セカンドバージン
(2010年10月期・NHK火曜22時枠)

脚本/大石静
音楽:梅林茂
演出:黒崎博、柳川強
制作統括:田村文孝

http://www.nhk.or.jp/drama/secondvirgin/


第8話 愛しているのは私
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行とるいの関係が週刊誌に取り上げられるだけでなく、東京地
検は
モンディアーレ証券に金融取引法違反で査察が入る。
行も地検から任意同行を求められる。

問題は若林会長が所有する資金管理会社を買収したことで、
同時に
コモン証券の株式の51%を取得することになるというのが
金融取引法に接触するものだった。
通常株式の1/3を取得する際
にはTOB(公開買い付け)を行わねば成らず
、マネー証券とのTOB
合戦になるのを避けたのだろう事が疑われた。
検事の前で行は、決して法令には接触していないとするが、
検察側は既に行と弁護士の柏木とのやりとりされたメールを
押さえており、違法性を認めつつも取引を行っている事が問題視
された。

総務部の井川は社長の肇元に行くと、暫くるいを休養してもら
った方が良いのではないか?と告げる。部内では彼女のせいで
浮き足立っているとすると、肇はこのくらいのことは面白がる
くらいの感覚がなければダメだとし、上司ならば部下をしっかり
守るよう告げる。

万理江は検察庁に行くとるいの姿が有るのを見て声を掛ける。
主人と会いたいのか?と尋ねる万理江。彼女は行はるいと出会って
から変になっていったのだとし、そんな中で神様が逮捕して、
二人を引き離させてくれたのだと告げる。拘置所には妻で無い
と決して入れない事を語り、自分の優位性を誇示する万理江。

行は検察にメールの内容が漏れている事を弁護士の柏木に
告げる。一体資金管理会社取得に関して、誰が情報を漏らした
のかと問う。るいには話したが、まさか彼女がそんな事をする
はずはないと考える。

バー"たくみ"で肇はパートナーの児玉琢己と語り合う。
行は仕事にも恋にも焦っていたのだろうと告げる。
琢己は、行が逮捕される程のことをしたとは思えない事を告げる
と、肇は丁寧に今回の件を説明する。

るいは帰宅しようとすると、彼女が宿泊しているホテルには
マスコミが殺到していた。そんな彼女の元に愛子から電話が
鳴る。愛子はおにぎりの差し入れに来たとすると、現在ホテル
には帰れそうにないという。レタルが腹を空かせていないか
心配だとすると、愛子がレタスを連れてくると告げる。

るいと愛子は二人で彼女のアパートにいく。
愛子は亮と別れていた。その事実を知ってるいは亮の事を馬鹿
だと呟く。彼はるいの事を行に取られたことで、年上である私
の事を憎くなったのだろうという。彼は母親であるるいの事を
求めていたとし、腕に有るマリアのタトゥーは母親を求めている
証拠だという。彼はるいに愛されずに育ったと思っており、
自分も他人を愛せなくなったみたいだと語る。愛子は潮時だった
事を告げるが、るいと行は諦めることは無いと告げる。

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行が逮捕された事で、拘置所の外では、彼を愛する女性達の静
かなる戦いが起こる。
正妻と愛人、その戦いを制するのは果たしてどちらなのか。

塀の内と外の温度差は、どれだけ互いの心に歪みを生むのか。
これまであれだけ彼女に対して訴えかけてきた行は、何故彼女
の存在を無視するのか。

るいが密告している可能性が無きにしも非ずという事で、行は
るいに対する不信感が生まれているのかどうか気になる所。

肇と琢己の関係と、るいと愛子の関係が面白く同性同士の関係
を浮かび上がらせて、複雑な男女の関係とは余所に気軽な
同性間に関係の良さを描き出した。愛子と別れた亮を馬鹿な子
だとしたるいだけど、今回はその一端である愛子の良さを感じる
ものだった。

意外に感じたのは、万理江があっさりと自分が行の事を売った
事を話してしまった事かな。

金融商品取引法に於ける解釈の違い、法律上の盲点を指摘する
辺りも面白いやりとりでは有ったけど、恋愛模様・泥沼劇を
楽しみにしている人には、少々野暮ったい物があるのかも知れ
ない。

秀月先生が口を挟んでくる辺りは少々強引な感じもするんだけ
ど、この先秋夫も含めて再び展開上絡んでくることは有るのだ
ろうか。

そして万理江の自宅の中身が撤去されているというのは、
引き払って長崎で行を待っているという意味なのだろうか?


鈴木万理江 …… 深田恭子 (資産家の娘で妻)
中村るい …… 鈴木京香 (45歳、新海社専務)
鈴木行 …… 長谷川博己 (28歳、金融庁のキャリア)
山田梨恵 …… 田丸麻紀 (新海社)
向井肇 …… 段田安則 (出版社・新海社・社長)
眞垣秀月 …… 草笛光子 (文壇の重鎮)
愛子 …… YOU (パンクバンドのボーカル、亮の恋人)
中村亮 …… 綾野剛 (音楽活動、るいの息子)
秋夫ウィリアム・ターナー …… 布施明 (医者・小説家)

坂口貴浩 …… 橋本一郎 (新海社)
工藤渚 …… 小野かおり (新海社)
児玉琢己 …… 小木茂光 (BAR"たくみ"の店主)
小岩井加奈 …… 森脇英理子 (新海社)

東條織江、酒元信行、氏家拓朗、松澤孝広、西野大作
日中泰景、石川誠、栃原梨乃、山本卓也、玉井雅子
アンドリュー・ミクグワイア、マーク・アードマン


三沢文江 …… 朝加真由美 (万理江の母)
三沢賢吉 …… 石田太郎 (万理江の父)
井川 …… 佐戸井けん太 (総務部長)
東京地検 …… 山中敦史
記者 …… 佐野元哉
検事 …… 吉見一豊

江越彬紀


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