チームバチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋 (2010年4月期・フジテレビ火22時枠) 脚本 - 後藤法子 ほか 音楽 - 羽岡佳 演出 - 今井和久、植田尚、星野和成 プロデュース - 豊福陽子、遠田孝一、八巻薫 http://ktv.jp/general/

第5話 劇症型肺炎
--------------------------------------------------------
白鳥と田口は二人で、メディカルアソートの佐々木と議員・鴨
志田一郎が通っているクラブ"彩子"へと向かう。ホステスの
由紀や舞は田口が医師だと知るとすり寄ってくる。
彩子がやってくるのを見ると、白鳥は意図的に彩子が鴨志田
たちと写る写真を落として気を引く。二人の関係を尋ねるが
客のプライベートは話せないとして引き取りを願われる。
65000円は田口持ち。白鳥は彩子ママは何かを知っていると実感
する。

一方真山香苗(21歳)は最近人気上昇中の歌手。母親兼・マネー
ジャーを勤めている母・みどりは、今度初めてのコンサート
ツアーが有ることで神経質になる。そんな中、香苗がレコーデ
ィング中に倒れる。
母親が娘を働かせすぎが原因なのか。半年間休み無く働き、
5日前に咳込み始め、3日前から39度近い熱があったという。
検査すると白血球は正常、マイコプラズマ抗体は陽性だった。
肺炎だとして、取りあえずマクロライド抗生剤の投与を行う。

速水は患者の傍で激しく医師達に質問を繰り返す母・みどりに
頭を抱え、田口に対応を求める。モンスターペイシェントでは
無いのかという程口うるさい母親。弥生にも食い下がるのを見て
田口が対応する。レントゲンでは炎症が軽いので、退院にはそう
時間が掛からないという。

その頃速水は佐々木から電話を受ける。花房が速水の元にやって
くると彼は、証拠は全て破棄しているな?と尋ねる。今ならば
別に下りても良いとするが、花房は速水を信じているとして付い
て行くことを告げる。

佐藤は香苗が入院してきたのに対してデレデレ状態。
2、3日で退院できるだろうと告げるが、血液検査をやろうと
患者の腕をまくると全員に発疹が現れていた。マクロライド
に反応したのかも知れないとして薬をニューキノロンに変更。
何らかのアレルギーなのか?

田口はみどりと香苗の依存し合う関係に少々異常なものを
感じていた。過剰に心配し過ぎる事。白鳥はそれを聞いて、代理
ミュナヒハウゼン症候群ではないか?という。

弥生は長谷川を呼び出し、バーで一杯飲む。そこで弥生は彼に
速水が佐々木から金のような物を受け取っているのを見たこと
を告げる。

白鳥はクラブ"彩子"の前の店で客の流れを監視する。
佐々木と鴨志田、更には慶明医大の心臓外科医・黒岩徹也が
一緒に店にはいるのを目撃。白鳥は三人の前に現れる。

一方患者は突然咳き込み血を吐く。レントゲンでは肺が真っ白
になっている事に気がつく。ニューキノロンが全く利いていない
事。非定形肺炎だという速水。何らかの感染には間違いない
為、ウィルス抗体を調べ、広域抗生剤の投与を命令する。
--------------------------------------------------------

21歳の歌手が倒れて運ばれてくる。
果たして単なる過労なのか肺炎なのか。
必要以上に口を出してくる母親と娘の関係は如何に!?

ドラマとしては面白いのだが、白鳥を絡めた内容は即効性が
無いためにドラマとしては真山香苗の病名を特定していくエピ
ソードに近視眼的なものを楽しむことになる。

割り切ってドクターハウス的ドラマを展開していった方が
ある意味面白いのでは無かろうかという気がする。そういう意味
では白鳥のエピソードは、やや毛色の違うもので、好みが分か
れるところか。

人は嘘をつくもの、患者は嘘をつくものという事で、相変わらず
証言が役に立たないけれど、事実を知れば確かに隠したくなる
様な事実が待ち受けている事もあって、ドラマとしては複雑な
心境だ。

初診では大したことがないと思っていたモノが、急速に悪化し
ていく。ぐっちーは母親に早急に口走ってしまうけれど、彼女
が本当にモンスターペイシェントならば、この安易な発言を指摘
していくことになるかも知れない。そういう意味では、医者は
下手なことを患者に言えないな。

薬は恐いもので、きちんと処方されたもの以外の物を飲むと
こういうリスクが有るという事を提示しているし、薬が逆に
進行を進めてしまうという怖さが描かれた。

過去の病歴を知ることの大切さなんかも描かれていて、まさか
母子手帳が役に立つとは思わなかった。

白鳥と彩子ママのやりとりも短いながらも秀逸で、あの一瞬
で心を通わせ、ルールを守るとしながらも、反則スレスレの
答えを見出すところは面白いものだったと思う。


田口公平 …… 伊藤淳史 (東城大学付属病院・不定愁訴外来)
白鳥圭輔 …… 仲村トオル (厚生労働省大臣官房秘書課付技官)
速水晃一 …… 西島秀俊 (救命救急センター部長)
和泉　遥 …… 加藤あい (救命救急センター・救急救命医)
佐藤伸一 …… 木下隆行 (救命救急センター副部長代理)
栗山弥生 …… 浅見れいな (看護師)
滝沢秀樹 …… 松坂桃李 (研修医)
永山康友 …… 足立理 (研修医)
浅野和彦 …… 竹内太郎 (研修医)
佐々木英二 …… 堀部圭亮 (メディカルアソート)
三船大介 …… 利重剛 (事務長)
長谷川 崇 …… 戸次重幸 (救命救急センター医師)
花房美和 …… 白石美帆 (看護師長)
藤原真琴 …… 名取裕子 (不定愁訴外来専任看護師)
高階権太 …… 林隆三 (病院長)

福田敦子、羽村純子、石田由紀子、福田千明、増田具佑
内田譲

鴨志田一郎 …… 本田博太郎 (政治家)
斎藤彩子 …… 麻生祐未 (クラブ"彩子"のママ)
真山香苗 …… 岩田さゆり (21歳・歌手)
真山みどり …… 森口瑤子 (香苗の母・マネージャー)
黒岩徹也 …… 陰山泰 (慶明医大の心臓外科医)
舞 …… 小林恵美 (ホステス)
由紀 …… 石川沙織 (ホステス)

永野智則、牧野博文、植田雅人、北篠まみ、三島ゆかり
中山美緒、藤川玲奈

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)