セカンドバージン
(2010年10月期・NHK火曜22時枠)

脚本/大石静
音楽:梅林茂
演出:黒崎博、柳川強
制作統括:田村文孝

http://www.nhk.or.jp/drama/secondvirgin/


第4話 二番目の女〜離婚拒絶妻の抵抗
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行はるいに対して、今夜万理江に話す事を告げる。
これはるいのせいではなく、自分の意志で選びたいのだと告げる。
彼女はボクを選んだと言うよりも、肩書きを好いているのだと
いう。自分も万理江は見た目もよく、実家が資産家であり、
そのまま相手を紹介されて結婚してしまったが、二人に接点は
一切無いという。赤ちゃんが欲しいとしたときには、彼女なりに
接点を持とうとしてくれた事に、自分も努力したが、このまま
関係を続けても誰も幸せにはなれないという。離婚が簡単では
ないのは若ねが、ボクが
必要なのはるいだという。
諦めることなく
ボクを信じて待って欲しいと告げる。

そんな中、犬の散歩のアルバイトをしている万理江が、偶然
二人の前に現れる。万理江はるいと何を話していたのか気に
なり尋ねるも、出版のことだと告げる。
るいは夫婦二人の姿を見て、
私はあの人を独り占めしていいのか?
と自分に問うのだった。

行は家に帰ると万理江に別れて欲しい事を告げる。
しかし万理江は何でそんなことを言うのか全く分からないと
いう。万理江は俺のことには一切興味がないだろうと告げると、
行のしていることは難しすぎて私には理解できないという。
自分はバカだからしょうがないという万理江に対して、自ら
バカだと告げる所に開き直っているようにしか見えないという。
これ以上一緒にいても意味がないとするが、万理江は行の事を
愛しているという。少しは合わないところも有るけれど、行も
私のことを愛してくれているのでしょう?と問う。
万理江は行にメールの中に、別れを告げる直接の原因が有るの
だとして、行の携帯電話を取り出し、暗証番号は何か?と尋ねる。
番号を教えてくれないと死ぬという万理江。絶対に見られては
困るメールが有るんでしょうとし、万理江は激高して思わず
携帯を投げつけてしまう。二人の生活が壊れることを考えれば
携帯が壊れる事など別に良いでしょうという万理江。
そんな万理江は突然包丁を持ち出してくる。

一方るいは、行の言った言葉を信じてひたすら待っていた。
世間知らずの若妻を絶望に落としても良いのかと自らに問う。
しかし同情は欺瞞そのものだと感じる。もう誰かを愛すること
など無いと思っていたが、行との関係にどうすべきか迷って
いた。

万理江は包丁を手にしながら、死んで欲しくないならば一緒に
いてという。万理江は突然実家の母・
文江に電話すると、夫婦
げんかの一部始終を文江に聞かせる。万理江は母に行が離婚
するというからこれから死ぬと告げ、一生死ぬまで一緒に居る
のかと行に問う。答えあぐねていると、万理江は包丁で手首を
切るのだった。

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行はるいとの関係を進展させる為に、万理江に離婚を申し立て
る。しかし万理江は、包丁を持ち出したり、実家の親に電話
したりして、援軍を求めてなんとか離婚を阻止しようとする。
そしてついには、るい自身に相談を持ちかけてくるのだが・・

じわじわっとドラマが面白く動き始めた。
正直前回までの地味な展開は、少々退屈な思いがしていたが、
やはり離婚話で互いの意見をぶつけ合うとドラマとしては
盛り上がる。

今回は有る意味るいと行だけでなく、それ以外の周りの人物の
良さが描かれていた。
その中でもやはり万理江の存在は別格で、怒ったり泣いたり、
そして次の瞬間には甘えたりする彼女の色んな表情の中に、
彼女の性格が見られて興味深かったと思う。

るいにしてみれば、今回誰と会ってみても自分と行の年齢さを
意識せざるを得ないものばかりが存在していて、彼女の中で
この恋を成就させるべきかどうかで常に深い自問を与えていた。

中年の社長の意外な一面で有ったり、年相応の恋愛相手である
秋夫との出会い。
そして落ち込んでいる時に、何気にやってくる愛子の存在は
るいを励ますのに値するだけの楽天的な性格の裏に潜む彼女
の懐の深さみたいなものを感じることが出来た。やはり横須賀
ピストルズの時にカリスマ性を発揮していたという設定が上手く
生きているかなと。

深田恭子さんの長崎弁もなかなか萌え要素が有ったし、
鈴木京香さんが幾ら魅力的な女性であれ、深田恭子に離婚を突
きつけるというのは、個人的には無理だと叫ばずには居られな
かった。

案外万理江は何も考えていないように見えて、無鉄砲さ故の
猪突猛進型な所が有るし、意外な策士っぷりも見せてくれそう。


鈴木万理江 …… 深田恭子 (資産家の娘で妻)
中村るい …… 鈴木京香 (45歳、新海社専務)
鈴木行 …… 長谷川博己 (28歳、金融庁のキャリア)
山田梨恵 …… 田丸麻紀 (新海社)
向井肇 …… 段田安則 (出版社・新海社・社長)
眞垣秀月 …… 草笛光子 (文壇の重鎮)
愛子 …… YOU (パンクバンドのボーカル、亮の恋人)
中村亮 …… 綾野剛 (音楽活動、るいの息子)
秋夫ウィリアム・ターナー …… 布施明 (医者・小説家)

坂口貴浩 …… 橋本一郎 (新海社)
工藤渚 …… 小野かおり (新海社)
児玉琢己 …… 小木茂光 (BARの店主)
小岩井加奈 …… 森脇英理子 (新海社)

東條織江、酒元信行、氏家拓朗、松澤孝広、西野大作
日中泰景、石川誠、栃原梨乃
アンドリュー・ミクグワイア、フレデリック・ピルグラム


三沢賢吉 …… 石田太郎 (万理江の父)
三沢文江 …… 朝加真由美 (万理江の母)

長田涼子、平田康之、清水伸


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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