新参者
(2010年4月期・TBS21時枠)

企画 - 那須田淳
プロデューサー - 伊與田英徳、中井芳彦
脚本 - 真野勝成、牧野圭祐
音楽 - 菅野祐悟
音楽プロデューサー - 志田博英
演出 - 山室大輔、平野俊一、韓哲、石井康晴

http://www.tbs.co.jp/shinzanmono/


第10話 犯人の告白逮捕〜涙の訳
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清瀬は警察より参考人として連行される。
祐理はすぐに弘毅に電話し、父が警察に連れて行かれたと報告。

その頃、加賀はおもちゃ屋に居た。
当日清瀬が岸田克哉に金を渡していたことについて、克哉に任意
の同行を求める。しかし加賀は貴方は犯人ではないという。
加賀はおもちゃ屋で話しを聞いた結果、克哉が清瀬に電話した
のは、克哉が当日ダイヤマンの限定品を買いにおもちゃ屋に
行ったが、そこでイベントに参加していたものから車に落書き
をされていた事を指摘。清瀬の元に行った理由も、その落書き
を消すためだろうという。しかし何で自分のアリバイを否定
したのか。加賀は恐らく息子に対して、自分を良く見せるため
についた嘘だろうと告げる。以前レストランで食事した際に
カードが使用停止になっていた事を指摘し、ダイヤマンの玩具
を買うことが出来なかったのではないかという。そこで清瀬に
金を借りに行っていたのではないかと推測する。すると克哉も
それを認め、清瀬に口止めしていたが全て話しても良いと告げて
欲しいと言う。
克哉は5年前から投資を行い、最初は儲かっていたが、最近は
損失続きだったという。格好良いパパで居たかったとし、取り
返しの付かないことをしたと語る。

そんな中、翔太が未だにコマを回せない所を見る加賀。
コマはお爺ちゃんである岸田要作に貰った物だと知り、いつ
貰ったのかと尋ねると、15日だという。

加賀はコマを買いにほおづき屋に足を運ぶと、そこでかつて
話しを聞いた田倉とバッタリと遭遇する。彼は必ず犯人を見つ
けて欲しいと加賀に語る。

一方鑑識によると、清瀬の会社の倉庫にあったロープは犯行に
使われた物とは一致しなかったという。松宮は加賀に倉庫で
は何を気にしていたのか?と尋ねると、ダンボールだという。
それを聞いた松宮は清瀬の倉庫に行きダンボールの中身を調べ
にいく。
ダンボールを開けるが空き箱にテープがしてあるだけだった。
しかも倉庫の鍵が発見される。

弘毅はその頃、母親貰った"役者の心得"について書かれた英語
の本と格闘していた。かつて母親から"人生に意味のない事など
一つもないと言われたこと"を思い出す。弘毅は亜美に父親の
事を尋ねると、清瀬は犯人ではないと思うと告げる。

加賀はちどり屋でもコマが販売されていることを知る。
店主の佐川に話しを聞くと、13日の日に一個だけ万引きされた
という。

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克哉のアリバイが意外なところから発覚していく中、清瀬の
アリバイを調査していく。倉庫からは新しい物証が見つかっ
ていくが・・・

最終話という事で冒頭から内容が濃く、克哉のアリバイ崩しの
為に、加賀が喋りまくっていたけど、怪しい人物の一人を冒頭
の段階で排除する流れは、とても興味深く、一瞬でドラマに
引き込まれる物があった。

リストラされた社員の長井が何らかの事件の鍵を握っている
かと思ったけれど、この流れは完全にダミーであり、ドラマ
としては上手いフェイクになったと思う。

ドラマとしての着眼点は、前回の話から被害者を殺害したヒモ
に集中し、それを回らないコマの謎へと転嫁していったこと。
大した意味は無いと思っていたコマが最後まで犯人を特定する
ものとして存在していた事で、意外なところから突破口が生ま
れたかな。

動機としては意外にシンプルなもので、横領だった訳だけど、
何故横領に至るのかがこのドラマの中でテーマとして描かれて
居たこともあって、深い物があった。

ドラマとしてのテーマは家族の絆だったり、親子の関係だった
訳だが、上杉を使って解決に導かせた所など、彼の心の傷を
癒す流れにも繋がっていて良くできていたなと思う。

原作が短編だったという事で難しいものが有ったと思うが、
毎回一貫した流れと、それとは別に各話の色が上手く使い分け
られており、毎回違った楽しみ方が出来たのでは無かろうか。
物語を積み重ねていく内に、徐々に清瀬家の事情が発覚して
いくと同時に、生前には相手に伝わらなかったことが、母親の
死によって真意が伝わっていき、団結心を持ち始める所など
皮肉な展開だった事も面白くできた物だった。

それにしても最後の笹野高史さんは怪演だったな。


加賀恭一郎 …… 阿部寛 (日本橋警察署)
青山亜美 …… 黒木メイサ (タウン誌"ドールタウン"編集)
清瀬弘毅 …… 向井理 (直弘の息子)
松宮脩平 …… 溝端淳平 (日本橋警察署)
小嶋一道 …… 木村祐一 (日本橋警察署)
上杉博史 …… 泉谷しげる (日本橋警察署)
岸田要作 …… 笹野高史 (税理士)
三井峯子 …… 原田美枝子 (45歳・翻訳家、小伝馬町ハイム)
清瀬直弘 …… 三浦友和 (社長、峯子の元夫)

北村美雪 …… 紺野まひる (スイーツ店)
奈々 …… 沢木ルカ (鯛焼きを売る)
望月綾名 …… 橋本真実 (タウン誌"ドールタウン"編集)
宮本祐理 …… マイコ (直弘の秘書)
中村 …… コッセこういち (刑事)
川口 …… 下総源太朗 (刑事)
岸田克哉 …… 速水もこみち (要作の息子)
岸田玲子 …… ちすん (妻)
岸田翔太 …… 中西龍雅
上杉和博 …… 早乙女太一 (息子)
佐川 …… みのもんた (ちどり屋)
田倉慎一 …… 香川照之 (新都生命保険)
篠塚拓 …… 柏原収史 (劇団あたけ)
菅原美咲 …… 小泉深雪 (ほおづき屋)
長井 …… 田村泰二郎 (清瀬の会社の元社員)
前田 …… 大迫一平 (暴走族)

よこやまよしひろ


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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