日韓共同ドラマ テレシネマ7「19-Nineteen」 脚本／井上由美子『白い巨塔』『陽はまた昇る』 監督／チャン・ヨンウ http://www.tv-asahi.co.jp/nikkandrama/

前編 19-Nineteen〜殺人事件で容疑者とされた3人の19歳の奇妙な逃走劇!
--------------------------------------------------------
芸能界志望の女性が溺死し、容疑者として追われることになっ
た19歳の男女の逃走劇を描く前編。井上由美子脚本、チャン・
ヨンウ監督。三流大学の学生で19歳のジョンフン(トップ)は、
銀行員の父や一流大学を出た姉にばかにされる毎日。そんな
中、ジョンフンはアルバイト仲間で同い年のヨンエから不意
にデートに誘われる。その夜、二人は川辺の土手でキスをす
るが、ヨンエは携帯電話が鳴るとあっけなく去ってしまう。
一方、同じ19歳で大学浪人中のミンソ(ビアイ)は大企業会長
の御曹司。ジョンフンたちがアルバイトをするネットカフェ
に通い、思いを寄せるヨンエを盗撮していた。そして、ヨン
エと高校の同級生のウンヨン(ホ・イジェ)は母親の入院費を
稼ぐため、大学を中退して美容院の見習として働いていた。
ジョンフンとヨンエがデートした翌朝、ヨンエが溺死体で
発見される。
--------------------------------------------------------

アイドルを目指していたヨンエがあるとき漢江・束之島公園
(チェンシド)で午前1時に溺れて発見される。彼女を川に
沈めたものは誰なのか。三流サムファ大で文化人類学を専攻
しているジョンフン、父は銀行を経営し浪人しているミンソ、
母が子宮癌で余命幾ばくもなく、美容師を目指しているウンヨ
ンが容疑者として警察で事情聴取を受けるが・・・

脚本を担当しているのは日本の井上由美子さん。
ホント近年は逃走劇がお好きなようで、色んな形で逃走劇を
描いている印象がある。
日韓共同ドラマ テレシネマ7との事だけど、名目上は日韓の
文化交流を目的としたものだが、実際には交流とは名ばかりで
日本に韓国側の文化を知らせる為の企画と化しているのは言う
までもない。

全員取りあえずヨンエと関わりがあるけれど、容疑者とする
には相当弱いものがある。二時間のドラマ故に、細かい部分に
は目を瞑らねばならないところは多いのかも。

大人でもなく子供でもない19歳という状況の中、短い逃走劇
の中で若者は今まで体験したことのない事に触れ、新しい価値観
を植え付けていくものなのか。

ミンソはトッポギを食べたことがなく、ウンヨンは海を見た
事がないという。ソウルにいて海を見たことがないというのは
ちょっと無理が有るような気もするけど、普通の人が当然のよ
うに体験している事を、みんながみんな同様に体験している
訳ではないとするウンヨンのセリフがもっとも印象に残る。

現実からの開放感から逃走としつつも楽しむ姿があり、洋服店
で買い物までするところはちょっとリアリティに欠ける部分が
有るけれど、ウソや裏切りによって振り回されていく若者たち
がどのような事を思い、どのような行動を取っていくのか、
目が離せない。

正直、ウンヨンは母親が余命幾ばくもないのに逃走している
暇など有るのかという部分は引っかかるかな。

若者たちはソウルから東に向かい、木浦から江原道に行き、
そして束草へと向かっているようだ。いわゆる日本海に向かっ
ているのだけど、日本の字幕なんかでは韓国に配慮して大抵は
東海と訳されるのよね。