セカンドバージン
(2010年10月期・NHK火曜22時枠)

脚本/大石静
音楽:梅林茂
演出:黒崎博、柳川強
制作統括:田村文孝

http://www.nhk.or.jp/drama/secondvirgin/


第1話 不実な指
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中村るいは、版権を取るためにシンガポールに来ていた。
本社の社長・向井肇に契約が取れた事を報告していると、交差
点ですれ違う男性が彼女の知人であることを気がつく。
彼は男によって車に乗せられた為に、るいもすぐにタクシーで
彼を追い掛ける。人の居ない脇道に入っていくと、男は柄の
悪い男たちに取り囲まれていた。
るいは彼に鈴木さんではないか?と声を掛けると、鈴木は隙を
見てその場から逃げようとする。しかし柄の悪い男たちによって
銃で撃たれてしまう。

鈴木行は金融庁企画局で働いていた。上司で課長の高城に対し
て、株の取引と商品の取引を統合化し、経産省主導ではなく
金融庁で一括管理するという政策を推し進めようと訴えるが、
確かに正しいことだが、それが実行出来ることとは違うと一蹴
される。

中村るいは出版社で働く女性だった。
この日も部下の坂口の企画に対して、出版は博打である事を
告げ推し進めろと指示する。社員がイマイチやる気の無い姿に
頭を抱える彼女は、社長の向井肇に愚痴を告げる。向井はそろ
そろこの出版社・新海社も上場してはどうか?とするが、るい
はそれを否定する。上場すれば自分たちが主導して仕事が出来
なくなるからだった。

るいの今夜の予定は、金融庁の那須田の自宅でのワイン会。
那須田の妻・由紀子とは友人だった。るいがワイン会へ出席
すると、そこで那須田のお気に入りだとする部下の鈴木行を
紹介される。彼は日本の金融市場をグローバル化したいと考えて
いた。現在の日本は株とコモディティーが同じ口座で取引でき
ず、金融の世界では後進国であるという。るいは話を聞いて
納得するも、官僚はウソツキだからねとして告げる。取りあえ
ずそんな考えを実現するには、金融庁と経済産業省の垣根を
取り払わない限り無理だという。遠からず実現させる
という鈴木は野心に燃えていたが、現在の金融庁の上司は
消極的で失望し、辞めることも辞さないという。るいはその割に
局長の家に来ている貴方も変だと告げる。るいは鈴木の姿を
見て、ウチの社員もこれくらい戦闘的な人が欲しいと告げる。

るいは坂口に頼み、鈴木行について調査して貰う。
そして彼は今の職場を辞めたがっているので、彼に接触し、
金融庁の内幕を暴露する本を書かせろと告げる。

鈴木は課長の高城に辞表を出すが、この件はもう少し待って
くれと言われ、辞表を突き返される。
そんな鈴木にるいは接触し、食事に誘う。
彼の食いっぷりの良さ、そして指先の繊細で綺麗な様子に
目を奪われる。金融庁を辞めるならば本を書かないか?と告げ
るが、役所の悪口を書くつもりはないと言われる。どうせ
100万部売れても1億円程度でしょう?と告げる鈴木に、金融庁
を辞めれば社会的信用を得られない事を告げ、世間からの信頼
を得るには本を書いて認知される事だと告げる。いつでも話
を聞くので電話してくれとし、電話番号を置いていくるい。

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日本の経済を立て直そうとする金融庁の官僚の鈴木と、出版業
を営みキャリアウーマンとして一人奮闘する女性・中村の
17歳の年の差の恋愛模様。
年下の鈴木には、中村の求めるスピリッツが存在し、そんな彼
を求めていく。

政治や経済を絡めていくところは如何にもNHKのドラマといった
感じがするが、恋愛ドラマを楽しみたい人にとってはやや気難
かしき内容が含まれているのかなという印象だった。

鈴木の求めている女性とは、家庭的な人でも資産家の令嬢でも
なく、仕事に於いて互いに切磋琢磨出来る人と行った感じ
なのだろうか。

引っ越ししていたけれど、これが意図的なものなのか否か。
恋愛として見れば体の良い物ではあるが、それが意図しての
事ならば、中村家の近くに引っ越して来た事でちょっと引く
モノが有る。

早くも恋愛的駆け引きの様相で、出版社の人間らしく、中村
は饒舌なところがあり、言葉に年上らしき重みが存在するし、
鈴木の方は若さ故にストレートにぶつかってくる所がある。
連絡を取ったり取らなかったりする辺りは、中村側にとって
は相手の心を揺り動かす為の作戦なのだろうか。

家庭を築くための恋愛というよりも、人生をより豊かにする
為の関係という感じだけど、深田恭子という人物が居ながら
も浮気出来るという辺りは少々個人的には説得力を感じなか
った。
中村側には息子がいるみたいだし、そんな彼がどう彼女の
人生に足を引っ張りかき乱してくれるのか。


新海美冬 …… 深田恭子 (資産家の娘で妻)
中村るい …… 鈴木京香 (45歳、新海社専務)
鈴木行 …… 長谷川博己 (28歳、金融庁のキャリア)
山田梨恵 …… 田丸麻紀
向井肇 …… 段田安則 (出版社・新海社・社長)
眞垣秀月 …… 草笛光子 (文壇の重鎮)
愛子 …… YOU (パンクバンドのボーカル、亮の恋人)
中村亮 …… 綾野剛 (音楽活動、るいの息子)
秋夫ウィリアム・ターナー …… 布施明 (医者・小説家)

高城課長 …… 井上浩 (金融庁)
那須田局長 …… 北見敏之 (金融庁)
那須田由紀子 …… 山村美智 (妻)
坂口貴浩 …… 橋本一郎 (新海社)
工藤渚 …… 小野かおり (新海社)
児玉琢己 …… 小木茂光 (BARの店主)
小岩井加奈 …… 森脇英理子 (新海社)

東條織江、酒元信行、氏家拓朗、松澤孝広、西野大作
日中泰景、石川誠、栃原梨乃、ジミー・ロウ、ウィルソン・ウン
アンドリュー・ミクグワイア、フレデリック・ピルグラム
中平良夫、大林奈津子、宮原沙樹、白濱孝次、竹本和正
神龍宏夢


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