セカンドバージン
(2010年10月期・NHK火曜22時枠)

脚本/大石静
音楽:梅林茂
演出:黒崎博、柳川強
制作統括:田村文孝

http://www.nhk.or.jp/drama/secondvirgin/


第9話 最後の一夜
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行は金融取引法違反で捕まる。主人を検察に売ったのは私だと
万理江に言われたるい。
行は仮釈放されると、拘置所の外で待っていたるいを無視して
自宅へと戻る。しかし万理江は既に荷物を引き上げて実家に帰
っていた。途方に暮れる行に対して、るいは私と一緒に生きて
欲しいと告げ彼を自宅に連れて行く。

るいは行の為に朝食を用意し、会社へと向かう。
彼女は会社で社長の肇から、女性誌創刊を考えており、その
雑誌の責任者を担当して欲しいと頼まれる。るいの逆境の強さ
を知っている肇は、この仕事を成功させたら役員に戻すという。
準備期間は半年で、スタッフは全てるいに任せるという。
雑誌は手がけたことがないとするるいに対して、るいならば
出来ると語る。

行は
コモン証券の会長・若森の元に行き、今回の件で謝罪する。
若森は君の夢にかけた結果敗れたという事だとし、これからの
身の振り方を尋ねると、行は金商法違反の罪は認めるつもりで
有り、執行猶予が確定したら新しいファンドを立ち上げる事を
語る。しかし若森は自分はもう力は貸せないとし、それでも
頑張る様声を掛ける。

るいは帰宅すると行はソファーで寝ていた。

その頃長崎の三沢家では、父・賢吉は実家に戻ってきた万理江
に対して、もう離婚したらどうか?と告げる。しかし万理江は
それを否定し二人を自由にさせたくはないという。何より彼ら
よりも幸せを掴まないことには話にならないとし、万理江は
父に行に投資する予定だった金を自分に投資してくれないか?
と頼む。自分には何も出来ないと思っているでしょう?と尋ねる
万理江は、例え親でも私を馬鹿にする人間は許さないと告げる。
万理江は
ペットの体に優しい自然食品の会社を立ち上げたい事
を語りる。意外にもしっかりとした計画を立てている万理江に
対して、父も研究所でこの一件は調べてみる事を約束する。

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行は仮出所する事になるが、かつて自信に満ちあふれていた時
の自分とは違い、現在のるいとの境遇の違いから、彼女の存在
がまぶしく写ることで、思わず彼女から目を背けようとしていた。
執行猶予付きの判決が出るも、一度犯した罪の大きさを実感
していくことになる。

シンガポールロケにはどんな意味があるんだ?と思ったけど、
最後にこう繋がる為に有ったのねと感心するものが有った。
一話の冒頭でこんな展開だった事をすっかりと忘れていたな。

男性はプライドで生きているような者なので、どうしても今の
状況は受け入れられず、聡明な人ほど今の状況には耐えられない
ものが有るのかも知れない。

拘置所から出てきた時にるいを無視した件とか、拘置所内で
定期的に送られてくるるいの手紙に目を通せずにいた辺りも
なんとなく分かる気がする。

るいは相変わらずたくましく、新しい分野での舵取りもすぐに
軌道に乗せてしまう。その裏で行との関係に対しては逆に、
不安で怯えているのだから、なんとも難しい。

新海社もいよいよ上場になるという時に、秀月が気まぐれの
ように出没したり、久しく会っていなかった秋夫に対して、
冷たい態度を取る所など、秀月の性格を見るようなエピソード
だった。
秋夫というキャラクターを色男っぷりに描き過ぎた事へのお灸を
据えるような整合性が図られる面白いシーンだったのかもしれない。

さて行はチャイナキャピタルの手からは逃れることが出来て
るいと再び生活を始められるのか。


鈴木万理江 …… 深田恭子 (資産家の娘で妻)
中村るい …… 鈴木京香 (45歳、新海社専務)
鈴木行 …… 長谷川博己 (28歳、金融庁のキャリア)
山田梨恵 …… 田丸麻紀 (新海社)
向井肇 …… 段田安則 (出版社・新海社・社長)
眞垣秀月 …… 草笛光子 (文壇の重鎮)
愛子 …… YOU (パンクバンドのボーカル、亮の恋人)
中村亮 …… 綾野剛 (音楽活動、るいの息子)
秋夫ウィリアム・ターナー …… 布施明 (医者・小説家)

坂口貴浩 …… 橋本一郎 (新海社)
工藤渚 …… 小野かおり (新海社)
児玉琢己 …… 小木茂光 (BAR"たくみ"の店主)
小岩井加奈 …… 森脇英理子 (新海社)

東條織江、酒元信行、氏家拓朗、松澤孝広、西野大作
日中泰景、石川誠、栃原梨乃、山本卓也、玉井雅子
アンドリュー・ミクグワイア、マーク・アードマン


三沢文江 …… 朝加真由美 (万理江の母)
三沢賢吉 …… 石田太郎 (万理江の父)
検事 …… 吉見一豊

裁判官 …… 朱源実
針原滋、保科忠志、ジミー・ロウ、ウィルソン・ウンセク
加藤晃衣、古館一也


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