臨場2
(2010年4月期・テレ朝水曜21時枠)

原作:横山秀夫(『臨場』光文社文庫)
脚本:坂田義和(1)(2)、原西兼一(3)(5)、佐伯俊道(4)
監督:藤岡浩二郎(第2シリーズ)、石川一彦(第2シリーズ)
音楽:吉川清之
プロデューサー:佐藤凉一、目黒正之・横塚孝弘


第5話 カウントダウン〜タロが報せた死
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一ノ瀬和之は立原から、一課に来る気は有るかと言われる中、
独居老人の寺西竹夫(72歳)が亡くなったとの臨場要請が入る。

所轄の佐藤と長野刑事が現場を取り仕切っており、倉石たちが
到着するのを待っていた。
倉石は今日は一ノ瀬に仕切らせるという。

早速遺体を見ていく。部屋の灯りは付けっぱなし。自然体で
死亡し外傷もなく、結腸温度から逆算して昨日の午後4時から
6時頃亡くなったという。
すぐに亡くなった竹夫の二人の娘・太田佐知子と江原春恵が
やってくる。父は右足が不自由だったと告げ、いつも10日に一度
くらいはどちらかが電話することになっていたと告げる。高血
圧で糖尿だった事。週に一度はヘルパーに来て貰っている事
を告げる。
竹夫が飼っていた飼い犬のタロと仲良く戯れていた倉石は、
犬が二人の娘に慣れていない事を指摘する。

そんな中一ノ瀬は、死因を衰弱による多臓器不全であることを
告げる。しかし倉石は、何故死ななければならなかったのか。
そしてなんでタロが元気なのかを指摘し、一ノ瀬の見立てに
疑問を投げかける。犬の餌が爪以外のもので開けられている
事、水道の栓が意図的に犬の飲み水のためにひねられている
事などを指摘し、死因には不審ありとの判定を下し、立原を
呼び出すよう告げる。これはあまりにも状況が出来過ぎだと
告げるが、一ノ瀬は見立てに自信がある事を告げる。

一ノ瀬はラボに戻ると小坂に不満を漏らす。
もしかして倉石は自分が一課に異動になるのを知って言いがかり
を付けているのではないかという。しかしそれを聞いた小坂から
は本気で倉石の事をそんな風に思っているのかと叱責される。

やがて竹夫の家からは遺言状が出てきて、不動産等は娘たちが
分け合うことが書かれているが、現金の300万円については
ヘルパーである金森里美が相続する事が書かれていた。それを
知って二人の娘は激怒。警察官も金森のことを調べよと指示する。

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独居老人が亡くなって見つかる。
衰弱死だとする一ノ瀬に待ったを掛ける倉石。
果たしてこの死に隠された真相は如何に!?

殺人とは考えづらい状況の中、検死官が呼ばれる事って有るの
だろうか?とやや腑に落ちない導入部ではあるが、死者の声を
根こそぎ拾うためには面白いエピソードだったのかもしれない。
ただ正直一般受けするようなネタではないかな。

介護の在り方を示唆するものというよりも、家族の関係を描い
たもので、遺言状に残されているヘルパーが相続に名を連ねる
事で、生前亡くなった竹夫とはどんな関係性を築いていたのか
疑っていくことになる。

結果的には自殺だけれど、自殺するに至る原因となったもの
の中に、家族の思い出、そして竹夫の人生の全てを象徴している
家屋の存在を上手く象徴し、末期癌による失望ではなかった所
まで見抜いてしまう検死官の凄さが光った話だった。

副腎皮質ホモルンが検出された涙の脱脂綿を使う辺りは、
ちょっと嘘くささと強引さが有ったけれど、飼い犬の役割を
上手く利用して、人気のお父さん犬カイくんを使った所は
面白いシーンの一つとなった。

これで一ノ瀬は卒業なんですね。
結局彼はきちんと検死を学べたのか、そして倉石に人間性も
理解出来たのだろうか。やや中途半端な卒業試験だった感じも
する。


倉石義男 …… 内野聖陽 (45・鑑識課・検死官)
小坂留美 …… 松下由樹 (38・鑑識課・検死補助官)
立原真澄 …… 高嶋政伸 (45・捜査一課・管理官)
一ノ瀬和之 …… 渡辺大 (32・鑑識課・検死官心得)
小松崎周一 …… 伊武雅刀 (60・刑事部・刑事部長)
坂東治久 …… 隆大介 (52・捜査一課)
五代恵一 …… 益岡徹
江川康平 …… 辻谷嘉真 (31・捜査一課)
早坂真里子 …… 伊藤裕子 (38・雪絵の妹。バー「かくれんぼ」)
西田 …… 小林勝也 (法医学教授)

上川路啓志、八巻博史、おのさなえ、石原茂史、櫻井麻樹
津阪雄一

金森里美 …… 中島ひろ子 (ヘルパー)
寺西竹夫 …… 織本順吉 (独居老人)
太田佐知子 …… 秦由香里 (竹夫の娘)
江原春恵 …… 野口かおる (竹夫の娘)
佐藤 …… 阿南健治 (葛飾南署の刑事)
長野 …… 野元学二 (葛飾南署の刑事)
タロ …… カイくん (竹夫の飼う犬)

おぎのきみえ


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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