宿命1969-2010
〜ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京〜

原作/楡周平
脚本/坂上かつえ
音楽/長谷部徹、AudioHighs
チーフプロデューサー/森山浩一
プロデューサー/柴田聡、島川博篤、佐藤毅
協力プロデューサー/小橋智子
演出/内片輝、遠藤光貴

http://syukumei1969-2010.asahi.co.jp/


第3話 出生の秘密

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三奈は崇の元にやってくると、今回の縁談は断ってくれと唐突
なお願いをする。何故かと問うと思っていた以上に白井国土
建設の財政状況が悪いという。しかしその件については予め
分かっていたことで、経済的リスクを負うことだと言っておい
たと告げ、ここまで来て断れとは無理な話だと一蹴する。しかし
母親は一歩も引かずにこれは命令だという。深刻な物言いに
崇は何かあったのか尋ねるが理由については一切話そうとは
しなかった。

一方省内では崇が白井政調会長の娘と結婚することが既成事実
となっていた。いずれ国政に出るのだろうが、お前のような
坊ちゃんが生臭い人たちが集まる場所で耐えられるのかと国枝
から言われる崇。
そんな所に白井と滝沢宗晴総理が通りかかる。軽く挨拶を交わし
今度一席設ける事を告げる。

三奈は眞一郎の元に電話し、内密な話があることを告げる。
築地のマツフサで待つ事を告げる。

宣子は会社では依然としてディーラーの仕事はさせてもらえず
雑用ばかりさせられていた。ディーラーならば昼食も仕事場で
行うものだとして、現場から外された事を知られたくない為に
食堂に足を運ぶことも出来ないで居た。
長妻から声を掛けられ、場を離れて2週間が経つが来週から
またやってみるかと言われる。ただし今度失敗したらクビを
覚悟しろと言われる。

渡辺財務大臣は国会の答弁で崇が用意した答弁書を使って
質疑を行っていた。それまで渡辺は崇には無関心を装っていた
が、総理が崇の仲人をすると知り、彼に接してくる。答弁書の
件も崇は大臣にプライドを保つために最大限の配慮を込めて
作成したこともあって大臣は崇の事を気に入るようになる。

白井は崇の元にやってくると、先程三奈から電話がかかって
きた事で彼にその真意を問いただそうとする。しかし母親は
この縁談に関しては喜んでいることを告げると、白井は安心
したような表情を見せる。

三奈は夫の和裕が読んでいた共闘の歴史のページを見て、思い
出に浸る。私達の運動は一体何だったのか。世間では一種の
熱病だとしている。当時三奈は裕福な家庭に育ったことに後ろ
めたい気持ちが有り、その分この運動に掛ける思いが強かった
のだと告げる。

崇は自分の部屋に尚子を招待する。尚子は壁に飾られている
馬の絵を気にする。崇は小学生の頃の話をし、なかなか東京の
社交上手な子供達に馴染めず友達が居なかったことを告白。
父親は幼稚園の時に女の家で亡くなった事を告げ、母親はその
時悲しんでいるフリをしていたが、実際には悲しんでは居なか
った事を告げる。
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なんだか凄いことになってきたな。
事実を知りつつもそれを黙認して縁談を進めようとする白井眞
一郎の中には、政治家としての姿しかなく、娘の事を気づかう
ような父親像は感じられない。
特に今回は白井国土建設の件が、これ以上アテにならないと
知ってそういう決断をさせるところが何とも嫌らしいところで
ある。

三奈にしても、本当のことを言えばそれで済む話なのに、
それを言わないところに苦しみを助長する仕組みが出来上がって
いる。外科的手術が必要なのに、白井眞一郎や有川三奈の口から
なかなか真実が飛び出さないところが、なんともエゴイスティ
ックで人たちで、金持ちや権力者の考えることは、一般人を遥か
に凌駕するモノがあるなと思う。

さてドラマとしては、崇と尚子の関係が徐々に形だけの関係から
互いに情の通い合う関係へと発展していく中で浮かび上がる
それらの事実に、なんとも切なさを覚えるもの。

互いに子供時代にあまり良い思い出が無く、それも全て家庭の
事情だったり、親の事情が子供に及ぼしているという面で
とても可愛そうなもの。

ドラマとしてはどの様に宣子を展開上絡ませていくのかなと思っ
たけど、なんか最後の方の展開を見たら、その方向性も見えて
来た感じだね。
宣子も幸せが掴めそうでいて、それが見え始めた頃に突き落と
されるという可愛そうな役だな。

有川崇 …… 北村一輝 (財務官・主計局主計官)
笹山宣子 …… 小池栄子 (為替ディーラー)
白井尚子 …… 上原美佐 (長女)
有川透 …… 細田よしひこ (次男)
白井亜希子 …… 藤井美菜 (次女)
白井逸子 …… 松坂慶子(母親)
有川和裕…… 田中健 (継父)
白井眞一郎 …… 奥田瑛二 (民自党・政調会長)
有川三奈 …… 真野響子 (母、医療法人有川会)

国枝芳史 …… 矢島健一 (財務省次官)
長妻良明 …… 皆川猿時 (為替ディーラー、宣子の上司)
笹山太一 …… 森次晃嗣 (福岡に住む父・公務員)
八尋秘書 …… 隆大介 (眞一郎の秘書)
佐藤 …… 高橋洋 (財務省)
福本 …… 松尾政寿 (財務省)
原口由加里 …… 別所あゆみ
岡内眞一郎 …… 山内基寛 (眞一郎の大学時代)
石野 …… 井之上チャル (探偵事務所)
小林 …… 七世一樹 (会員制"マーメイド"バーテン)
渡辺茂 …… 立川三貴 (財務大臣)
依田美佐子 …… 水崎綾女 (三奈の大学時代)
遠山運転手 …… 草野速仁
柳田事務長 …… 戸井田稔 (病院)
小野内科部長 …… 小須田康人 (病院)
時任良和 …… 山田純大 (東和新聞記者)
滝沢宗晴 …… 若林豪 (内閣総理大臣)

福井裕子、弓澤公望、桑原一明、北浦貴之、壱ノ木成
田中大輔、康智、柴田正和

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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