セカンドバージン
(2010年10月期・NHK火曜22時枠)

脚本/大石静
音楽:梅林茂
演出:黒崎博、柳川強
制作統括:田村文孝

http://www.nhk.or.jp/drama/secondvirgin/


第3話 正直な体
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盲腸で入院した社長・向井肇の変わりにチェン・ファーレー監
督をインタビューするためにシンガポールに渡ったるい。
ホテルの部屋に戻ると彼女宛に花が届いている事が分かる。
それと同時に入り口のドアがノックされ出てみると、なんと
日本にいるはずの行が居た。ロビーでインタビューしている
貴方の姿を見たという行。るいは出張するとは聞いていたが
まさかシンガポールだったとはと驚きの声を上げる。しかも
同じホテルに泊まっている事は単なる偶然なのか。
行は下のBARで飲まないか?と誘い、無理ならば良いという。
自分は201号室に泊まっているとしてメモを残して彼は去ってい
く。彼女は少し考えた後、彼に電話し、改めてBARで待ち合わせ
することにする。

人生には不思議なことが起こるものねとし、シンガポールで
鉢会ったを語る。行はインタビューしているるいの姿は、
天井から光が差し込んでいて映画のワンシーンの様だったと
いう。今まで目標達成のために生きてきたという行。大学時代
に金融ビッグバンを経験しのめり込んで以来、それ以上に面白
い事が無くなったという。女性を心から隙だと思ったのは初めて
だという。自分も経験の無いことをしようとしている事に恐れて
いる事を告げる。そんな行に対して、るいはもし貴方と恋に
落ちたら、貴方の家庭はどうなるのか?と問い、恋とは何なのか
と尋ねる。そして私は決して振り回されることなく、貴方の前
で服を脱ぐ気は無いことを告げる。都合の良い女になるなんて
私の誇りが許さないというるい。お花をありがとうと告げ、
彼女はBARから去っていく。

部屋に戻ったるいにチェン・ファーレー監督から電話が鳴る。
これから会えないか?というもの。
監督に会うと、メディアには過去ひどい目に遭わされて来たこと
を告げ、先ほどの質問に答えられなかったという。不自由さへ
の挑戦、人間を描くのに性的表現は必要不可欠である事を
告げ、それが先ほどの質問の答えとばかりに語る。監督はるい
を見て貴方も戦っているのだろう?と告げ、どんな不自由な状況
でも真実を求める様告げられる。

そんな監督の言葉にるいは201号室を尋ねると行と会い、一夜の
関係を持つ。

翌日には二人でシンガポールの町をデートして回る。
靴を買い、料理を食べて、そしてふと町に佇む盲目の占い師
の店に立ち寄る。その占い師によると、行は日本を出る事に
よって難しい事態になると言われる。二人の行く末は別れに
向かうとされると、絶対に信用しないと告げる。
しかしるいは、日本に戻ったらいつもの私に戻る事を呟き、
このまま関係を続けても苦しくなるのは私の方だと考える。

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るいと行は出張先のシンガポールで関係を持つ。
そんな中、帰国するとるいは万理江から相談を持ちかけられる。
夫に子作りの件に於いて説得して欲しいというもの。
万理江と共にやってきた夫は、るいがよく知る行の事だった。

こういうドラマの展開はありがちだが、NHKらしく盛り上げ方
が少々簡素なものがある。
韓国ドラマならばシンガポールでの一件など、相当ドラマチック
に描かれるものだが、何というか演出が地味すぎる為に、
主人公の状況が幸せでも不幸でも淡々としすぎている。

年齢差というものを色んな所で感じる様な演出であり、ドラマ
ではこの恋は難しいものである事を示唆するところばかりで
有るが、問題である鈴木夫婦に於いて行は、本当に離婚という
選択を取るのかどうか。

やはり万理江演じる深田恭子が魅力的に映ることもあって、
彼女の色んな態度に注視したくなるが、エリート意識の有る
人たちにとっては、万理江の様な存在は野暮ったく写るのだろ
うか。
彼女がるいの職場まで来て彼に説得して欲しいとした所には
少々常軌を逸していた部分も有るような気がするけど、何も
持ち合わせていない彼女にしてみれば、彼との子供を持つこと
で安心感を得られるのかな。

卵巣には頑張って欲しいという医師は、美を保つために女性
ホルモンの分泌を促しているのだろうか。生理と閉経に対する
女性の気持ちは分からないけれど、彼女くらいのキャリアの
有る女性だと閉経を求めている一面も無いのだろうか。


鈴木万理江 …… 深田恭子 (資産家の娘で妻)
中村るい …… 鈴木京香 (45歳、新海社専務)
鈴木行 …… 長谷川博己 (28歳、金融庁のキャリア)
山田梨恵 …… 田丸麻紀 (新海社)
向井肇 …… 段田安則 (出版社・新海社・社長)
眞垣秀月 …… 草笛光子 (文壇の重鎮)
愛子 …… YOU (パンクバンドのボーカル、亮の恋人)
中村亮 …… 綾野剛 (音楽活動、るいの息子)
秋夫ウィリアム・ターナー …… 布施明 (医者・小説家)

坂口貴浩 …… 橋本一郎 (新海社)
工藤渚 …… 小野かおり (新海社)
児玉琢己 …… 小木茂光 (BARの店主)
小岩井加奈 …… 森脇英理子 (新海社)
チェン・ファーレー …… ジェラルド・チュウ

東條織江、酒元信行、氏家拓朗、松澤孝広、西野大作
日中泰景、石川誠、栃原梨乃
アンドリュー・ミクグワイア、フレデリック・ピルグラム

占い師 …… ワンレイ
医師 …… 阿部朋子


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