素直になれなくて
(2010年4月期・)

脚本:北川悦吏子(「空から降る一億の星」、映画「ハルフウェイ」他)
演出:光野道夫(「離婚弁護士」「BOSS」)
プロデュース:中野利幸

http://www.fujitv.co.jp/sunao/


第1話 今、何してる?

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ツイッターで会話する5人の若者たち。
ナカジ(中島圭介)はライカのカメラを購入したことをツイッター
で流す。ハル(水野月子)は初任給でバッグを購入したと書き込
む。
今日はツイッター仲間が渋谷の喫茶店"ザ・エモーション"で逢う
約束をしていた。ツイッター仲間のリンダ(市原薫)は、オフ会
の目印は赤い薔薇であると書き込む。

約束の時間までの間、ナカジは別の喫茶店でコーヒーを飲んで
いると突然女性・ハルにコーヒーを零される。濡れたズボンを
拭くハルは思わずナカジの股間にタッチしてしまい、ナカジ
から痴漢呼ばわり。最悪の男性・最悪の女性に出会ったとツイ
ッターで流す二人。

ハルは高校時代からの友人・西村光が勤める洋服店にいくと、
一緒にオフ会に参加して欲しいと頼む。ハルにはツイッターを
する中で、ナカジの事が気になっていたので有る。運命を感じ
るという彼女。

リンダは雑誌の企画としてツイッターの仲間に逢う事を編集長
の奥田に告げると、喫茶店へと急ぐ。
最初に来たのはドクターとリンダ。ドクターは律儀にバラの花
を目印として持ってくる。更にハルと光がやってきて互いに
自己紹介をする。そして遅れてナカジがやってくる。ナカジは
コーヒーを零されたのでズボンを履き替える為に遅れてきた
訳だが、自己紹介をしているウチに目の前の女性が先程自分
にコーヒーを零した人だと分かる。自己紹介、そして記念撮影
する。

二次会になると、ナカジとハルは用事があるとして抜ける。
二人は偶然同じ新池ノ上に住んでいる事が判明。
ドクターは二次会のカラオケに意欲満々だったが、仕事の電話
を受けて途中で抜け出す。残った光とリンダは意気投合する。

最寄り駅についたナカジとハル。ハルはコンビニに立ち寄ると
して永遠にさよならだと告げる。しかしナカジはハルが出てくる
のを待っていた。女性が夜道を一人で帰るのは危ないという
ナカジ。家の近くの公園で二人は話し合う。すると痴漢だと
言ったことを謝って欲しいとハルはナカジに詰め寄る。返答
しないでいると二人はもみ合いになり、ハルは転んで足を
挫く。ナカジは手当てするために自宅までおんぶしていく。
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インターネット上での付き合いだった4人(+1)の若者が、オフ
ミーティングを行うことになる。
文字や文調だけのやりとりの中で、あれこれと想像していた
相手がいよいよ目の前に現れることになる。
好印象を持っていたハルはナカジと最悪の出会いを果たすことに
なる。

自分もインターネットをやる身なので少なからずこのドラマで
描かれるような素材には惹かれるモノがある。
学生時代には草根のネットワークでオフミーティングなど何度
もやった事があるが、ズバリ文字と現実のギャップに不思議な
感覚を覚え、癖になるものである。

インターネットでやりとりしていた相手との、初対面でも緊張
した様子がイマイチ感じないのは、都会人で若者故の順応力だ
ろうか。

ドラマでは限りなくインターネット上でのやりとりの場面
を見せずに、いきなり逢うシーンから描かれた。
インターネット上で見栄を張ってしまった部分や、虚勢を張って
しまった部分などが現実に於いて跳ね返ってくるものが有る
部分が、この手のドラマでは面白い要素の一つだと思うが、
まだまだそれが明かされている部分も少ない。

ドクターは実際には医者ではなく医療器具販売の男で、
ハルは教師ではあるけれど臨時である。ナカジはカメラマン
とは聞こえが良いがグラビアを任されているという事。
薫のギャップは分からないが、パワハラを受けている事だけは
確かな役割だ。

このドラマでは、ツイッターでのツールとしての役割と同時に
ある意味"出会い系"という名のリスクを感じる内容だと思う。
素性の分からない相手との関係の中にどれ程怪しげな物が含ま
れているのか。

冒頭からスタイリッシュさで渋谷の町が描かれているし、
それぞれの人生を謳歌している様が映像として見られるが、
一つ裏返せばダークな世界が待ち受けていて、実にネタには
困らないといった興味深さが詰まっている。

初対面に於いては最悪だった関係性が徐々に相手の良い部分が
見え始めてきたりする部分はとても面白い描き方だし、かと
いって全幅の信頼を寄せるにはまだまだ時間の掛かりそうな
展開で、波乱に満ちた内容であることは間違いない。

これだけの素材のドラマを果たして一クールで描ききる事が
出来るのだろうか。


中島圭介 …… 瑛太 (ナカジ、カメラマン)
水野月子 …… 上野樹里 (ハル、高校の臨時教師)
パク・ソンス …… ジェジュン (ドクター、東京メディック勤務)
西村光 …… 関めぐみ (ピーち、アパレル)
市原薫 …… 玉山鉄二 (リンダ、雑誌編集)
松島健太 …… 阪本奨悟 (高校生)
高橋正文 …… 竜星涼 (高校生)
前田由起 …… 逢沢りな (高校生)
パク・ミンハ …… 木南晴夏 (高校生)
水野シュウ …… 中村優一 (月子の弟、悪い仲間と連む?)
奥田真理子 …… 渡辺えり (編集長)
山本桐子 …… 井川遥 (圭介の??)
水野祥子 …… 風吹ジュン (月子の母、更年期)
中島亮介 …… 吉川晃司 (祥子と知り合い?)

峰原隆 …… 田中哲司

小須田康人、松川貴弘、三谷悦代、大竹浩一、松木研也
ペ・ジョンミョン、岩澤晶範、横塚真之介、大波誠、桜井まり
長野克弘、MAIKO、恒吉梨絵、津村知与支、小松英介、吉川まりあ


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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