宿命1969-2010
〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京〜

原作/楡周平
脚本/坂上かつえ
音楽/長谷部徹、AudioHighs
チーフプロデューサー/森山浩一
プロデューサー/柴田聡、島川博篤、佐藤毅
協力プロデューサー/小橋智子
演出/内片輝、遠藤光貴

http://syukumei1969-2010.asahi.co.jp/


第2話 慰謝料2000万円の罠…女の復讐

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尚子が通う料理教室に宣子も入会する。宣子は尚子に挨拶する。

一方民自党・政調会長の白井眞一郎基盤となる白井国土建設の
父さんの噂が流れ始めた事を後援会長の森本は心配し、秘書の
八尋に電話してくる。途中で有川崇と尚子の縁談が破談になれ
ばアウトだと八尋は眞一郎に告げるが、最後の手段とばかりに
彼は総理に仲人になって貰うために動いていた。

尚子は帰宅途中に服屋によるとそこでも宣子と鉢合わせする。
二人は自己紹介がてら喫茶店に立ち寄り互いのことを語り合う。
宣子は5年前にMBAの資格を取った事を告げ、全ては10年間付き
合っている彼に勧められた事を語る。今の私があるのは彼の
お陰。その方と結婚するのか?という問いかけに、10年も付き
合っているとそういう事に拘らなくなると語る。別れ際に
宣子は自分と有川が一緒に写る写真を落としていく。それを
見た尚子はショックを受け、7時に「マーメイド」で約束して
いた有川とのディナーをキャンセルして帰宅してしまう。

妹の亜希子は崇と喧嘩したのか?と声を掛ける。
清廉潔白な男性を求めている訳でも女性関係が有ることも理解
はしているが、10年も交際している人が居るのはまた別の話だ
という。しかし亜希子はそんなに怒ることなのか?と告げ、
彼の年齢ならば当然それくらいの女性が居ることを語り、そも
そも結婚は父のためだと言っていたでしょうと告げる。
それを受けて尚子は有川に会って話をすることになる。

尚子は宣子と今日会ったことを告げる。彼はもう終わったつもり
だったとして謝罪し、彼女に縁談を白紙に戻したいのか?と問い
かける。貴方の気持ちが先だと言われ、自分は尚子の事を選ん
だのだと語り、君の人生に責任を持つつもりである事を告げる。
わざと宣子が近づいてきたのは分かるという尚子。彼女とは
ハッキリ話を付けることを約束する。尚子から崇は何を目指して
いるのか?と問われ内閣総理大臣だと告げる。

崇は母に面会し、縁談を成功させるために手切れ金の2千万を
用立ててもらう。これは尚子も知っていることで彼女は母親に
負けず肝が据わった女性であることを告げる。
その足で宣子に会う。彼女は女の気持ちを踏みにじって自分の
思い通りにならない事を教えたかったという。10年間貴方に
相応しい相手になろうと努力したことを訴える。ブランドを
持ち高級マンションに住み4千万円の年収を得ることが相応しい
という事なのかと問い、自分たちの関係に結婚という選択肢は
予め無いものだとしていたことを告げる。自分を被害者の様に
言うのは辞めてくれと語る。小切手を渡そうとすると彼女は
グラスの水を崇に掛けて出て行く。
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10年も付き合った崇が別の女性に乗り換え結婚する事を知った
宣子は、そうはさせじと婚約者の前に現れる。果たして見事
邪魔することは出来るのか。

小池栄子さんってとても器用な方で、役者としてもとても良い
地位を確保したなという感じ。

尚子の背後から忍び寄る演出はとても興味深い映像として描か
れていたし、彼しか居ないとする悲壮感と固執するだけの事情を
上手く盛り込んだ感じ。

尚子に対して一瞬の葛藤が有ったけれど、改めて政治家の娘で
有り婚約者として気持ちを切り替え、肝の据わった役に帰着した
所などとても良くできていた。
尚子と宣子の関係とそのぶつかり合いは、序盤に於いてこのドラ
マを引き付けるだけの魅力が存在したと思う。

前回国会議事堂を背景にして映像の迫力を描いたけれど、今回は
複雑化する扇状の高速道路の映像を差し込んできた。
映像表現の巧みさもこのドラマの魅力で、とても計算高く描かれ
ている印象を受ける。

さてなんといっても今回は結婚に於ける障害をクリアしていく
中で有川三奈と白井眞一郎の意外な接点が浮かび上がってくる
というもの。
全共闘時代に二人が関係を持つ映像が流れたけれど、あの時に
出来た子供が有川崇なのか。前回幼稚園の時に父親は死去した
様なことを言っていたのにね。
白井尚子と結ばれなければ政界進出も何もないので、二人は兄妹
だと思わせつつ違うような気もするけど、違わなかったらそれは
それで凄い方向に進んでいってしまうよね。

水崎綾女の大胆なシーンが印象的。
パンツがまた時代を感じさせるものだったけど、活動家らしい
大胆さな性格がそんなシーンに現れていたな。

有川崇 …… 北村一輝 (財務官・主計局主計官)
笹山宣子 …… 小池栄子 (為替ディーラー)
白井尚子 …… 上原美佐 (長女)
有川透 …… 細田よしひこ (次男)
白井亜希子 …… 藤井美菜 (次女)
白井逸子 …… 松坂慶子(母親)
有川和裕…… 田中健 (継父)
白井眞一郎 …… 奥田瑛二 (民自党・政調会長)
有川三奈 …… 真野響子 (母、医療法人有川会)

国枝芳史 …… 矢島健一 (財務省次官)
長妻良明 …… 皆川猿時 (為替ディーラー、宣子の上司)
笹山太一 …… 森次晃嗣 (福岡に住む父・公務員)
八尋秘書 …… 隆大介 (眞一郎の秘書)
佐藤 …… 高橋洋 (財務省)
福本 …… 松尾政寿 (財務省)
原口由加里 …… 別所あゆみ
岡内眞一郎 …… 山内基寛 (眞一郎の大学時代)
石野 …… 井之上チャル (探偵事務所)
小林 …… 七世一樹 (会員制"マーメイド"バーテン)
渡辺茂 …… 立川三貴 (財務大臣)
依田美佐子 …… 水崎綾女 (三奈の大学時代?)
遠山運転手 …… 草野速仁
柳田事務長 …… 戸井田稔 (病院)
小野内科部長 …… 小須田康人 (病院)

壱ノ木成、田中大輔、康智、柴田正和、桑原一明、北浦貴之
川崎敬一郎

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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