新・警視庁捜査一課9係2 (2010年7月期・テレ朝水曜21時枠) 脚本／深沢正樹(1)(5)、岡崎由紀子(2)(9)、波多野都(3) 徳永高彦(4)(10)、ハセベバクシンオー(6)、瀧川晃代(7) 真部千晶(8) 監督／杉村六郎 http://www.tv-asahi.co.jp/9gakari/

第10話 高層の死角
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久我工建に勤める田宮剛(52歳)が、工事中のビルの9階から落下
して亡くなる。

その頃、浅輪は加納と一緒に調布に来ていた。倫子に電話する
と帰宅する途中に、店に立ち寄る事を告げる。
しかしそんな中、警察無線に仙川9丁目の工事中のビルで人が
落下して亡くなった事が伝えられる。そんな無線を聞いた加納
は折角だから行ってみようとと告げる。

現場に着くと所轄の刑事から話しを聞く。
被害者の田宮は安全管理の担当だったという。命綱を付けて
いたが親綱が切れて落下している事を知る。そこに検視官の
溝口甚八がやってくると、親綱は随分使い古していて耐久性を
失っていたみたいだと告げる。
加納は早速ロープの切れた先を見ると、何処か違和感を覚える。

青柳はかつて無銭飲食で捕まえた男と逢い、お土産にお菓子
を貰ってくる。そのお菓子を9係の仲間と共に食べながら、
警察官は出世ではなく人徳だと、村瀬に嫌みっぽく語る。

そんな中、加納たちが帰宅し、途中で死亡事故が有ったことを
語る。被害者が田宮だと告げると、青柳は自分が世話した人物
である事を告げ、そんな彼が使い古したロープが元で亡くなった
事を聞くと、彼は決して安全管理を怠る人物ではない事を訴える。

青柳は検視官の元に行くと、司法解剖するよう求める。
しかし事件性のない事故である事。しかも解剖に掛かる費用が
一体幾らになるのかと言われ、余程の根拠がない限り許可しない
という。私情に付き合って判定を覆すわけにはいかないと言われ
青柳は別の角度から調査をする事にする。

浅輪たちは所轄に遺体を確認に行く中、村瀬は14係が新設され
るという噂があることを志保に語る。

浅輪は遺体を調べに行くと、転落の時に付着した傷以外は無く
事件性は見あたらない。遺留品を調べると、1997年7月26日に
撮影された家族の写真が有った。
そんな中、遺体を引き取りに息子の前山秀一がやってくる。
父とは12年前に母と離婚したきり音信不通だという。葬式は
やらず、明後日には火葬にするという。

被害者が勤めていた久我工建を調べると、経営不振に有る事が
発覚。保険金殺人の件は考えられるのか?と疑う。

青柳たちは彼が勤めていた久我工建の社長・久我弘之の元を
尋ねる。現場で事故死が起こったことで、現場から外れて欲し
いとの電話がひっきりなしにかかってきていた。社長に尋ねる
と確かに保険には加入しているが、受け取りは500万円程度で
遺族に渡せばそれで終わるという。加入している保険会社は
弥生損保だという。
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工事現場で一人の男性・田宮剛が亡くなる。
物証は事故死を物語っているとするが、調べていく内に検視官
が何らかの不正に関わっている事を掴んでいく。
果たして彼は誰かに殺害されたのか?

ドラマとしては村瀬の出世話と、青柳の人情ネタと絡ませて
構成した話だった。この二人の対立をより際立たせるために
二人が最も遵守して居るであろう警察官としての心情をぶつけ
有ったという事で、ドラマとしても盛り上がるものがあった。

ドラマとして面白く感じたのは、久我工建と溝口が繋がっている
事は早い段階で明らかになるが、それが誰と繋がっているのか
という点だ。

保険金殺人であるならば、明らかに会社経営側の人間と関わって
居るはずであり、都合良く登場している社長の息子が如何にも
怪しいところ。その人物との接触を否定しつつ、最終的には
その人物が犯人だったという点で、面白いサプライズ的展開が
用意されている。

9係が組織に依存していない所を明らかにする意味でも、象徴的
なエピソードだったし、その中でも加納の役割が一際目立つ
ものだった。
部下のしている行動に対しても、リーダーとして責任を持つよう
な態度に出る所だったり、リーダーとして溝口と話を付ける姿
は、久しぶりに警察上層部と対立する姿が見られたのではなか
ろうか。

離婚した理由に関してはイマイチ良く解らないところが有った
し、少々溝口が千里と結婚していたとする辺りは、胡散臭さ
が有ったけど、まぁその辺は仕方がないか。


加納倫太郎 …… 渡瀬恒彦 (警部)
浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (巡査)
小宮山志保 …… 羽田美智子 (巡査部長)
村瀬健吾 …… 津田寛治 (警部補)
青柳靖 …… 吹越満 (警部補)
矢沢英明 …… 田口浩正 (巡査部長)
早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (東京都監察医務院に勤務する監察医) 
石川倫子 …… 中越典子 (パティシエ、直樹の彼女)
広岡巧 …… 新貝文規 (検死医)

溝口甚八 …… 中原丈雄 (検視官)
田宮剛 …… 遠山俊也 (52歳、久我土建)
前山秀一 …… 中村倫也 (田宮の息子)
久我弘之 …… 山崎大輔 (久我土建・社長)
久我正孝 …… 内野謙太 (社長の息子)
前山千里 …… 小宮久美子 (田宮の元妻、心臓の病気)

田中洋之助、西海健二郎、松尾晶代、高尾祥子、仲田敬治
岡けんじ、濱崎晋丞、佐野光洋、中島来星

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)