臨場2 (2010年4月期・テレ朝水曜21時枠) 原作：横山秀夫（『臨場』光文社文庫） 脚本：坂田義和(1)(2)(6)、原西兼一(3)(5)、佐伯俊道(4) 監督：藤岡浩二郎（第2シリーズ）、石川一彦（第2シリーズ） 音楽：吉川清之 プロデューサー：佐藤凉一、目黒正之・横塚孝弘

第6話 濡れ衣〜ガラス片の中の真実
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府中刑務所からこの日、木崎幸生が出所する。

永嶋武文が鑑識課に赴任してくる。小坂はかつて所轄の警官を
していた彼の姿を思いだす。そんな中臨場要請が入る。
武文は鑑識の経験は無いが一通り勉強はしたという。すぐに
倉石にも連絡が渡り、コーヒーを飲んでいた彼も現場に急行
してくる。

現場では所轄の刑事・福園盛人が待っていた。
被害者は山辺武司(40歳)、指定暴力団・紅竜会の構成員だと
いう。現場には被害者の血痕の中に眼鏡が落ちていた。
背中には無数に殴られた跡が有り、壁に飛び散る飛沫血痕から
当時の被害者の位置が詳細に判明する。
死因は鈍器で後頭部を殴られた事による脳挫傷。死亡推定時刻
は昨晩午後7時から9時だという。
組織犯罪対策四課の城野則夫によると、被害者は対立する組員
とモメていたことから、抗争ではないかという。
しかし倉石は、背後から棒状の鈍器で殴られている事や、倒れた
後にも必要以上に被害者を殴り飛ばしている事から、犯行は
カタギの人だと告げる。

しかし凶器に使われた鈍器は果たしてどんなものなのか。
円筒状で直径4cm。そしてその長さは壁の傷から察するに長い
ものである事が疑われる。更に眼鏡が不自然な形で壊れている
事に疑問を持つ。

その頃、木崎は義兄の塩見謙三と逢う。
元妻の明恵の口座番号をしりたいという彼。僅かだが元妻と
娘のために仕送りをしたいと申し出るが、二度と連絡してくるな
と突き放す。

そんな中、山辺明恵の元に警察から連絡が入る。
夫の武司が殺害されたとの事で遺体の確認をして欲しいとの事。
確かに明恵の夫だった。しかし主人とは一緒に住んでおらず、
夫は金を家庭に入れずむしり取っていた事。更に連れ子である
恵美に暴行していた事を知る。しかし私は事件とは関係ないと
明恵は告げる。
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一ノ瀬が異動になり、鑑識課には新たに永嶋武文がやってくる。
彼は元ヤンキーで刑事達には、札付きもの人物だとして目を
付けられているが、そんな色眼鏡を払拭していくことが出来る
のか。

7年前の事件が、殺人と言うよりも奥さんを守るための正当防衛
じゃないかという気がしないでもないが、それに伴い妻は離れ
て、ヤクザと再婚するという不可思議な設定が目に付く話だった。

犯人は早い段階で想像がつくもので、どの辺に落ち度が存在する
のかがポイントと言えばポイント。
冒頭から眼鏡が強調されていたけれど、現場に散乱するガラス
片の中に証拠となる自らの眼鏡の欠片が存在するために、意図
的にミスディレクションの様な形で証拠を誤魔化すというのは、
時折見られるものだ。

さてドラマとしては、自ら犯した過去の過ちについて、罪は
償えるモノなのかどうかを問うモノだった。

永嶋武文の過去と今回のドラマの主人公となる木崎幸生は互いに
そんな意識が共通して存在する間柄で、過去が重くのし掛かる
役どころだ。
武文が今回そんな過去に縛られやりきれない思いになる訳だけど、
全ては自分がしてきたことの結果であって、そればかりはどう
しようも無い。
倉石が最後に熱く語る通り、気持ちを切り替え人からどう見ら
れようと関係なく、まずは自分がどう生きるのかという事に
繋がっていくのだろう。
周りの視線とは余所に、倉石ならばそんな色眼鏡では見ないと
思うが、この人から評価されるには、また別の意味で難しい
ものがあるからね。

サポート役に徹している小坂にもそろそろ検死の場面で見せ場
を作ってあげても良いような気がする。来週は小坂が見立てを
行うのかな。


倉石義男 …… 内野聖陽 (45・鑑識課・検死官)
小坂留美 …… 松下由樹 (38・鑑識課・検死補助官)
立原真澄 …… 高嶋政伸 (45・捜査一課・管理官)
一ノ瀬和之 …… 渡辺大 (32・鑑識課・検死官心得)
小松崎周一 …… 伊武雅刀 (60・刑事部・刑事部長)
坂東治久 …… 隆大介 (52・捜査一課)
五代恵一 …… 益岡徹
江川康平 …… 辻谷嘉真 (31・捜査一課)
早坂真里子 …… 伊藤裕子 (38・雪絵の妹。バー「かくれんぼ」)
西田 …… 小林勝也 (法医学教授)

上川路啓志、八巻博史、おのさなえ

永嶋武文 …… 平山浩行 (鑑識課・検視補助官)
木崎幸生 …… 甲本雅裕 (殺人犯、出所、明恵の元夫)
城野則夫 …… 北見敏之 (組織犯罪対策四課)
福園盛人 …… 草川祐馬 (刑事)
塩見謙三 …… 菊池均也 (山辺明恵の兄)
山辺明恵 …… 冨樫真 (武司の妻)
山辺恵美 …… 荒川ちか (娘)
山辺武司 …… 土平ドンペイ (紅竜会の構成員、被害者)
桑原芳之 …… 有福正志 (建設現場監督)

浦田佐敏、大橋リエ、徳丸伸二、江藤大我、西山一郎

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)