素直になれなくて
(2010年4月期・)

脚本:北川悦吏子(「空から降る一億の星」、映画「ハルフウェイ
」他)
演出:光野道夫(「離婚弁護士」「BOSS」)
プロデュース:中野利幸

http://www.fujitv.co.jp/sunao/


第2話 仲間、いますか?

--------------------------------------------------------
ナカジの家に汚してしまったズボンを持ってきたハル。
しかし彼の部屋から対応に出てきたのは桐子だった。近くまで
来たから寄ったというハル。気まずさ全開の中、立ち去って
いく。桐子は彼女のこと追い掛けなくて良いのか?とナカジに
問う。

光は矢野順一と会い、結婚してくれるよねと尋ねる。私、妊娠
したかもしれない事を告げると彼は、ホントにオレの子かと
尋ねる。君、色々と噂が有るからと告げる。

光(ピーち)はみんなにツイッターで情報を発信し始める。
仲間達にもデビューしましたとメッセージを送る。

ドクターは上司・峰原に領収書を手渡すが、業績も上げてない
人に払う経費はないと言われ、この仕事は向いていないのでは
ないかと嫌みを言われる。

帰り道、ハルはコンビニに立ち寄り一人で雑誌を立ち読みして
いるとナカジがやってくる。先日の件でナカジはハルに、電話
してから来てよと告げる。
一緒に帰宅する二人。ハルはナカジに缶コーヒーに書いてくれた
"頑張れ"の言葉が有り難かったと告げる。何故口で言わなかった
のか?いつもは調子の良いことばかり口にするのに・・と言われ
ると、ナカジは中途半端な自分が言う資格があるのかと告げ、
今の仕事も実力が知るのが恐くて前に進めないことを告げる。
ハルはそんな彼に"ガンバレ"の言葉を投げかける。
ナカジはハルに初めて逢ったときに撮った彼女の写真をプレゼ
ントする。

リンダは会議中に上司の奥田からセクハラされる中、
新しくデビューしたピーちからのメッセージが異様なことに
気がつく。"これから真っ暗闇へ、そして居なくなる"という
言葉に一同ピーちの元に駆け寄り、自殺未遂した彼女を病院
に運ぶ。リンダの知り合いの病院で処置して貰い、幸い命に
関わる者ではなかった。ドクター、ハル、ナカジも含め全員が
リンダの為に集まる。
ピーちは新しい自分に生まれ変わりたいという。何で死のうと
したのか、話し合う一同。意外にも気持ちが分かるとしたのは
ドクターだった。今、自分は満足できる自分ではないから分かる
気がするという彼。新しい自分になりたくて日本に来たこと
を告げるが、実際には仕事も上手くいかず友達もなかなか出来
無い事を告げる。ホントの事を言える場所や仲間がありますか
という問いかけに、リンダもナカジも心当たりがなかった。
--------------------------------------------------------

これまで本音で語り合う事が出来無かった人たちは、居場所を
求めてさまよい歩いた挙げ句、ツイッターというツールを手に
入れる。ツイッターで会話していた人たちが現実の中での付き
合いをスタートさせ、徐々に本音をぶつけ合っていく。

あまり正当な評価を得られていない気もするドラマ。
ツイッターという最新ツールを取り上げたまでは良かったが
その特性を生かし切れていないのではないかと言った意見が
多いのかな。
ツイッターでの会話って基本的に公開されていて、誰もが参加
できるものだから、このドラマのように5人に特定してしまう
ということに違和感を覚えるのではないか。
いつもの集まり場所になっている"The Emotion"だが、メッセ
ージを見た他の参加者が乱入してきたりしてくるとまたリアル
なのかも。
生徒の一人が書き込み者の特性から、月子がハルだと特定した
事を口にするが、これは無理だろって感じがするのは言うまでも
無い。

ドラマとしてはちょっと色んな要素がごちゃごちゃし過ぎ
て相変わらず散漫な感じを受ける。ただ整理し切れていないと
言うわけでもないので、どの要素に於いてもとても興味深い
ものが詰まっているし、どれも本人にとっては息苦しいまで
の現実が展開される。

やはりドラマとしてはナカジとハルの恋愛模様が良い感じに
描かれる。コンビニでの二人のやりとりは、仲の良さ、相性の
良さを感じさせる物で、互いに惹かれ合うべきものを感じる。

ピーちの人依存な所は現代の若者の女性っぽさを感じるし、
ドクターがなんとか業績を上げたい気持ちも良く解る。
契約が取れずにリンダに頼る所なんて、野島伸司のドラマ
「愛という名のもとに」の倉田篤と高月健吾の姿を彷彿とさせる
な。

あらゆるところにリスクが存在し、生きる上での難儀な一面の
オンパレードと言った感じがする。
特にハルの高校で、理由も分からず何故か狙われる月子は不幸
としか言いようが無い先行きが待ち受けている。

リンダはツイッターで逢ったばかりの人のためにわざわざ実家に
赴いくところがまた凄い。これまで疎遠だった親子の関係を
修復に導くのかどうかは分からないが、リンダの父や兄弟が
医師の路を歩んで居るとなると、進路の問題で親子の間に葛藤
が有った事は想像に難くない。それだけにリンダが今の雑誌社
で功績を挙げたいとするところも分かる気がする。

ナカジとハルが最後に見せる駅のプラットホームはとても雰囲
気が出ているな。駅には出会いと別れが詰まっていて、とても
良い場所だと思うが、空港以上に駅のホームが使われる事は
少ない気がする。何を言ったのかホームの向こう側から気にして
いたナカジは電車に乗らずにハルの元に駆け寄ったのかな。

なかなか見応えのある内容でした。


中島圭介 …… 瑛太 (ナカジ、カメラマン)
水野月子 …… 上野樹里 (ハル、高校の臨時教師)
パク・ソンス …… ジェジュン (ドクター、東京メディック勤務)
西村光 …… 関めぐみ (ピーち、アパレル)
市原薫 …… 玉山鉄二 (リンダ、雑誌編集)
松島健太 …… 阪本奨悟 (高校生)
高橋正文 …… 竜星涼 (高校生)
前田由起 …… 逢沢りな (高校生)
パク・ミンハ …… 木南晴夏 (高校生)
水野シュウ …… 中村優一 (月子の弟、悪い仲間と連む?)
奥田真理子 …… 渡辺えり (編集長)
山本桐子 …… 井川遥 (圭介の??)
水野祥子 …… 風吹ジュン (月子の母、更年期)
中島亮介 …… 吉川晃司 (祥子と知り合い?)

峰原隆 …… 田中哲司 (東京メディック)

矢野順一 …… 勝村政信 (光の彼氏)
市原美佐子 …… 朝加真由美 (リンダ母)
市原泰敏 …… 山田明郷 (リンダの父)
白石高文 …… 東根作寿英
山本智彦 …… 矢島健一 (桐子の夫)

小須田康人、松川貴弘
中村優一、飯田基祐、三谷悦代、大竹浩一、松木研也
兎本有紀、グレゴリー・ペッカー


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system