臨場2
(2010年4月期・テレ朝水曜21時枠)

原作:横山秀夫(『臨場』光文社文庫)
脚本:坂田義和(1)(2)(6)、尾西兼一(3)(5)(7)、佐伯俊道(4)
監督:藤岡浩二郎(第2シリーズ)、石川一彦(第2シリーズ)
音楽:吉川清之
プロデューサー:佐藤凉一、目黒正之・横塚孝弘


第7話 声〜割れた鏡に女性記者の秘密!?
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この日小坂は、太陽文芸社で"週刊太陽"を創刊する編集者の
斎田梨緒から取材を受ける。現在現場で働く女性達の特集を
行っており、是非男の現場で働いている小坂を取材させて欲し
いとの事。

そんな中、臨場要請が入る。
ホテルレーベルの7階。すぐに見立てを行うと、溢血点多数、
皮下出血、首元に指の圧迫痕、爪からはもみ合った際に傷つけ
たと思われる皮膚片が見つかる。手で頸部を強く圧迫して殺害
した所謂扼死だった。ホテルの監視カメラの映像に3時間前に
男性と一緒に入室するのが写っていた。二人は出会い系で知り
合ったもの同士で、被害者は野々宮咲子、加害者は前科3犯の
安藤高一だと判明する。
斎田は被害者が担架に乗らせれ運び出されるのを見て、憎しみ
に近い表情を見せていた。
斎田は小坂に、安藤みたいな男を野放しにしては行けないと
告げ、彼は獣以下だと吐き捨てる。

斎田は早速、週刊太陽に安藤の記事を掲載する。
すると副編集長の井ノ上公平は、記事に対して反響が大きかった
事を告げ、斎田を誉める。しかし斎田の元には、何者かから
"お前みたいな女は消えてなくなれ"と脅迫する電話がかかって
くる。

小坂は再度追加取材を受ける事に了承し、オープンカフェで
待っていると、そこに週刊春秋の編集長・大貫孝と斎田が
タクシーで下りるのを目撃。大貫は彼女をホテルに誘おうと
していたが、斎田は軽く交わしてやってくる。
所詮男性ですからと、小坂は斎田が男性に対して冷めた目で
見ているのを目にする。更に斎田は、ボイスレコーダーを
使って、個人用にうっぷんを晴らす目的で使用しているのを
目にする。

そんな帰りに斎田は安藤によって襲われる。幸い通りかかった
人のお陰で死を免れた。小坂は連絡を受けすぐに杏楓会病院
にいく。斎田から話しを聞くと、男の声で脅迫の電話が有った
事を聞く。斎田の元には井ノ上副編集長もやってきて、この事
を記事にして載せろと告げる。

そんな翌日、警察は斎田の住むマンションを監視していたが、
彼女は部屋の中でナイフに刺されて亡くなるのが発見される。

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男性に対して拒否感を示す斎田梨緒が自宅で亡くなっていた。
見立てでは自他殺不明だとされる事件。果たしてその真相は
如何に!?

ようやく小坂の出番がやってきた。
彼女の立ち位置からすると、新人の教育係で日頃から新人に
厳しく指導している分、あまり不甲斐ない姿を見せられないだろ
うし、倉石からはまだ教わる身である分、倉石以上の見立ては
出来無いだろう。倉石が"オレのとは違う"と小坂に対して
言わねばならないドラマなだけに、その辺のバランスをどう
描いていくのか。

刑事の一ノ瀬の使い方が絶妙で、鑑識課よりも彼は刑事の役割
の方が合っていると思う。

二つの事件を登場させ、一方は素人でも分かるような案件で
もう一方はちょっと癖のある事件だった。

常に男性に向けられているであろう敵意が上手く彼女の本心を
覆い被しており、彼女に降り掛かる現実とは余所に、彼女が
何を思っているのかが分かりづらいものが有った。

男性を恨むに至った過去が有るであろう事は誰の目に見ても
明らかだったが、実際にはその非を他人に向けているのでは
なく、自分に向けているというのだからまたドラマとしては
複雑なものがある。

この微妙なニュアンスの違いをあれだけの情報で読み解く事は
出来るだろうかという疑問がなきにしもあらずだが、自殺で
あろうことは想像は出来た。ただ壁に向かってナイフで突っ込
んで行ったけど、厳密に言えば血が壁に付着するだろうね。


倉石義男 …… 内野聖陽 (45・鑑識課・検死官)
小坂留美 …… 松下由樹 (38・鑑識課・検死補助官)
立原真澄 …… 高嶋政伸 (45・捜査一課・管理官)
一ノ瀬和之 …… 渡辺大 (32・鑑識課・検死官心得)
小松崎周一 …… 伊武雅刀 (60・刑事部・刑事部長)
坂東治久 …… 隆大介 (52・捜査一課)
五代恵一 …… 益岡徹
江川康平 …… 辻谷嘉真 (31・捜査一課)
早坂真里子 …… 伊藤裕子 (38・雪絵の妹。バー「かくれんぼ」)
西田 …… 小林勝也 (法医学教授)
永嶋武文 …… 平山浩行 (鑑識課・検視補助官)

上川路啓志、八巻博史、おのさなえ

斎田梨緒 …… 前田愛 (太陽文芸社、"週刊太陽"編集)
井ノ上公平 …… 松澤一之 ("週刊太陽"副編集長)
大貫孝 …… 清水明彦 ("週刊春秋"の編集長)
安藤高一 …… 高橋克明 (犯人、前科3)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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