓の
音を聞かさせてそれを心の支えとする所など、面白い方法論で
自らを傷付けてそれを実感していくような若者たちに比べて
随分健全な方法だと思う。

Q10が色んな言葉を覚えて話すところも、それだけで楽しいし
期待させるものが有り、Q10の行動ばかりを追い続けて欲しい
と願う気持ちも存在する。

また木皿泉さんらしく夕日の朱い景色が迷走する若者の心を象徴
としていて、とても美しくも有り切なさを覚える。
鉄塔の景色も改めて取り上げるとなかなか絵になるし、やはり
撮り方が上手いなと思う。


素敵な色遣いだ。木皿泉さんのセンスを感じる。


深井平太 …… 佐藤健 (3年B組在籍)
((幼少期:嘉数一星))
久戸花恋(Q10) …… 前田敦子 (美少女の姿をしたロボット)
山本民子 …… 蓮佛美沙子 (赤髪、ロック)
影山聡 …… 賀来賢人 (お調子者)
藤丘誠 …… 柄本時生 (貧乏で除籍)
河合恵美子 …… 高畑充希 (クラス主席を誇る優等生)
中尾順 …… 細田よしひこ (オタク)
富士野月子 …… 福田麻由子 (ひきこもり)
深井武広 …… 光石研 (平太の父親。)
深井ほなみ …… 西田尚美 (平太の母親。専業主婦。)
深井千秋 …… 松岡璃奈子 (平太の姉)
久保武彦 …… 池松壮亮 (高校2年生)
((幼少期:飛田光里))
小川訪 …… 田中裕二 (平太の担任教師)
小川しげ …… 白石加代子 (訪の母親)
岸本路郎 …… 小野武彦 (校長)
柳栗子 …… 薬師丸ひろ子 (大学教授。専攻は、工学)

3年B組生徒

赤川詩織 …… 米村美咲
伊坂幸次 …… 松島庄汰
土屋シオン
岡崎明日香 …… 岸井ゆきの
榎並巧二
五條拓也 …… 関町知弘
古手川唯 …… 森島緑
小山宙 …… 市山京香
佐野洋 …… 坂口涼太郎
重松良枝 …… 山本麻貴
宗田理花 …… 今泉彩良
滝礼二 …… 白石隼也
松平千里
西村友郎 …… 松澤傑
福島早苗 …… 石橋菜津美
宮沢三郎 …… 鯨井康介
森永康成 …… シュドーズ直矢
吉永文子 …… 前田希美
鷲田一 …… 笠井しげ


指出瑞貴、早野薫、石戸香穂、濱田准、小浦愛、羽岡美菜

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